●代表質問「施政方針について」(2005年12月6日) 本間まさよ
◯9 番(本間まさよ君)  邑上市長、最初の施政方針に日本共産党武蔵野市議団を代表し、質問をいたします。22年ぶりに市政が変わりました。2日に行われた施政方針演説は、緊張した面持ちの中に、新しい市政に対する意気込みが伝わる所信表明だったと思います。就任後、すぐに市長退職金、交際費の削減など、公約に着手されたことを評価したいと思います。私も、新たな気持ちで議会に臨みたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 最初に、新しく市長になられた邑上市長に、地方自治とは、地方自治の本旨、市長と議会との関係についてお伺いいたします。

 私が申すまでもなく、地方政治というのは地方自治です。憲法には、第8章に地方自治がうたわれ、冒頭の第92条には、地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定めるとあります。地方自治の本旨とは、団体自治と住民自治の2つからなり、それは1として住民の権利の拡大、2として地方公共団体の自主性、自立性の強化、3として地方公共団体の公正確保の3原則を言うと明確にされています。多くの憲法学者の集団労作と、そして日本で一番権威のある書物の一つとされている注解日本国憲法でも、地方行政のために国から独立した地方公共団体の存在を認め、この団体が原則として、国の監督を排除して、自主・自立的に直接間接、住民の意思によって、地方の実情に則して、地方的行政を行うべきことをいう。これが憲法の地方自治の定義だと言っています。

 地方自治体は、住民の生命や財産、生活、権利を守り、改善していくための拠点であり、国とは個別・独立した機関として、行政実務執行を公正に行うものだということです。国から独立した機関ということは、地方自治の本旨に基づいて、国に対して意見を表明することができるということです。市長と議会との関係は、地方自治体は、市長、執行機関と議会、議決機関からなり、対等平等の関係にあります。市の施策の実施に当たっては、住民の要望を受けとめ、市長の執務を監視する最も重要な機関が市議会であり、議員は住民の要望や意見を受けとめ、市長の仕事を調整したり、チェックするなどして、市民の要求にこたえる責任を負っていると思います。かつて、イギリスのチャーチル首相は、強い議会の批判に遭ってこそ、政策に自信を持つと言われました。市長も、施政方針の中で、建設的で前向きな議論を闘わせ、お互いに切磋琢磨しながらよりよい武蔵野市を築いてまいりましょうと議員に呼びかけられました。私も、緊張感を保ち、地方自治の本旨に基づき、時には耳の痛い発言もあるとは思いますが、市民が主人公、民主主義の根づく武蔵野市をつくるため、お互いに努力してまいりましょうと答えたいと思います。地方自治の本旨、及び市長と議会との関係について、私の考えを先に述べましたが、改めて地方自治の本旨、市長と議会との関係について、邑上市長に見解をお伺いをいたします。答弁を求めます。

 2点目に、小泉構造改革による負担増が、いかに市民や自治体に多大な痛みを押しつけているのかという問題です。共産党市議団が武蔵野市内全世帯を対象に行ったはがきアンケートは、小泉構造改革による負担増で市民の暮らしが大変になっている実態を明らかにしています。増税で生活が苦しくなったと答弁した人は、89%にも及んでいます。女性団体が行った生活実態調査では、何と96%の人が1年前より生活が苦しくなったと回答し、負担の大きなもののトップは税金・社会保障と、どの年代でも最大の負担感となっています。

 こうした国民の実態を無視し、政府税制調査会は、2006年度税制改正答申を小泉首相に提出しました。答申は、07年度から所得税・住民税の定率減税全廃による3.3兆円もの増税を盛り込みました。定率減税全廃によって、例えば年収500万円の4人家族では、年間3万5,000円の増税になります。さらに、07年度には消費税の2けた増税へというのが政府・与党のスケジュールです。既に年金法改正に伴う負担増は始まり、厚生年金・国民年金の保険料は毎年上がります。65歳以上に認められていた50万円の老年者控除がなくなり、公的年金等控除が縮小されました。雇用保険料・自動車賠償責任保険の値上げや、国立大学授業料も値上げされました。06年には、若者、フリーターらに対する短期就労者への課税が押しつけられます。

 10月に行われた会派予算要望の場で、市長に資料をお渡しいたしましたが、各種の税金控除が縮小・廃止され、所得税が増税になるなど、影響は多大です。市議団が試算をした例を紹介しますと、夫70歳の年収240万円と、妻基礎年金80万円の年金世帯をモデルに試算をしてみました。今までは非課税世帯でしたが、課税世帯になり、所得税・住民税の合計で6万700円も増税になります。国保税や介護保険料などを含め、04年の負担合計が9万7,400円に対し、07年には27万610円と、3倍近い負担増になります。収入はふえないのに、新たに税金が取られ、受け取る年金は減る。その上、介護保険料や国民健康保険税も算定が変わるため、自動的に引き上がります。国民健康保険税は、武蔵野市が値上げをいたしましたので、負担はさらに増大しています。東京都の制度であるシルバーパスも、非課税のときは1,000円でしたが、課税になった途端に2万510円と、一挙に20倍の負担になります。都営住宅の家賃や公団の家賃にまで連動し、雪だるま式に負担がふえていきます。このため、240万円の年金収入の人でも、月15万円から18万円で生活をせざるを得ないのが今の実態です。

 所得税増税で市民税が増収になると、市が一方だけを見て論ずるわけにはいきません。こうした年金生活者にさらに負担増を押しつけようとしているのが医療制度改革です。医療費の伸びを抑えることを第1に掲げ、75歳以上の人から新たに保険料を取ったり、70歳から74歳までの自己負担を現行の1割から2割へと患者負担を大幅にふやす中身です。日本の企業の税金・保険料負担は、ヨーロッパの国々の5割から8割です。これをヨーロッパ並みに引き上げること。削減してきた国庫負担を計画的にもとに戻せば、必要な人が必要な医療が受けられる、真の改革ができます。

 今、小泉内閣が進めている改革は、国民に痛みを押しつける政治であり、国庫負担のたび重なる削減や、大企業に適正な負担を求めないやり方に問題があり、社会的なゆがみが出ています。地方自治体の長として、国に市民の暮らしを守る立場で、ぜひとも意見を上げていただくことや、暮らしを守るための武蔵野市として何ができるのか、市民に示していくことが大事だと考えます。具体的に言えば、市独自の公共料金の引き上げは見合わせる。生活支援型の施策を進めていく姿勢を示すことだと思います。御答弁を求めます。

 3点目は、憲法改正の動きについてです。市長が施政方針の冒頭に、戦争のない世界平和に言及されたことに大きく評価をしたいと思います。日本国憲法、とりわけ憲法第9条を改編しようという、この議論がしきりに起きています。なぜ今、憲法第9条を改編なのか。それは、アメリカの先制攻撃の戦争に参戦するために、自衛隊を戦争のできる軍隊にし、日本を戦争する国につくり変えることに最大の核心があります。海外での武力行使の歯どめとなってきたのが憲法第9条。とりわけ、戦力保持の禁止と交戦権の否認を定めた第9条第2項です。第9条第2項を改編・削除し、自衛隊の保持などを書き込んだ途端に、この歯どめは取り払われてしまいます。

 今、世界では、憲法第9条を国際社会の平和と安定の秩序をつくる上での指針として、評価する動きが広がっています。2000年の国連のNGO会議でも、日本の9条のようなルールを各国の憲法にと提案され、昨年末には、紛争は平和的に解決、武力は使わないと定めた平和友好条約が、日本、中国、インド、東南アジアなどの間で結ばれました。東南アジア友好協力条約は、世界の人口の53%が参加し、東アジア全体に広がり、発展しています。今、大事なことは、アメリカ一辺倒の外交から、日本が東アジアの一員として積極的に貢献する方向に転換することです。そのためにも、日本の外交が過去の侵略戦争と植民地支配を正当化するような逆流を改めることです。憲法第9条の精神は、世界に注目され、広がっていると思います。市長に憲法第9条の持つ意義についてお伺いいたします。御答弁を求めます。

 次に、具体的な施政方針の項目について質問いたします。

 長期計画の調整計画を前倒しすることに賛成いたします。武蔵野市は、計画行政ですから、市長が変われば調整計画の策定作業を進めるのは当然のことだと思います。市民参加をどう保障するのか、ここが大事な点だと思います。公募委員の拡大は、私どもも主張してきたことなので、評価いたしますが、今まで幅広い団体を対象に策定委員会が意見を聞く会を持っていましたが、広範な市民の声を聞くことはどう保障するのか。また、出された意見をどのように調整計画に反映するのか、具体的にお聞かせください。

 長期計画に記述がないからと、市長の公約が実施できないわけではありません。中学校給食の実施は、多くの市民が待ち望んでいることです。施政方針に述べられている中学校給食の実施について、具体的なスケジュールをお示しいただきたいと思います。さらに、施政方針に記述をしている、できるだけ学校給食に近い形での食の提供とは何なのか、お答えをいただきたいと思います。

 市長は、平成4年当時の中学校給食をめぐる動きについて述べられておりますが、大事なことが1つ抜けています。それは、平成4年に武蔵野市議会は中学校給食実施に関する決議を行っているということです。公明党の赤松元議員、社会党の近藤元議員、私の3名が提案者として決議を提案いたしました。内容は、結論部分を読みますと、市長並びに教育委員会は、平成4年第1回定例議会で採択された請願の趣旨を踏まえ、中学校給食の実施に向け、松戸方式など選択方式も含め検討されたいと決議をいたしました。中学校給食の実施については、多摩の自治体でやっていないのはほんのわずかになっています。早期に中学校給食の実施を求めます。

 多摩の他の市から見て、おくれている制度として、もう1つ挙げられるのが介護保険の保険料減免です。既に多摩の多くの自治体が介護保険料の減免制度を実施しています。05年度は、法律で定められた介護保険の見直しの年です。武蔵野市福祉保健計画策定委員会は、中間のまとめを発表し、市民の意見を聞く作業を行いました。計画案を見ますと、武蔵野市が全国に誇ってきた介護保険利用料の7%助成を段階的に廃止する案が盛り込まれています。この制度があることで、武蔵野市の利用率は全国平均の10ポイントも高い数値になっています。計画案策定のためのアンケートでも、存続を求める声が圧倒的です。段階的廃止の理由にしているのが、費用の負担が大きい、介護の利用がふえたら保険料のアップにつながるというものです。7%助成を続けると、5年後には8,000万円程度の市の負担がふえると試算していますが、武蔵野市には200億円を超える積立金、基金があります。今回の議会で、NTTから約28億円の法人市民税も入りました。これらのお金のほんのわずかを使えば、できない負担ではありません。

 保険料の増大についても、このたびの介護保険改定で課税段階の保険料設定の弾力化が可能になりました。武蔵野市が今まで提案してきたことが実ったです。市が提案したように、現行の5段階から10段階に細分化すれば、介護保険の利用者がふえても、低所得者の人に今までより低い保険料の設定ができます。市長、いかがでしょうか、お答えいただきたいと思います。

 次に、新公共施設計画に関連し、西部図書館の廃止について質問いたします。

 施政方針は、市民会館や西部図書館、スイングホールなどが分散しており、新公共施設を含むこれらの施設の有機的な連携・再編が必要としています。有機的な連携・再編とは、何を指すのでしょうか。市長、御存じでしょうか。文京区は、区内に8カ所の図書館があり、半径500メートルの範囲に図書館が配置されています。文京区と武蔵野市を比べてみましたら、人口は武蔵野市が13万3,000人、文京区は17万9,000人、面積は10.73平方キロメートルに対し、文京区は11.31平方キロメートルで、人口や面積はほぼ同じ条件です。人口や面積が大きいから、武蔵野市と比べて図書館が多いのではないんです。身近なところに配置することが大切だと考えているから、文京区ではこうした施策を進めています。武蔵野市で行った武蔵野市立中央図書館基本構想の最終報告でも、女性の方の答えた中で、60%の人が図書館がもっと近くにあればいいと答えています。ぜひ先進市の実態を調査していただきたいと思います。

 次に、住み続けられる武蔵野について伺います。

 住宅政策について伺います。住み続けられる武蔵野市の大きな課題の1つは、住宅政策です。武蔵野市に若年家庭を含め、住み続けられる施策について、市長のお考えをお伺いいたします。家賃補助制度や民間借り上げ住宅、市営住宅の建設について、どのようにお考えになっているのかお伺いいたします。

 次に、市川市が実施している市民活動団体支援制度についてです。

 この制度そのものは、ハンガリーでパーセント法という形で普及していたものです。個人市民税の1%相当額を市民・納税者が選んだボランティア団体やNPOなどの市民団体の支援に充てるものですが、現在、武蔵野市が実施しているNPOへの助成とはどこが違うのでしょうか。どこに違いがあるのでしょうか。また、NPOの団体も千差万別です。実施している市川市でも、当初から専業主婦などの納税していない人には資格がない。女性の方が社会参加をしているのにと、議会でもいろいろな意見があり、公平性に問題があるとの議論があり、市長も見直しを議会で発言したと聞きました。

 武蔵野市議会でも、今後、十分な議論を市長と行っていきたいと思います。武蔵野市の財政力は、全国でもトップクラスです。この財政力を生かし、市民福祉の拡充に充てることとともに、見直しをする課題も多々あります。今後、予算、決算、一般質問等で具体的に示し、提案させていただきたいと思います。

 最後に、市職員と力をあわせた市政運営について質問いたします。

 市長は、市の職員が今まで培ってきた経験や能力が十分生かせる環境づくりにぜひとも努めていただきたいと思います。安易に調査を外部委託せず、担当課が中心になり路線商店街の聞き取り調査を行ったり、中学校給食の実施に関しては、調理場で長年働いている職員から知恵を出していただいたり、専門性を生かし、設計なども市の職員がもっと行うなど、あらゆる点での職員の能力と熱意、やりがいが発揮できる、こうした環境をつくっていただきたいと思います。

 そこで、何点か質問いたします。

 施政方針では、多摩の地域の他の市と比較すると、職員がまだまだ多いのも事実でありますと述べられています。何を根拠に指摘をしているのでしょうか。17年度の決算委員会の資料を見ますと、人口1,000人当たりの職員数は8.62で、確かに多摩地域で一番多い市です。しかし、この資料には、消防、病院の職員数は入っていません。多摩の自治体には、公立保育園がない市もあります。水道事業は、武蔵野市外2市以外は東京都に移管しています。浄水場に人を配置しない自治体もあります。それで、果たしていいんでしょうか。安全性の問題や公立保育園を民間に委託してもいいのか。大きな問題をはらんでいます。必要なところには職員を配置し、見直すところは見直すことが必要だと思います。先ほどからの他の委員の質問に対し、市長は私と同じ立場で答弁されておりますので、安心いたしましたが、ぜひそういう立場で行っていただきたいと思います。

 さらに、能力給の導入についてです。これは、だれが評価するんでしょうか。第三者が見て納得できる公平性、公正性がなければ成り立ちません。そうしなければ、市長の顔色を見る職員が生まれかねません。見解をお伺いいたします。

 職員に対する質問の最後に、私が9月の議会の一般質問で取り上げた問題を新市長にお伺いいたします。既に8月に行われた国保運協、9月議会の一般質問、決算の大綱質疑と答弁を資料としてお渡ししてありますので、説明は省略いたしまして、問題は何かということを指摘し、市長の見解を伺います。国民健康保険の運営協議会の会長等の選任は、国民健康保険法施行令第5条において、運営協議会は公益を代表する委員のうちから、全委員の選挙で選任するとなっています。8月に行われた国保運営協議会では、施行令で全委員の選挙で選任するとなっているにもかかわらず、選挙を行わなかったという重大なミスがありました。その結果として、議員を除くすべての委員が全く知らないままに人事が決まってしまったのです。担当の部長、課長が間違った解釈をしたのが原因です。

 前任の課長に今までのやり方を聞けば、こんな問題は起こらなかったと思います。間違ったときは、それを認める姿勢が重要です。何とか言い繕って、その場をおさめようとするのは、法律・条例に基づき仕事をする公務員としては、あってはならないことです。施行令に基づき、全委員の選挙で決めるとなっていることを、なぜ実施しなかったのかを私は問題にしているのです。個人的な感情から問題にしているのではありません。正式な委員会を開かず、大事なことを決めるという重大問題を、市議会議員として、この問題をあいまいにすることはできないんです。私は、市議会議員になり、一貫して議会制民主主義を大切にする立場で発言してきました。この姿勢は、変わるものではありません。ここで問題にしてきたことは、邑上市長が就任する前のことですが、この問題を邑上市長がどう考えるのか、これは今後の市政運営にもかかわることなので、市長の見解を求めます。

 市民に開かれた市民本位の民主的な市政運営にこそ、邑上市長の発展の基礎があると思います。最後に、市政運営の基本と私が思う問題をお伺いいたしまして代表質問を終わります。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、御答弁申し上げます。

 地方自治のお話をいただきましたが、言葉どおり、自治というのはみずからおさめることということでありまして、地方公共団体の政治が国の関与によらずに、住民の意思に基づいてということかと思いますが、住民の意思をどう反映するか、これが大きなポイントだというふうに認識しております。その意味で、市民が主役の市政というのが、まさに地方自治を追求した結果の姿ではないかなというふうに思っております。当然のことながら、議会におかれましては、大切な意思決定機関ということであります。市長というのは、それを実行する機関ということで、その立場は尊重するという、先ほど申し述べましたが、そういう理解であります。

 それから、小泉構造改革のお話をいただきました。この間、年金制度改革あるいは介護保険制度改革、あるいは先般、医療保険制度の改革という形で公表されてきましたが、結果として、かなりな負担がふえてきたのではないかなということで、特に最後お話いただきました医療保険制度の案につきましては、新聞記事等でも見ておりますけれども、かなり高齢者、つまり年金生活者の負担が厳しいものになっているということがございます。いろいろ課題を踏まえて、改革というのは必要なものだというふうには思っておりますが、現時点で結果を見ますと、高齢者の負担増がかなり問題ではないかな。高齢者の皆さんからも、非常に心配だ、大変だという声も出ております。市として、どんな対応が可能かどうかについては、今後検討していきたいというふうに思っておりますし、かつ、必要に応じまして、国等にも声を上げていきたいという考えであります。

 それから、憲法問題、憲法第9条の件でございますが、日本国憲法で第9条というものに関しましては、一定の平和を維持してきたということで、次の世代に平和な社会を残し、人類に生きる希望として、前文でも政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言しというような言葉がございますので、それを受けての第9条かというふうに理解しております。戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認をうたった第9条が今まで守られてきたのかなということで、この必然性も私、感じておりますし、改正しなければならないといった理由はわかりません。ということで、第9条については、基本的にはこれを守るべきという考えを持っております。

 それから、長期計画の見直しにつきましては、皆さんから御質問をいただいておりますが、市民意見の反映の方法、あるいは議会の皆さんへの諮り方につきましては、今後検討を進めていきますが、今の時点での市民参加の姿というのは、例えば分野別に市民会議を設けていくという中で、その市民会議のメンバーの数もまだ確定してございませんが、なるべく多くの市民の方に参加いただきながら議論を深めていくということが基本だなという考えでございます。その反映の仕方についても、もう少し検討を進めさせていただきたいと思っております。

 それから、中学校給食の実施に向けたスケジュールでございますが、これも先ほど来、申し述べておりますが、今年度中に庁内プロジェクトチームを立ち上げて基本的な課題を整理していくということと、来年度に向かう具体的な実現を検討する委員会のあり方、検討の仕方をその場で考えていくということで、来年度に検討委員会で具体的な実現に向けた検討をした上で、ある程度試行してみて課題を洗い出して、何が武蔵野市でふさわしいやり方かということを検討した上で、できますれば19年度の実施を目標としたいというふうに考えております。

 給食に近い形という表現でありますが、いろいろな方式がありますが、少なくともどこかで弁当をつくって、それを持ってくるというような、そういう給食の姿ではなくて、現在、小学校で実施しております学校給食、きちんと栄養価あるいは食育を含めたような形だと思いますが、きちんとした食の環境整備ということを含めた上での給食的なという表現をしてございます。

 介護保険につきましては、現在、委員会の方でも議論を進めていただいておりまして、かつ、この間、市民にも説明して意見を聞く会という形で、今、実施しているところでございます。その結果を踏まえて、来年早々には委員会で大きな方向性が出るかというふうに思っておりますので、それの意見を聞きながら、保険料の問題あるいは7%助成の話について決定していきたいというふうに考えております。

 それから、武蔵野プレイス(仮称)関連の話で、周辺施設との有機的な連携というのは、私も必要だと思っておりまして、鉄道が高架化になるということであれば、なおさらのこと、南北の行き来が楽になる、スムーズになるということも含めまして、武蔵野プレイス(仮称)の鉄道の反対側にはスイングもありますし、もう少し行くと市民会館もあるということから、そういう会議室あるいは多目的室の利用の連携を図るべきだなというふうに思っております。

 それと同時に、西部図書館につきましては、地域の方が存続をしてくださいというような要望が結構あるようでございます。当然のことながら、利用されている方がそういうふうに言っていただかないと、逆に困るわけでございますが、そういう要望も多くあるということと、先ほど本間議員から、地域密着型のそういう図書館のサービス的なことを文京区でもやられているんじゃないかということもありますので、私の基本的な考え方は、3駅にそれぞれ基幹的な図書館機能を充実していくというのが一つあろうかなというふうに思いますが、さらにブランチとして、地域の皆さんが利用しやすい形で、どのような姿が可能なのか。例えば、学校図書室も今、開放いただいていますが、そういう図書室だとか、あるいは西部図書館。基本的には、西部図書館の中枢的な機能は武蔵野プレイス(仮称)に移転というふうに私も考えておりますが、そこで旧西部図書館になりますが、そこでの存続のあり方はどうなのかというのは、今後の課題かと思っております。ぜひ検討していきたいというふうに思っております。

 それから、武蔵野市、特に吉祥寺は、非常に人気の高いまちということで、民間の会社が調査した住みたいまちランキングでは、吉祥寺というのは非常に評価を得ているという事実もございます。住みたいまちということで理解はしておりますが、そこで実際問題として、家賃の問題等もあって、なかなか住みづらいというのは確かに現状かと思っております。都心部におきましては、そういう若い世代をもっと住まわそうということで、新宿区でもたしか移転に関して補助をすると。つまり、転居される方について補助するというようなことで、積極的な住まわそう、住んでいただこうというような助成制度もあるかと聞いております。この問題は、予算もかかる話でございますが、家賃補助も含めて、どういう形で施策として考えていくと、多くの方が、あるいは若者が住みやすいまちになっていくのかということで、今後の研究課題だと思っております。

 NPOの助成につきましては、市川市とどこが違うのかということでございますが、本市で行っておるのはNPOという組織に対しての支援という形で、10万円という助成がありまして、これも一定の評価を得ているということでありますが、市川市の場合は、NPOに限らず、地域の団体も対象になっているということで、かなり幅広な事業に対してエントリーが可能だということと。それから、もう1つは、住民税の1%を直接納める方が自身で決められるということから、税の使い方を直接表明できるという一つの試みとして参考になるんではないかなということで、この仕組みについて武蔵野市で反映できないかどうかを研究したいということでございます。ただ、課題も確かに伺っております。納税者しかそういうことが言えないんじゃないかとかいうこともありまして、その辺も課題の一つとして、今後の研究の中でとらまえていきたいという思いであります。

 それから、市職員と力をあわせてということで、職員数につきましては、再三申し上げてございますが、市民サービスの一定の維持を大前提といたしまして、ただ、数字から申しますと、多摩で職員数というのは人口に比べると一番であるということは事実でありまして、その意味からすると、他市に比べると職員数自体も多いという中で、これは職員数というのは、イコール人件費にかかわってくる問題でございますので、機能を確保した上で、市民サービスというものを確保した上で、削減について努めていくということだと思います。

 それから、能力給については、私も民間出身でございますので、自身の会社も当然能力給制度でございます。その評価者というのは、社長であります。その辺も含めて、能力給を導入するからには、その評価の仕組みというのが不離一体でございまして、評価のやり方、視点だとか、あるいはだれが評価していくかも含めて、今後検討していきたいというふうに思っております。

 国保運協の問題につきまして、本間議員から以前にお話をいただきましたが、ルールに基づく運用をしなければいけないというのは大前提でございますので、一つには、今後そういうことが起こらないようにということで職員には徹底していきたいなということで、細かな委員長の決め方を含めて、運用基準については明らかにしていきたいと思いますので、次回の運協の中で発表させていただきたいというふうに思っております。

◯9 番(本間まさよ君)  答弁漏れはありませんので、再質問をさせていただきたいというように思います。

 それで、今回初めての邑上市長の施政方針ということなので、読みまして、どういうようにとらえていいかわからない部分というのが幾つかありました。それで、その中で、私が気がついた問題として、最初にまず、医療改革の問題では、この施政方針を読みますと、今後、ますます進展する少子高齢化、人口減少時代に向けて、行財政改革の更なる推進、医療・社会保障制度改革とともに、国を挙げての少子化対策、高齢者福祉や雇用対策等の推進が必要であると認識しておりますというように書いてありますと、国が挙げている医療改革について、市長が賛成しているかのようにも受け取れてしまうんですね。これは、幾つかのところにあるんですが、今、御答弁いただきましたので、医療改革などの問題について心配しているという御意見を伺ったので、安心したわけなんですけれども、その辺で、もう少しそういうことをきちっと述べられた方が、読まれる方、市民の方が市長の考え方がはっきりわかるんではないかなと思いまして、質問させていただきました。

 そういう意味では、中学校給食についても、私は、この機に中学校でできるだけ学校給食に近い形で食の提供ができないか、教育委員会とも協議しながら具体的な検討に着手いたしたいと存じますというように書いておりますので、じゃ、学校給食じゃなくて近い形で実施するのかと。近い形というのは、一体何なのかと、そういうように読んでしまいますので、このことについてはちょっとはっきりした答弁がなかったので、もう一度御答弁いただきたいというように思うんですが。どこかで買ってくるお弁当を学校に置いておくとか、そういうことではないと言われましたが、もう少し市長のイメージとして思っていらっしゃるのはどういうことなのかというのをお伺いをさせていただきたいと思います。

 それから、調整計画については、私は市長が変わられたわけですから、それは見直しをしていくのは当然だという立場に立っておりますが、今回出された市長の考え方というのは分野別だというようにおっしゃいました。この分野別というのは、普通に考えれば、福祉とか、それからまちづくりとか、そういう形で分かれるのが分野別かなというように思うんですが、もし私がそういうように受け取っていることが違うのであれば、そういうように言っていただきたいんですが。そうすると、全体的な意見というのは、どこで市民の人たちは述べたらいいんでしょうか。今までは、意見が反映されたかどうかというのは別問題なんですけれども、意見を言う機会は一応あったんですね。ただ、意見を聞いたけれども、反映がなかなかできなかったと。学童クラブのことだとか、中学校給食、述べていた人や文書を出した人は随分いるんですけれども、その辺は聞かなかったと。ぜひそういうことのないような、市民の方たちが全体的に意見を述べて、そしていろいろな意見が出た中で、反映されたものがはっきりあるとすれば、それがわかるような形でぜひつくっていただきたい。議員の意見も聞いていただきたいというように思っております。

 次に、介護保険についてですが、これは1つ答弁漏れがありました。保険料減免についてのことは、おっしゃっていないんですが、私が提案させていただきました。今、階層別には5段階に保険料が設定されています。ほかの自治体では、5段階のところを6段階にして、一番負担が多いと言われる第2階層のところを2つに分けて、負担軽減をしている自治体もあります。武蔵野市がつくった、この提言、この中の一番最後には10段階の考え方を示していまして、こういう考え方に基づけば保険料は随分低く抑えることができます。それで、総額はなかなか変えられないとしても、そういう低所得者の人たちに対して減免というか、設定を低くする、それはできると思うんですね。ぜひそういうことを検討していただきたいと、まず思うわけなんですが、その御答弁がありませんでしたので、お伺いしたいと思います。ちょうど一番身近にいらっしゃる秘書課長が介護保険の課長を前任でやっていらっしゃったので、そういう意味では、いろいろと聞ける機会が多いと思いますので、これはこれからの大きな課題になってまいりますので、ぜひそのことをやっていただきたいなと思うんです。

 それから、2つ目は、7%減免、これは私はとてもいい制度だと思うんですね。全国の自治体からも、随分私たちのところに問い合わせがあります。それは、介護保険の利用料の負担が高いという全国の皆さんの声を受けて、何とかならないかということで調査に見えるんだと思うんです。武蔵野市は、先ほども言いましたように、10ポイント利用率が高い。これ、重要なことだと思うんですね。しかも、今、これだけ負担がふえているときに、武蔵野市として今までやってきた、この制度、これをそのまま守っていく。それは、どうやったらできるかといいますと、武蔵野市の中で200億円をはるかに超えていると思いますが、基金もありますし、今回の補正予算で組まれるお金や、また税金が、税収が、市民に負担増をするために、武蔵野市に増収として入ってくるわけですよね。これを還元していくという姿勢は、これは間違っていることでは絶対ないと思うんです。こういうお金を使っていけば、5年後に8,000万円、今までよりふえると言われていますけれども、そういう制度に使っていくことは大事じゃないかなというように思うんですが、その辺の御決断が邑上市長から聞けなかったので、ぜひこのことについてはお伺いをしておきたいというように思います。

 それから、能力給の問題ですけれども、これをやっている自治体もありますよね。それで、きのうの日経新聞の1面だったんじゃなかったかなと思うんですけれども、能力給をやっている自治体では、98.4%が職員優秀、優良だという評価だと。みんなが優秀だという評価だと、そういう記事が載っていたわけです。だれがどういうように評価するかは別として、そういうことを目的としているんでしょうか。やはりそうじゃないと思うんですね。私は、市の職員の方たちがやりがいのある武蔵野市の環境をつくって、それに一番努力するのは市長である。それに対して評価するのに、市長がどういう基準で、どうやってやるかというのが明確にならなければ、今までもいろいろと心配してまいりました。いろいろな制度ができましたが、結局、前市長が評価をされた方がいろいろな職務を負っていたりというようなことで、本当に公平性・公正性がきちっと第三者が見てもおかしくないということにならなければ、同じような市政になってしまったらいけないということを私、強く思っておりますので、その点についてお伺いしたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  中学校給食の件で、学校給食に近い形という話なんですが、今の時点で給食法に基づく給食かどうかについては特定できない面がございますので、その意味で、形としては給食的な質を確保した上で、仕組みとしては給食法に乗らないかもしれないということで、こういう使い方をしてございます。

 それから、長期計画の検討で分野別、これもまだ具体的な検討の仕方を決めているわけでありませんが、私の今の時点のイメージとしましては、ある程度分野別で構成するというのは基本で、さらに分野別を引っくるめた形で、全体での取りまとめの会議も必要であるという認識であります。当然のことながら、全体的な意見を聞く場というのは設けていくということで考えたいというふうに思っておりますし、それから、意見というのは、聞いただけではなくて、それをどうやって生かして計画に反映したかどうかにつきましては、きちんと整理していくべきだなというふうに考えております。聞きっ放しはしないということでございます。

 介護保険料の話、それから7%の助成の話につきましては、今現在、議論が進んでいるということで、その議論の結果を待って判断というふうに考えておりますが、介護保険料の、特に低所得者層の配慮については、前向きに検討したいというふうに思っております。

 それから、最後の能力給の話で、これはやはり評価システムというものを明確化していかないと成り立たないものではないかなというふうに思っております。当然のことながら評価の方法と仕組みを明らかにして、できますれば来年度以降、その検討をして組合とも交渉して実施していきたいというふうに考えております。

◯9 番(本間まさよ君)  能力給についての答弁が気になりますね。もう、すぐ実施したいというような御答弁だったように見受けられるんですが、なぜ能力給を導入しなければならないんでしょうか。まず、それをお伺いしたいというように思います。それで、公平性とか公正性がどういう形で保たれるのかということについても伺ったんですが、その辺、はっきりしないわけですけれども、いかがでしょうか。結局、その基準というのはなかなか難しいというように思うんですよね。何か物をつくるとか営業するとかという、数値にあらわせないものというのが市の職員の仕事にはたくさんあります。それをどうやって評価するのかと。そこは、すごい難しいことだというように思うんですけれども、その評価の仕方。もしかしたら、市長と私がその方を評価するのは全く違うかもしれないですよね。私は、公務員としては、条例に基づいたきちっとした仕事をしてもらいたいと思って、今回も質問いたしましたけれども、そういう問題についてどうお考えになっていらっしゃるのか御答弁いただきたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  基本的には、年功序列型の賃金体系というのは余り適切ではないというふうに私は思っております。やはり公務員といえども、社会人として、組織の人間として、一定の成果を出さないといけないということがあります。ただ、本間議員のおっしゃられたとおり、公務員の仕事を評価するという仕組みはなかなか難しいかもしれませんが、だからといって、それを見送るということではなくて、やはり評価尺度をつくって明確化して、評価者も決めてという形で検討、取り組みたいと思っております。
                               
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