●代表質問「2001年度予算編成方針について」(2001年3月5日) 本間まさよ
◯19 番(本間まさよ君)  日本共産党武蔵野市議団を代表し、市長に質問をいたします。

 今回の施政方針は21世紀最初の施政方針です。1世紀100年という単位を視野に入れながら世界史の流れを大きくとらえ、未来への大局的な展望を地方自治体の市長も、そして議員もとらえることが求められていると思います。市長は施政方針の冒頭に、国家のあり方、経済、社会、軍事、文化のありよう、市場経済は万能か、環境負荷をどのようにコントロールして吸収するのかなど、だれも正解を持っていません。世界じゅうが混迷していると述べています。しかし、混迷しているのは、そして打開策を持っていないのは土屋市長であり自民党政治ではないでしょうか。自民党政治の行き詰まりと危機はいよいよ深刻になっています。自民党の国民的基盤は歴史的な崩壊の過程にあります。90年代の10年間で、自民党の総選挙での得票率は46%から28%に落ち込みました。93年の総選挙以来の5回の国政選挙で、自民党が単独で過半数を得たことは一度もありません。単独政権が不可能になったことから、自民党は連立によって数合わせを繰り返し延命を図ってきました。

 しかし、そのことが新たな深刻な矛盾を生んでいます。長年続けてきた大企業中心の政治が国民の暮らしを出口のない苦難に陥れるだけでなく、日本経済そのものを荒廃に導き、財政を大破綻に陥れ、社会保障の土台を大もとから崩しています。軍事同盟中心の日本外交がアジアに起こっている新しい平和の流れと真っ向から対立し、日本はアジアでも世界でも孤立を深めています。自民党政治そのものが日本社会の発展の障害物であることが、こんなに明瞭なときはありません。市長がこのような認識に立たない限り、打開策は持ち得ないと思います。市長の見解をお伺いいたします。

 森内閣発足以来の神の国発言を初めとした暴言、失言の数々、3人の大臣のキャンダルでの辞任、そして今度の原潜問題での対応、この人にはもう日本の国は預けられない、これが国民の圧倒的多数の気持ちだと思います。国会での数を頼んでの不信任案否決はあっても、退陣は国民の圧倒的多数の声と考えます。市長はいかがでしょうか。改めて日本共産党は森首相の即時退陣を強く求めます。今、国民が怒っているどの問題でも、森首相個人の責任だけにはとどまらないものです。KSDの問題をとっても18億円ものお金が自民党本部に流れた、丸ごと汚染の問題です。機密費の問題でも一部の役人の横領事件ではなく、このお金が国会議員の餞別や国会対策に使われてきたことが明らかになりました。官僚の一人だった野中元官房長官は、与党にも野党にもお金が流れた。ただ、共産党だけは呼んでも取りに来なかったと言っています。ここに今の政治の姿がはっきりあらわれている問題です。原潜事故の対応を見ても、アメリカにちゃんと物を言えない日本というところが問題になっています。市長は政治家としてKSD、機密費の問題、原潜事故の対応についてどのような見解を持っているか、お伺いをいたします。

 次に経済の問題です。元経済企画庁は最近の白書で、高度成長期には民間企業の設備投資がふえれば個人消費も拡大するという特徴があったが、低成長期に移行してからは民間企業の設備投資がふえても個人消費の拡大にはつながらないという特徴が生まれていることを分析しています。日本経済に占める個人消費の比率は6割になっています。国民の暮らしを直接応援する政治を行ってこそ、日本経済全体のまともな発展も可能になります。これが今日の日本経済構造の重要な特徴です。ところが、自民党政治は相変わらず大手ゼネコンと大銀行に国民の税金を湯水のようにつぎ込む政策を取り続けています。これらは国と自治体で645兆円の借金という戦後最悪の財政破綻を引き起こしましたが、国民の生活の向上には少しもつながっていません。社会保障の連続した負担増、消費税増税、超低金利政策、国を挙げてのリストラ推進で、個人消費は8年連続マイナスです。武蔵野市の市民税の課税標準額200万円以下の納税義務者が増加をし、全体として納税者の所得階層が低い方に移行していることがわかります。生活保護率も、'96年6%が、2000年には7.7%と毎年上がっています。就学援助者も毎年ふえており、市民の生活の困窮度がわかります。こうした市民の生活実態に立脚した政策こそが求められています。2001年の予算は、市民の暮らしを直接応援することを大きな柱にすることを求め、質問をいたします。

 1点目に、2001年度の公共料金の値上げは行わないことを求めます。

 市民への新たな負担は、ますます個人消費を冷え込ませます。市民の暮らしを守る自治体の役割を堅持し、公共料金は据え置くことを要求するとともに、今、政府がねらっている消費税の増税にいち早く反対の立場を表明することを求めます。市長の答弁を求めます。

 2点目は、地元の商店街対策についてです。

 市長の施政方針に、商店街対策が一言もないことに驚きました。吉祥寺地域での近鉄デパートの撤退、境地域での大型店の拡大などの変化は、人や車の流れ、まちづくり、地元商店街に大きな影響をもたらしました。地元商店街は、個人消費の落ち込み、大型店の進出、空き店舗の増加、後継者不足など、厳しい状態に置かれています。実態にふさわしい商店街振興策を行うための実態調査費の計上を求めます。

 私は、昨年9月の一般質問で、全国で注目をされている京都の西新道錦会商店街の活動、空き店舗対策、ファクスネット事業などを紹介し、商店街対策を求めました。市長は、機会があったら視察をしたいと言われましたが、調査をされたのでしょうか。

 今、商店街振興策は自治体の大きな施策となっています。立川市では、空き店舗をシルバー人材センターの仕事請負所や、介護・障害者・環境問題に取り組むNPOの活動の拠点として活用し、商店街を活性化しようとしています。先進市に学び、武蔵野市の商店街振興対策を強く求め、要求をいたします。

 3点目に、介護保険の問題です。

 社会保障の問題では、介護、年金、医療の切り捨てが連続して行われてきました。社会保障の切り捨ては、将来の不安を助長し、個人消費を冷え込ませる原因になっています。施政方針でも記述されているように、介護保険がこの10月から今までの2倍徴収されます。武蔵野市は、介護保険利用料のホームヘルパーを初めとした3事業の個人負担分の7割を所得制限なしに市が助成したために、利用率が全都平均よりも10ポイント以上高くなっています。利用料の減免については、全国的に見ましても先進的な役割を果たしていますが、保険料の減免については、議会でどんなに要求をしてもやろうとしません。

 議員にも配付をされている庁内報を読みますと、介護保険の相談苦情などの状況の報告では、保険料に関する相談、苦情は月を追うごとにふえ、相談・苦情件数の5割以上が保険料に関する相談、苦情となっています。多摩の各市でも、狛江市、国分寺市、小金井市、東村山市、武蔵村山市、東久留米市、立川市、日野市など、保険料の減免を実施する自治体がどんどん広がっています。保険料の問題では、介護保険後進市になってしまいます。

 私の試算では、第1段階の保険料を減免するための予算は200万円ほどです。市民が切望している保険料の減免を強く求めます。答弁を求めます。

 次に、子どもと教育の問題です。

 いじめや学校崩壊、校内暴力、児童虐待など、子どもと教育をめぐる状況は深刻です。不登校も増大し、相次ぐ少年犯罪に、国民だれもが心を痛めています。98年6月に、国連子どもの権利委員会は、日本政府への勧告の中で、極度に競争的な教育制度によるストレスのため、子どもが発達のゆがみにさらされていると厳しい批判を行いました。主要国政府への勧告の中で、教育制度そのものが不的確だと批判をされたのは日本だけです。

 どの子にもわかる教育を進めるためにも、30人学級は不可欠な課題です。この問題については、梶議員が一般質問で行いますので、私の方からは中学校給食についてお伺いをいたします。

 第二次調整計画では、食を取り巻く環境は大きく変化をしてきている。子どもたちに安全な食べ物や健全な食生活を与えていくためには、家庭、地域、学校など、生活するすべての状況を視野に入れ、配慮していく必要がある。

 そこで、まず、家庭での食生活を基本に据え、食を通じたコミュニケーションの重要性を意識し、子どもの食べ物の安全、栄養面はもちろん、食の持つ文化的意義を含めた情報提供の啓発を家庭に対して行う。また、学校給食については、質や給食調理所の改修・改築も視野に入れ、家庭、地域、学校は、今、子どもの食に対して、どのような形でかかわるべきかを子どもの体質の違いや健康、ニーズを踏まえながら慎重に検討するとなっています。

 中学校の昼食のあり方についても検討するということですが、実施をする方向で進めるということなのでしょうか。議会は、実施をすべきという姿勢を既に示しています。市民要求の大変強い中学校給食、この本予算で実施のための予算を計上することを強く要求をいたします。

 次に、保育問題についてです。

 保育問題については、措置型保育事業はピークを超えたと見解を述べていますが、この点は、今後の保育事業のあり方にかかわる重要な点だと考えます。現行児童福祉法は、総則において、子どもの保育責任は保護者とともに国及び自治体にあることをはっきりと述べています。24条において、市町村に保育の実施責任を課しています。つまり、措置制度の基本を述べたものです。しかし、今日、措置制度は時代にそぐわず、契約制度への転換が言われてきていますが、これは、市長自身が介護保険制度について菅 直人氏との論争で述べているとおり、措置制度が悪いのではなく、サービスの絶対量が足りないことが問題にされるべきです。多様な保育要求が出されていますが、児童福祉法の理念に基づき、保育の公的保障を拡大すべきと考えますが、市長の見解をお伺いをいたします。

 また、保育所の認可要件の規制緩和が行われ、公立や社会福祉法人以外の民間企業、団体、個人など、保育所運営ができるようになりました。バウチャー制などの導入は保育の市場化につながるものであり、公的保育保障の崩壊にもなります。安易な民間委託化や三鷹のように企業委託などは行うべきではないと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。

 さらに、社会福祉法人以外の団体などが認可園となる可能性が開けていますが、その場合には保育水準が低下しないように、国基準のほかに市単独の加算措置を行うべきと考えますが、市長の積極的な姿勢をお伺いをいたします。

 学童クラブについてです。

 第二次調整計画、また、施政方針では、地域子ども館の研究・設置が述べられています。学童クラブの本来の役割が守られるのかという問題です。市長は、学童クラブの意義をどのようにとらえられているのか、お伺いをいたします。

 また、地域子ども館の研究をさらに進めるとしていますが、どのような角度で研究をするのかもお伺いをいたします。

 来年度の学童クラブの保留児が、大野田小学校で11名など出ています。これに対しても、どのように対応されるのかもお伺いをしたいと思います。

 施政方針は、長期計画、第二次調整計画に沿って述べられています。しかし、調整計画の基本的な考え方の大きな項目の一つである男女共同参画についての記述は一言もありません。市長はどのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。

 地方分権の時代となりました。施政方針にあるように、新しく国と対等、協力の関係になりました。しかし、財源の問題は依然として残っています。また、東京都が多摩の地域の合併案を発表しました。私は、利便性や市民のサービス、市民に直結したさまざまな問題があり、市の合併には反対です。施政方針で、市長は、合併問題について市民の動向を注目すると言っていますが、それはどういう意味をしているのでしょうか、お伺いをいたします。

 また、先日の新聞報道によりますと、武蔵野市の近隣市とともに政策担当の職員を配置するという報道がされましたが、合併問題と関係があるのかどうか、これもお伺いをいたします。

 次に、民主主義の問題として、行政の人事についてお伺いをいたします。

 今回の本会議で議論される固定資産評価審査委員の選任に関する問題です。手続の問題ですので、ここでお伺いをいたします。

 2月26日の議会運営委員会で、1名の方の固定資産評価委員の議案の取り消しが報告をされました。助役の説明によれば、今議会にその方が陳情を出したため、市長とその方の話し合いの結果、議案の取り下げになったというものでした。私は、憲法で保障された請願権があるという立場から、今回のやり方には疑問があるということを述べ、幾つかの質問をいたしました。その後、3月1日付で、この固定資産評価審査委員の方から議員あてに文書が送付をされました。

 それによりますと、「去る2月初めに同審査会事務局により次期任期への更新留任の依頼打診がありました。それをお受けすることとして、2月8日にはその承諾書に署名をしました。ところが、これらに関連して武蔵野市長より先日急遽面談の申し入れがありました。その面談での市長の発言の趣旨やその判断と結論について、私は不本意とするところが多々あります」というものです。市長は、面談の際、任期更新する人事案件議案を議会に上程した。その当の本人が議会に対して陳情をするということは、これまでになかったケースです。聞いたこともありません等の発言をされたということです。

 審査委員会委員が議会への陳情を提出することに何が問題があると考えているのでしょうか。何に基づいて問題があると考えているのか、お伺いをいたします。

 私は、今回のことは、憲法で保障されている請願権を否定する行為だと考えます。また、市長の自分の意見に合う人は採用し、気に入らない人は排除するというやり方、これは、審査会そのものの公平性、中立性そのものを否定してしまうものだとも言えます。市長の見解をお伺いをいたします。

 最後に、都政の問題について伺います。

 東京都は、都民の大きな不安を押し切り、シルバーパスの全面有料化、老人医療費助成や老人福祉手当の段階的廃止、障害者福祉の切り下げなどを実行する予算を発表しました。一方、むだ遣いと批判の強い臨界開発や3・3・6号線を初めとした大型幹線道路などが中心になっている公共事業には、バブル前の2倍近い1兆円ものお金をつぎ込もうとしています。石原都政とそれを支える与党は、福祉の切り捨てを財政難だからといって進めてきました。しかし、都税収入は今年度、来年度合わせて8,400億円もの増収が見込まれています。2000年度に切り下げられた福祉も、約400億円で復活が可能です。市長会でも要求している介護保険の保険料、利用料の都の減免も90億円で実現ができます。市長も、東京都に対し、こうした立場に立ち、福祉を切り捨てることをやめ、介護保険の保険料、利用料の減免を行うよう強く求めまして、代表質問を終わらせていただきます。

◯市 長(土屋正忠君)  逐次お答えを申し上げたいと存じます。

 まず、第1点目の、私の施政方針について、現在の混迷の原因は自民党にある、森首相は即時退陣すべきだと、こういうことについてどう考えるか、こういうことでございますが、私が申し上げたのは、成長から成熟へと大きくカーブを切ろうとしている。例えば人口一つとってみても、20世紀は100年間に15億が60億、4倍になったわけでありますから、この4倍でいくと、その次の100年間では16倍、その次は64倍、こういうことになるわけですから、こんなことが続くはずがない。20世紀は人口増加の異常な100年であったということがわかるわけであります。

 したがって、成長から成熟へと全体にカーブを切らなければならないことははっきりしているわけでありますが、こういうカーブの切り方については、言ってみれば、人類が農耕とか牧畜とかを取り入れた1万年前からずっと右肩上がりに来ておりますので、そういう動機づけというか、そういうことがうまくいかないんだと。だから、混迷しているということを言っているわけであります。世界じゅうが混迷しているという、こういう文脈なわけであります。

 したがって、混迷の原因が自民党にあるというのは、いささかとんちんかんなご質問かと存じます。世界じゅうが混迷しているんで、世界じゅうに自民党があるわけじゃありませんから。私は、もっと文明史的な立場でもって申し上げているわけでございますので、しっかりとこの施政方針の趣旨をお酌み取りいただきたいと存じます。

 次に、リストラを国を挙げて進めていると、こういうことでございますが、生活保護もふえている。これらについては、高年齢者がふえておりますので、さまざまな形でハンディキャップを持ち、生活保護がふえていくということについては、ある程度やむを得ないことなのかなと思っております。

 リストラを国を挙げて進めているというのは、日本の場合には国営企業じゃございませんから、国営企業はほとんどないわけでありますから、国を挙げて進めているという意味がどういう趣旨なのか、いささかスローガン的になりすぎておりますので、また再質問等であれば趣旨をお願いをいたしたいと存じます。

 次に、2001年公共料金の負担増をやめろと、こういうことでございますが、公共料金の負担増というのは、別に今のところ予定しておりませんが、貴重な御提言でもありますので、御意見でもありますのでよく研究してみたいと思いますが、ただ、国民健康保険については、保険税として本来取るべきものでございますので、そのように御理解をいただきたいと存じます。

 商店街対策については、京都の西新道の空き店舗対策等について触れられました。

 京都について、私は行っておりませんが、幾つかのレポートを聞いております。あそこの商店街は、資金力は2億から3億持っていて、そして、空き店舗が出ると、その空き店舗をまず商店街が買い上げて、そうして、例えば肉屋さんなら肉屋さんが撤退すると、居抜きでもって公募して、肉屋を経営したい人、といってやっているというような思い切ったやり方をやっているようであります。ただ、通産省のモデル商店街にもなっていて、国の金も大分入っているようでありますので、これらについてはよく研究してみたいというふうに思っております。

 ただ、少なくとも関係者間で言われていることは、商店連合会の幹部や商店会の皆様方と話すと、いずれにせよ、リーダーシップをとって自主的に立ち上がる、そういう商店づくりと商店街づくりが必要だと、こういうことがあれば、それにこたえて行政がどうやるかということになるんだろうと、このように考えているところでございます。

 次に、介護保険についてでございますが、保険料について減免したらどうかということでございますが、これらについては、たびたび申し上げておりますように、保険料というのは、介護保険の基礎的な財源でございますから、これをまけるというわけにはなかなかまいりません。もしこれをまけるならば、例えば減免してゼロにするというなら、それでは国民健康保険はどうするんだと、こういう話にも必ずなります。片方では、医療費のような重大な、人の健康にかかわるようなことをゼロにしているわけでありません。6割減免、4割減免という政策減免はありますけれども、これは、介護保険にも、5段階になっているわけですから、わかりやすく言えば50%減免というのがあるわけです。したがって、これをゼロとするということは、介護保険の基本的な理念に反することでありますので、ゼロにする考え方は持っておりません。もしこのことをやるならば、何といっても、先ほど申し上げたような国保との比較、その他もあわせて考えなければならないだろうと、このように考えております。

 次に、教育制度について、どの子にも30人学級ということでございますが、法律の枠の中で行政をやっていきますので、現在のところは40人学級ということで考えております。ただ、40人学級というのは、例えば41人になれば2クラスになるわけでございますから、81人になれば3クラスになるわけでございますから、逆に実数からいけば、既に20人台の学級もありますし、30人台の学級もあるわけであります。したがって、40人学級を前提といたしますが、同時に、チームティーチングなど、さまざまなことでもって教員を加配しておりますので、加配といいますか、基準を決めて、40人学級ではなくて、複数担任制も含めていろいろやっておりますので、こういうことを御参照いただきたいと存じます。

 次に、中学校給食については市民要求が強いとおっしゃいますが、アンケートを取ると、市民要求は強くありません。必要があれば、来年あたり、全市民にアンケートを取ることもやぶさかではございませんが、そういうことについて、少なくとも市民要求が強いとは思いません。しかし、せっかくの御提案でございますので、今後研究して、全市民に対するアンケートの中に入れてもいいかなという気もいたしておりますが、よく研究してみたいと思っております。

 次に、保育問題についてでございますけれども、公的保障をしっかりやれということでございますが、私どもは、御承知のとおり、1丁目1保育園ということを念頭に置いて、9公立保育園、そしてまた、4つの民間認可保育園をつくっております。したがって、1小学校に1つを目指したんですが、今では12小学校に13あるわけですから、一つ多いぐらいあるわけであります。そういう意味で公的保障という考え方、もともと児童育成のための児童福祉法の考え方は十分踏んまえてやっているわけであります。

 ただ、公的保障イコール公設公営でなければいけないかどうかということについては、これは、そうかたい考え方ではだめなのでありまして、それならばありんこ保育園なんかだって補助を出しているわけですから、これは公的保障の一環としてやっているわけでございます。別にありんこ保育園だけには限りません。4つの認証保育園に対して、日本で一番手厚く、日本で一番手厚く家賃補助までやっているわけでございますから、そういうことがありますので、当時は本間議員からもたびたび、市長室においでになられまして、これを計上した途端に、その予算も反対だと来るんで、これでは一体、踏んだりけったりとはこのことだと、こういうことで、手厚い認証保育園に対する、手厚い無認可に対する補助も予算に賛成していただかなければ、実現がなかなか難しいわけでございます。

 次に、市独自の加算についてということでございますが、先ほど申しましたように市の独自の加算も行っておりますので、そのように御理解をいただきたいと存じます。

 次に、11点目の御質問で、学童クラブの意義についてでございますが、これは先ほど保育に欠ける子どもに対して適切な監護を与えるということを申し上げてきたところでございます。地域子ども館については、子どもの発達の状況に応じてやっていきたいと思いますので、これらについては、他の校庭開放や、学校図書館開放など、これらとうまく連動しながら、例えば1年生なら1年生が、学童に行っている子どももそうじゃない子も同じ校庭で遊んだり、一緒にコミュニケーションを図ったりというような中で、どうやっていくか、これらについてはよく研究してみたいと思っております。

 それから、大野田小学校等に学童クラブの保留児が出ているということでございますが、現在の速報値で約17名ほどの保留児が出る予定であります。なお、それ以外にも五小で3名程度の保留児が出ております。

 こういったことをかんがみて、五小の場合にはある程度やむを得ない要素もあるんですが、大野田の場合には、御承知のとおり公団住宅に対して都営住宅を併設いたしました。都営住宅を併設した場合に、私どもとしては、本来なら公団住宅に住んでいる人で、都営に住まわざるを得ないような人を中心に入れてもらいたかったわけでありますが、東京都としては、都営住宅をつくるのだから、ある程度全都からも募集しなきゃいけないというようなことがあって、緑町の都営住宅二百数十戸の中には、全都から募集した分がかなりあります。全体で百何十戸が全都から募集いたしました。たしか地元の方が入ったのは60戸ぐらいだろうとちょっと記憶いたしておりますが、また予算委員会等で必要な数字は申し上げたいと存じますが、したがって、全都から募集した中には、例えば母子家庭の方などは、入所のための持ち点が非常に高いわけでございますから、そういう方々も入ってまいります。

 どこに原因があるのかなと思って分析をいたしましたらば、かなりそういった母子家庭の方なども大勢いらっしゃいます。そういうこともあって、急激にこのところオーバーしたんではなかろうかと思っております。

 しかし、保留児の中に、幸い1年生は1名だけで、あとは2年生が11名、3年生──だんだん自立心の高くなっていくところが多いわけでございますが、いずれにせよ17名という数字があります。これらについては、現行の制度では保留はやむを得ないというふうに考えておりますが、特殊事情もありますので、それをどう考慮するか、よく研究してみたいと思っております。

 次に、男女共同参画については進めていきたいと、このように考えておりますが、これからも、これは市民とともに進める試みでありますので、さまざまな仕組みをとりたいと思っております。各種施策の中に、各款でまた申し上げたいと存じますので、よろしくお願いいたしたいと存じます。

 なお、施政方針並びに基本的施策の中では26ページに書いてありますので、どうぞこれらについて御参照のほど、お願いをいたしたいと存じます。

 次に、国と対等、協力の関係になった。合併案については、市民の動向に注目すると、こう書いてあるけれども、中身はどうかということでございますが、このとおりでございます。

 現在のところ、私は武蔵野市長として全く合併は、現段階では考えておりません。それは、先ほど来、他の委員の方々にもお答えしたとおりでございます。ただ、これから市民がどういう反応を起こして、どういうふうな動きをするか、これらについては注目をしてみたいと思っております。

 次に、14点目の市長会において政策担当職員を置くことについてでございますけれども、これらについては、現在の市長会が、ややもすると東京都から来る事務連絡についての協議をする場、こういう傾向にあることはやむを得ないことでございますが、それにしても、市長会としても、これからは左右の対立の時代から上下の対立、中央政府対地方の時代、こういう時代が来るということをかねがね私も10年前から申し上げてきているところでございますが、こういった観点に立って、地域密着型の基礎的な自治体こそ政策提言ができると、こういう考えに立つと、市長会としても、ごみ問題を初めさまざまな問題点について発言をしていきたいと、このように考えております。その中には、環境の問題もあれば、福祉の問題もあれば、教育の問題もあるわけでありますが、こういう問題について市長会が積極的に発言するためには、政策担当職員といったようなものを置く必要があるということで、平成13年度から市長会の中に政策特別部会というのがありますが、その管理のもとに市長会の事務局のスタッフを強化して、4名の政策担当職員を置きたい、企画政策室といったようなものを置きたい、このように考えております。考えております、私が一人で考えているのじゃなくて、市長会で考えました。

 そうして、副会長市から1名、私が顧問でありますので、武蔵野市から1名、合計4名の職員を研修派遣して、そこで政策を担当させると、こういうふうなことになってきているわけでございます。別に合併とは全く関係はございません。

 次に、固定資産評価審査委員についてでございますけれども、一たん出した議案を撤回して、議事運営上、若干の手違いがあってまことに恐縮でございます。これらについては、より適任と思われる人を選びましたので、よろしくお願いをいたしたいと存じます。

 それから、最後に、シルバーパスの有料化と都政の評価についてでございますが、これは都議会の中で御議論をいただければと、こんなふうに思っております。

 なお、市長会は、都に対して介護保険の利用料、その他について要求はしておりませんので、どうぞそのようにお願いいたしたいと存じます。介護保険の保険料の減免などは、市長会としては、東京都がやるようにとは全く言っておりません。

◯19番(本間まさよ君)  大分答弁漏れがございますので、まず、答弁漏れを指摘してから、市長の御答弁をいただいてから再質問したいと思います。

 まず最初に、市長は大変答弁しにくいのかもしれませんが、森首相退陣の声は圧倒的な国民の声だというように考えるが、市長はいかがかということについて御答弁がございません。

 2つ目は、具体的にKSD、機密費の問題、原潜事故の対応について、市長の政治家としての見解を伺いましたが、これも御答弁がありませんので、御答弁をいただきたい。

 それから3点目は、消費税の増税について、いち早く反対の態度を表明すべきだということを求めましたが、これも御答弁がございません。

 4つ目として、商業対策について、実態にふさわしい商店街対策を行うための実態調査の計上を求めましたが、これも御答弁がございませんでした。

 それから、保育問題では、民間委託は行うべきではないということについての見解を求めましたが、答弁がありません。

 それから、学童については、学童クラブの意義をどのようにとらえているのかというのは御答弁がございませんでした。

 それから、次に固定資産評価の、これは何に基づいてこの人をやめたのかということについての考え方、それから2つお伺いをしていますが、2つとも御答弁がないのです。何に基づいて問題があると考えているのかということと、それから、陳情を出すことがなぜ悪いのかということについて、2点、質問していますが、御答弁がありませんので、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

◯市 長(土屋正忠君)  森首相の即時退陣とかということについては、私はあえてお答えしなかったんですが、これは国会が決めることでございますから、私がそれに対していいとか悪いとかという立場にはありません。また、もちろん一政治家として、政治集会で言うならともかく、市議会で一国を代表するお立場の方をいいとか悪いとかというのはまことに僣越なことだと、このように考えております。

 さて、KSDも、原潜事故も、国の事件でございますから、これらについてはそれぞれ、また、KSD絡みの話は刑事事件になっているわけでございますから、これはそのレベルの話だと、このように考えております。

 消費税のアップに反対をしろということでございますが、私は、必要な消費税はアップするときが来たらしなきゃしようがないだろうと、このように考えております。

 また、商店街対策については、調査費は計上しておりませんが、それは、既存の予算の中でも必要なことをやっていきたいと、こんなふうに考えております。

 次に、保育園の問題についても、民間委託しちゃいけないと言うけれども、今は民間園も含めてやっているのじゃないでしょうか。それをやっちゃいけないというなら、ありんこもだめだし、風の子もだめだし、こういうことになるので、そういうことではないのじゃないでしょうか、率直に申し上げて。そういうワンパターンの考え方は、もう既に20世紀とともにさようならをしなきゃいけないだろうと、このように考えております。

 次に、学童クラブの意義については、先ほど述べましたように監護にあると、このように申し上げたとおりでございます。
 それから、固定資産評価審査委員については、なぜやめたのかと。やめたのではありません。新しい方を──もう任期切れですから。やめたというのは、現在の任期中をやめたということになりますが、そういうことではございません。請願権は別に話しておりません。

◯19番(本間まさよ君)  では、再質問をさせていただきます。

 予算を編成するということに当たっては、この予算が市民にどういうサービスを行い、暮らしをどういうふうに守っていくのか、こういうことが大きな柱になっていかなければならないというように私は思っています。それであるなれば、きちっとした市民の生活の実態というのをどれだけ把握して、それに根差した予算にしていくか、ここが大きく求められているというように思います。

 そういう意味では、先ほど市長は、生活保護率なども少しずつふえるのは当たり前かのような御答弁がありましたが、これも市長の実態把握というのが大変薄いと言わざるを得ないと思います。今、武蔵野でもいろいろな調査を、私もやりましたけれども、本当に生活困窮、困窮度というのが数字の中でもあらわれてきているというように思います。生活保護率が、先ほども言いましたけど、96年で6%だったものが、毎年毎年上がって、2000年では7.7%上がっていたり、また、所得の低い方に移行している、所得格差が広がっているという実態。教育の問題でも、子育てをしている世帯の方が生活が厳しいという調査も、いろいろな世論調査の中で明らかになっているときに、これに立脚した予算編成をするというのが、やはり武蔵野の役割だというように考えているわけです。

 国の政治でも、個人消費をどれだけ温めるかということが、景気対策の大きな道しるべになると言われている中で、共産党は国政の問題でも数々の提案をさせていただきましたが、武蔵野でも、ぜひ市民の暮らしを守るという大きな視点を持って、今回の予算を編成していただきたい。改めるところはぜひ修正していただきたいという立場で質問をさせていただいています。

 そういう意味で、一つは公共料金の値上げは行わないのか、国保についてはするけれど、それ以外は行わないという御答弁だったのか、国保の値上げについても議案が出ておりますけど、この値上げについては私どもは反対の立場をとっております。ぜひ公共料金の値上げは行わないということを改めて求めたいと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。

 それから、2つ目の商店街の対策。この間、私たち共産党武蔵野市議団としては、商店街対策については何度も議会で要求してきました。今、各自治体が行っているのは、その自治体の中でのいろいろな商店のありよう、それから規模、それから求められているものというのが違いますから、それは各自治体の中で一様にはいかないと思います。ただ、各自治体の中でつくる調査、その実態に合わせるという意味ではきちっとした調査、悉皆調査が重要だと思うんですね。先ほどの市長の御答弁では、予算には計上していないが、予算の中に、あるところから必要であれば流用してでも調査をするという御答弁だったんでしょうか。そこら辺をもう一度伺いたいというように思います。

 それから、介護保険の問題です。

 今、多摩の地域でも保険料の減免がどんどん広がっているのは、市長も御存じのとおりだと思います。なぜ保険料の減免が必要だということで、各自治体が広がっているのか。これは、市の調査というか、状況報告でも、保険料の高いとか、そういう問題についての市への問い合わせというのがふえてきているところにも、市民の要求があるということのあらわれではないでしょうか。ですから、市長会でも、東京都に対して保険料の減免について要求されているのじゃないでしょうか。ぜひこれはやっていただきたい。

 私は、第1段階で保険料を減免しても、これは200万円ほどだということは、この間ずっと試算として発表させていただいています。このことによって、私は第1段階だけを減免するというのではなく、非課税世帯についての減免というのを武蔵野ではできるというように思っていますので、そういう立場ですけれども、でも、まず最初に、減免制度を拡充するための大きな一歩として、各自治体で行っているこの制度をぜひとも武蔵野でやっていただかなければ、これは、どんなに利用料の減免は行っても、保険料のことでは後進市になってしまうと思いますので、ぜひ実施をしていただきたいというように思います。

 それから、30人学級は梶さんが質問しますので、御答弁をしていただかなくて、一般質問で十分御答弁をいただきたいと思います。

 保育園の措置制度、その他の問題で、市長は、制度そのものをきちっとおわかりいただいているんでしょうか。ちょっと御答弁をいただいた中で、本当にわかっていらっしゃるのかなというように思ったんです。

 それは、例えば社会福祉法人以外の団体が認可園になるということに、今度なりましたよね。そのときには、東京都のお金が来ないわけですから、国基準でやるということになれば、今までの無認可保育園の金額とそれほど変わらないところで保育サービスをやっていかなければならないという問題があるわけです。ですから、そうなれば、サービスの低下をさせないために、市の独自の加算制度というのが行っていかなければならない。これは、日本一の無認可保育園の対策をやっていると市長がおっしゃっていましたが、これからの制度改正によって、ぜひこういうことを考えていかなければならないのではないかと提案しておりますので、ぜひ検討をしていただきたいと思います。

 それから、私ども共産党武蔵野市議団は、この2月に民間委託を計画、来年から実施ということで、大阪の堺市に視察に行ってまいりました。市にある40園の保育園を毎年2園ずつ委託するというようなことで、今、市の職員や市民の人たちも巻き込んだ大きな運動になっています。

 一番問題なのは、企業の委託で、これで本当に保育の公的な保障ができるんだろうか。それから、保育の低下につながらないんだろうか。こういう問題が、やはり具体的に出てきているわけです。市長は、なかなかほかの市のことを施政方針の中に書かないわけですが、今回は三鷹市と、お隣の市を書かれて、このように書いていることに大変危惧を感じておりますので、ぜひきちっとした調査をしていただきたいと思います。

 それから、固定資産評価委員の方の問題ですが、これは市長、全然答弁をはぐらかしているのではないでしょうか。議会にきちっと議員には条例として、もう既に配付をされていたわけです。それとともに、この方は、きょうで終わりになるわけじゃないですよね。まだ4月まで任期があるわけです。4月16日までの任期がある方なわけですよね。陳情を出したことが、新しく議案を出すということにならなかったのかどうか、ここのところが大きな問題になっていると思うんですね。

 固定資産評価委員や行政にかかわる人は、陳情を出していけないというのは、市長の独自の判断ではないかと。こういうやり方というのは、憲法にも違反しますし、また、市長の意見に合わない方については入れないという、こういうやり方というのは、本来の委員会の公平性などを否定してしまうものと私は考えておりますので、ぜひそういうやり方はやめていただきたい。この問題についての経過をきちっと御説明をいただきたいと思いますので、再度御答弁を求めます。

◯議 長(中里崇亮君)  この際、会議時間を延長いたします。

◯市 長(土屋正忠君)  市民の暮らしを守るというスローガンについては、共産党のスローガンですから、それはそれで結構ですが、行政は市民の暮らしを守るといったようなことを全面的にできるほど神に近い存在ではありません。したがいまして、限界があると、こう申し上げておきたいと存じます。

 次に、生活保護のお話が出ましたが、パーセント、パーセントとおっしゃっていますが、恐らくパーミリの間違いではないかと、このように考えております。7%の生活保護がいたりしたら大変なことでございます。したがいまして、パーミリの間違いではないかと思っております。

 その御質問の趣旨は、公共料金の負担増を図るのかということでございますが、必要に応じて改定しなきゃなりませんけれども、国民健康保険の場合には改定の必然性がありますけれども、それ以外の場合については、どちらかというとデフレ傾向でありますので、デフレ傾向として受けとめて適切な対策をとっていきたいと、このように考えているところでございます。

 商店街対策については、必要に応じて行いたいと思っておりますが、これらについても、過去にも何回か実態調査のようなことをやってきているわけであります。基本的にそう大きく変わっていないと思っていますが、必要に応じてやっていきたいと思っております。

 次に、保険料の減免についてでございますが、これは、本来、市が独自にやるということについて、いろいろな御意見があるだろうと思っております。もしも保険料の減免ということをやるのだとしたらば、これは、基本的には税の考え方であります。それならばいっそのこと税を財源にしてやったらいいわけで、低所得者からは取る必要ないという選択もできるわけで、私は、保険である以上、保険料を払わなくていいなんていう、そういうわけにはいかない。だから、国民健康保険だって6割とか4割の減免規定があるわけで、それじゃ、介護保険にこの6割、4割に当たるものはどうなのかといえば、5段階のうち、一番下の階層は50%減額ですから、こういうことでは理論上対応しているわけであります。

 したがって、減免と言っているけれども、これを減額ではなくてゼロにしろ──今でも減額しているわけですから、これをゼロにしろとおっしゃるならば、じゃ、医療保険はいいのかと、こういう議論になるので、私は、そういう無原則なことをやるわけにはいかない、このように考えております。

 なお、利用料については、やはりハンディキャップを持った人に対する手当てをしっかりと行っていくということでございますので、これは当然そのように考えているわけであります。

 次に、保育に対する民間委託についてでありますが、堺市がそのような計画的な民間委託をやっているというのは初めて知りましたので、これも参考にしてよく研究していきたいと、このように考えているところでございます。しかし、今のところ、公立の園を直ちに民間委託にするとは考えておりませんが、それも選択肢の一つではなかろうかと、このように考えているわけであります。

 さて、最後の固定資産評価審査委員についてでございますけれども、これについては、もちろん今回陳情を出したことも一つの判断の材料であります。別に陳情をやめろと言っているのではありません。ですから、請願権の侵害でも何でもないので、ただ、御承知のとおり、固定資産評価審査委員というのは、司法的処分をする機関であります。合議制の機関であります。司法的処分をする機関とは、わかりやすく言うと、裁判官のような役割をするわけであります。裁判所の裁判官が国会に陳情を出すなんていうことはあり得ないわけで、私は、おのずから三権分立とか、そういったけじめが必要で、このことをないがしろにしたらうまくいかない。したがって、請願を優先させるならば、どうぞ請願権の発動でやってください。ただ、私どもとしては必ずしも適任と思っておりませんので、それでは差しかえさせていただきます、こういう話でございます。

◯19番(本間まさよ君)  では、一番最後のところから伺いたいんですけれど、この陳情は、建設委員会にこれから付託をされてくるというように思うんですけれども、読ませていただきましても、現在の固定資産評価審査委員会の仕事には踏み込んだ内容にはなっていないと思うんですね。それを踏み込んだかのごとくのように説明をされたというように伺っておりますが、それはいかがでしょうか。それは全然踏み込んでいないというように私は理解しておりますので、それを伺いたいと思います。

 それから2つ目なんですが、今回議案で何人かの方が出されていますけれど、再任された後、こういう方たちが陳情を出された場合は、市長はどうされますか。その時点で差しかえをするなんていうことは、もちろんないと思うんですけれども、それはどうでしょうか。

 やはりこれは固定資産評価委員の方に限ることではなく、市長が選ぶ議会に上程する委員の選任のあり方、考え方というのが、今回、問われたことだというように思うんです。今回のいろいろな御説明を伺っている中でも、市の方の行政に関連する部署にある人は、議会に意見を出すということを個人として行う場合は、委員をやめなければならないというのが市長の考え方なんでしょうか。そういうことになったら、市長に対して意見を言う人は、もうこれからは選任はされないということになってしまうと思うんですね。これは、もう市長の考え方でしか選任ができないという、そういうことになれば大変なことになるし、これからそれがどんどん進むということになれば、思想調査みたいな、そういうことにまでなってきて、これは大変な問題だというように私は考えておりますので、こういう選任や、こういうやり方はやめるということをぜひここの場で発言をしていただきたいと思います。

◯市 長(土屋正忠君)  基本的な点が欠けているのじゃないかと思いますが、あるいは、私と考え方が違うのだろうと思いますが、固定資産評価審査委員会というのは、市議会に同意案件としてお出しをするものであります。それは、固定資産の評価の審査に関することを市民から異議申し立てを受けて、これが固定資産評価委員によって適切に行われたどうかということを判定する行政庁内部の、いわゆる準司法的な役割を果たす機関であります。こういう機関はたくさんあります。準司法的な役割を果たすものはたくさんあります。例えば建築についての異議申し立てを受けるとか、あるいは、そのほか介護保険の場合でも、そのようなものはございます。

 行政庁内部には、準司法的な役割を果たす機関というのはたくさんありますが、とりわけ固定資産評価審査委員というのは、これは固定資産の評価に関する基本に関することに対する処分ですから、しかも、固定資産の評価というのは、固定資産税をかけるための基本的なことでございますので、当然のことながら厳密な中立性とか、あるいは外形的な信用性とか、そういうことが求められるわけであります。したがって、こういう職につく人は、おのずからそれなりのりんとした自律性が求められるわけでありまして、何でもやっていいというふうに私は考えておりません。

 したがって、準司法行為を処分する者が、立法機関に対してやるということについては、私どもの常識としては、内容がどうであるとかこうであるとかということではなくて、私は内容について言っているんではなくて、そういうことを行います人について、必ずしも適切でない、もっと適切な人がいると、このようにはっきり考えております。

 これは、先ほど例に挙げた裁判官が国会に陳情しますか。そのことを考えてみれば、おのずからわかることであります。したがいまして、これらについては……。一たん出した議案を撤回するということについての議事運営上の問題についてはおわびをいたしますけれども、中身については当然であると、このように考えております。
                               
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