●一般質問「地域商業支援策の推進等について」(2006年6月7日) 向谷千鳥
◯8 番(向谷千鳥君)  今回は、地域商業支援策の推進についてと地域の安心助け合いネットワークにおける行政の役割についての2点について一般質問いたします。

 大きな1点目は、地域商業支援策の推進についてです。

 地域社会に根づいている中小商店街は、お年寄りを初め、住民が歩いて買い物できる身近な存在として、住民に必要な利便を提供するとともに、地域の祭りや青少年の育成、子どもたちの見守り、防犯・防災への貢献など、地域社会を支えています。しかし、住民になれ親しまれ、暮らしと地域社会を支えてきた商店街がこの10年近くで停滞・衰退し、全国でおよそ1万8,000あった商店街が1万3,000まで減少して、各地で空き店舗とシャッター通りが珍しくなくなっています。

 邑上市長は18年度施政方針で、路線商業は、長らく低迷が続いておりますが、活路を見出すべく、必死の努力を続けております。吉祥寺をはじめ、市内全体の商業活性化対策は急務であり、引き続き支援を行ってまいります。商業が活性化すれば、まちはますます活気と活力にあふれてまいりますと述べています。

 武蔵野市では、武蔵野市商店会連合会会長を座長とし、商業者と消費者である市民、市職員を委員とする武蔵野市路線商業活性化懇談会が設置され、平成17年5月から平成18年3月まで議論が重ねられて、このほど路線商業活性化懇談会提言書が発行されました。提言書は、商店街や商店が現在抱えている問題点をとらえた内容となっています。私は、今回この提言書をまとめられた懇談会座長を初め、懇談会のメンバーの方々、商店会の会長などにお話を伺ってきました。これまで毎年やってきた大売出しがついにできなくなったとか、商店街から物販店がどんどんなくなる。あと10年たつとどうなるのだろうかなど、切実な現状をたくさん聞きました。同時に、まちづくりの中でかけがえのない役割を果たしている商店街と商店会活動を何としても発展させたいという熱意に触れ、心打たれました。今回の路線商業活性化懇談会提言書をきっかけに、これを生かして市の地域商業支援策をさらにきめ細やかに発展させていくことが切実に求められていると痛感しました。

 商店街衰退の原因はさまざまですが、既に個々の商店や商店街の努力だけでは解決できないものとなっています。バブル崩壊後の経済失政と小泉構造改革によって、国民の所得と消費購買力が押さえ込まれ、売り上げの大幅な減少が大きく響いている上に、大型店の出店ラッシュと深夜営業など、無秩序な競争激化が商店街を直撃しています。全国の小売業の売り場面積に占める大型店の割合は、1970年代には2割台にすぎなかったものが、90年代になると5割を突破し、武蔵野市は特に多摩でも大型店のシェアが有数の市であり、総売り場面積の約8割を大型店が占めています。営業時間も西友やイトーヨーカドー、いなげや、東急ストア、サミットなど、11時、1時と続々と深夜にまで延長されています。

 こうした状態をつくり出したのが、小泉内閣が規制緩和の名で進めている大型店の出店、撤退、深夜営業などを野放しにする政策です。自民党政府は、1990年代以降、周辺小売店との調整のための法律、大規模小売店舗法の規制を相次いで緩和し、1998年には日本共産党以外の政党の賛成で大規模小売店舗法はついに廃止されてしまいました。かわってまちづくり3法、大店立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法が制定されましたが、7年以上がたち、これらが機能せず大失敗だったことは、今やだれの目にも明らかです。商業活性化対策は急務という市長の施政方針にあるように、今こそ商店街、中小業者の再生に向け、武蔵野市が市民と商店会の間をつなぎ、懸命に頑張る中小業者の支援策推進に本腰を入れて取り組むことを求めて、以下の質問をいたします。

 1点目は、商店街の現状についてです。私もよく利用する西久保の三谷通り商店街は、かつて110店舗が軒を連ねたそうですが、現在、物販店は40店舗を数えるだけとなり、店舗が住宅として建てかえられるなど、5年後はさらに減少するだろうと言われています。何とか生鮮産品を残し、1店1品などで特異性を生かしていきたいと商店会会長はおっしゃっていました。緑町一番街商店街の店主の方にお話を伺うと、昔は夕方など、お客でごった返し、すりが出ると言われるほどにぎわった。今は人通りも少なく、自分一代何とか食べていければと考えているとの返事が返ってきます。最近の5年間で全国では30万軒、東京では5万軒の事業所や商店が減少したと言われています。武蔵野市での最近5年間の中小業者の状況はいかがでしょうか。また、その原因をどのようにお考えかお伺いします。

 質問の2点目は、路線商業活性化懇談会提言書を生かすための体制づくりについてです。商店街の存続が重大な危機にある中で、武蔵野市でもさまざまな取り組みが行われてきました。例えば、空き店舗対策として始まった境南町富士見通り商店街のコミュニティスタジオハートらんど富士見や、姉妹・友好都市交流センターとしてのアンテナショップ麦わら帽子の運営、中部地区地域活性化協議会のふれあいスタンプや武蔵境商店会連合会のファミリースタンプ事業、盆踊り、もちつき大会など各商店街が主催するイベントの助成事業などです。今回の提言書をまとめに当たっての大きな問題意識は、商店会活動を発展させることです。行政への要望の第1に挙げられたのも、商店会への加入について行政から支援してほしいということでした。商店会は、地域コミュニティの担い手の一つとして、地域のお祭りを支え、通学の子どもたちを見守り、夜道を照らす街路灯の負担をして、まちの安全・安心のために尽力しています。ところが、チェーン店などがふえ、本部の許可がないので商店会に加入しないケースがふえているそうです。ある商店会長は何度も足を運んで加入を訴え、5年半がかりの説得でやっと加入してもらったというお話も伺いました。大手のチェーン店が街路灯などのメリットだけを受け、地域社会に貢献しないというのは筋が通っていないと思います。市も街路灯の補助をしています。地域社会のさまざまな役割を担う商店会の姿を市がもっと市民にアピールして、加入促進の支援を検討することが必要だと思います。

 また、空き店舗対策、後継者育成など、行政の積極的な支援が期待されています。商店会連合会では、各地の商店街の見学なども行って、どうすれば商店街が活性化できるのか懸命に探求しています。いろいろな知恵や経験もあります。市が商店会の努力にもっと踏み込んで応援する体制をしっかりとることを邑上市長にぜひ要望したいと思います。そのために、まず現状をしっかり把握するために、商店街ごとの診断・実態調査が必要と考えます。市長の答弁を求めます。

 さらに、実態調査の結果や提言をもとに、中小業者、消費者、市が一体となって商業振興基本計画を策定するよう求めます。市長の見解を伺います。

 3点目は、家族労働に頼る自営業者の深刻な健康破壊の実態についてです。全国商工団体連合会の中小業者の営業と暮らし、健康実態調査のまとめによりますと、売り上げが5割減を超えると14時間を超える超々時間労働と休日なしが高まっています。このことは、売り上げの激しい落ち込みを何とか長時間過密労働で補おうとする中小業者の懸命な姿と精神的に休まることのない状況を浮かび上がらせています。また、通院中の病気がある、38.9%、医師からの指示に反して休めなかったことがある、73.4%と、中小業者の健康破壊が深刻な事態となって広がっています。自営業者にとって、厳しい状況の中で病気で休むことは廃業の危機を意味し、その間の補償は全くありません。結局、本当に悪くなるまで医者にもかからず、健診も受けないケースが少なくありません。

 市内でカレーショップを営む女性は、原因不明の頭痛や目まいに悩まされながら、それでも店を閉めるわけにはいかず、週に3日は何とか店をあけ、それ以外は起きれずに床に伏したままだと言います。また、境にある花屋は、御夫婦ともリューマチを患っており、仕入れまでをパートに任せるわけにはいかないと、毎日御主人が足を引きずりながら市場に買いつけに行っているとのことです。娘が時々店を手伝っている緑町のお肉屋の奥さんは、近年、脳梗塞で2度も倒れ、今度倒れたら命の保障はないと医者から言われながらも、お惣菜のすべてを奥さんが手づくりしているため、店を休むわけにはいかないと言います。近隣に進出してきたお弁当チェーン店とは、価格や工夫を凝らしたサービスで努力しておられますが、休日は日曜日のみで、朝9時から夜8時ごろまでほとんど夫婦だけでやっていると言います。ここまでやらないと商売にならない。このような厳しい状況の中で自営業者の健康がむしばまれているという実態があります。

 個人商店で息子が継がれているケースでは、奥さんは店の重要な働き手として、また家事とを両立させながら大変な重労働を担っています。特に、産前産後の十分な休業が保障されないという実態があります。パートもなしで夫婦2人で切り盛りしている酒屋では、奥さんは臨月までレジに立ち、出産後も2週間で店に出たと言います。健康保険の場合、傷病手当金以外に出産手当金が休業手当として給付されます。中小業者の多くが加入する国民健康保険にはこのような制度がないため、自営業者は病気のときも休めず、病気になっても働かざるを得ないような大変な思いをしています。営業と暮らし、健康を守るため、業者団体は傷病手当、出産手当金支給の実施を求める運動を進めています。国民健康保険法第58条第2項では、保険者は、条例その他の規約に定めるところにより、傷病手当金の支給その他の保険給付を行うことができるとあります。この条項を生かし、自営業者が安心して健診を受け、医者にかかれるよう、病気や出産のときも安心して休める休業補償として、国民健康保険でも傷病手当、出産手当金の支給が必要と思いますが、市長の見解を求めます。

 また、今すぐの条例改正は困難でも、どのぐらいの事業費が必要になるのか、少なくとも試算をしてほしいとの要求が実り、傷病手当、出産手当を実施した場合の試算をした自治体が2006年3月までに全国で274自治体に広がっています。試算を出すことによって、中小業者の営業や暮らし、健康実態を把握することにもつながり、業者の励みにもなっています。東京では、23区、八王子市、調布市、立川市、秋川市などが試算しています。武蔵野市でも試算を行うことを求めますが、いかがでしょうか。

 大きな2点目として、地域の安心助け合いネットワークにおける行政の役割についてです。

 少子・高齢化に加え、さらに近年のオートロックマンションの増加など、都市化の影響が地域社会におけるコミュニティの希薄さを進展させています。私は、昨年3月の定例議会で、年末に立ち会った孤独死の実例を挙げ、地域で孤独死をなくす取り組みについて一般質問で取り上げました。安心助け合いネットワークの取り組みを全市的に展開していくため、新聞販売店や薬局などの関係協力機関への周知、市民への広報について提案しましたが、その後もひとり暮らしの高齢者の方や地域の方から、体調のいいときはいいが、何かあったとき動けなくなってしまい、心配だ。見守りの制度があったら教えてほしいとの問い合わせや相談が相次いでいます。地域によっては、安心助け合いネットワークづくりの準備段階であったり検討中のところもあり、取り組んでいる地域社協ではどの地域も大変苦労されています。

 高齢者の声かけ、見守りの制度実施については、平成14年第2回定例議会で我が会派の本間まさよ議員が取り上げ、やらなければならないと考えていると当時の土屋市長の答弁があり、実施の方向が具体化されたものです。武蔵野市は、17年度に総合的な視点から、これまでの地域福祉計画と福祉3計画を見直し、一体化して武蔵野市福祉総合計画を策定しました。その中で、地域の安全・安心の確保として、地域社協を中心に展開している安心助け合いネットワークを一層充実させるよう支援しますとあります。地域社協では、さまざまな活動の一環として安心助け合いネットワークにも取り組んでいますが、地域の福祉ネットワークをさらにきめ細かく広げ、強化していくためには、活動の担い手や方法などの具体化が求められています。

 そこで、住民の福祉の増進を図る自治体の役割として、安心助け合いネットワークの仕組みを市がどのように担っていくお考えなのかお尋ねします。

 1点目は、福祉総合計画で示された安心助け合いネットワークを担当する部署についてです。今回策定された福祉総合計画は、総合的に福祉施策を推進するために一体化して改定されました。安心助け合いネットワークについては、関連する部署で総合的に対応する体制が必要と考えますが、市長の見解を伺います。

 2点目として、安心助け合いネットワークを一層充実させるための市の役割についてです。地域でネットワークづくりを進める上で、それぞれの地域性もあり、課題はさまざまですが、安心して地域社協の方々が活動できるためにも、地域社協のボランティアスタッフと拠点となる在宅介護支援センター、さらには日ごろの業務を通して発見・連絡の役割を担う地域の新聞販売店や薬局や配食サービス業者など、協力機関とをつなぐ十分な橋渡しを行政に求める声が強くあります。また、地域社協の方々は、実際どのような活動をすればいいのか、異変や相談にどのように対応すればいいのか、研修会などの環境づくりも要望されています。充実が求めるられる安心助け合いネットワークを支援するため、武蔵野市は具体的にどのような役割を担っていくのでしょうか。市長の明快な答弁を求め、一般質問を終わります。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、向谷議員の御質問にお答えしていきます。

 まず、地域商業支援策の推進等についてということで、商店街の現状でございますが、私も市内の商店街、いろいろな機会に伺わさせていただきますが、なかなか厳しい状況にある。シャッターが閉まったままとか、そういう状況もございますが、統計的な数字が、5年というのはございませんで、今、手元にございますのが、平成6年の商業統計ですと、小売店舗数が1,916店舗、それから平成16年の商業統計になりますと1,796店舗、つまりその10年間で120店舗減少したという数字がございます。ただ、年間の販売額を見ますと、平成6年時点では4,622億4,700万円ですので、1店舗当たり2億4,000万円ぐらいになっております。平成16年の統計によりますと4,799億7,400万円ですから、1店舗当たりが2億6,700万円ということで、店舗数は減っておりますが、1戸当たりの販売額は若干微増であるというふうになっております。

 しかし、商店の皆さんにいろいろお話を聞きますと、大変厳しい状態が続いているよということでございまして、原因についてはさまざまな要素があろうかと思いますが、大きな視点で考えると、確かに社会経済環境、これが非常にこの数年変わってきている。情報化の進展、経済のグローバル化、少子・高齢化、あるいは家族形態、社会形態の変化など、これが大きな視点での要因なのかなと思います。景気の面から言いますと、景気は今般、回復の兆しということがございますが、現時点ではまだ商店街まで回復しているという状況ではないのかなというふうに感じております。地域の商店街や個店に視点を移しますと、コンビニあるいはスーパーの進出により競合する物販店が経営上の影響を受け、あわせて商店主の高齢化の進行、後継者不足等の課題があるのではないかなというふうに考えております。商店街では、商店数や商店の種類も減少し、商店街の魅力低下が一層進むという悪循環になってしまっているのではないかと考えております。消費者ニーズの多様化の中で、個店時点の魅力アップ、これは自己努力も必要かと思いますが──あるいは、先ほどお話いただきました商店街の組織力強化、地域との連携も必要だというふうに認識しております。

 さて、路線商業活性化懇談会の提言というのを3月に受けましたが、現在、それを受けまして、市では商店会連合会と取り組みについて具体的に実務的に協議を進めている段階でございます。今後、どれから、どのように取り組むのか、商店街からの声を伺いながら取り組んでいきたいというふうに思います。御指摘いただきました商業振興基本計画につきましても、懇談会で提言いただきました内容を実施する中で、計画策定の必要性も含めて検討していきたいなというふうに考えております。

 2点目の自営業者の休業補償に関する御質問でございますが、国民健康保険法第58条第2項に、条例又は規則の定めるところにより、傷病手当等の支給その他の保険給付を行うことができるということでございますが、現在、その条例制定等がございません。傷病手当金というのは、健康保険では病気休業中に被保険者等の家族の生活を補償する制度でありまして、病気やけがで会社を休み、事業主から十分な報酬を受けられない場合に支給するというものでございます。また、出産手当金も、健康保険の被保険者が出産のため欠勤し、給与を受けていないか、受けていても出産手当金の額より少ない場合に支給することができるといったような制度でございます。

 国民健康保険の被保険者は、自営業者家族、年金生活者、失業者などなど、さまざまな方がいらっしゃる現状を考えますと、果たして休業補償に該当するのか特定するのが大変難しい作業になってくるのかなというふうに思います。また、これは任意給付を定めたものでございますので、保険者が保険財政上、余裕がある場合などに自主的に条例を制定して行う保険給付であるということですから、したがって、実施に当たっては、あらかじめ都道府県知事と協議して、その同意ないし承認のもとに行うことが要件とされています。本市の場合は、御承知のとおり、国民健康保険会計に18年度においても15億円以上の繰り入れを予定しておるという現状を考えますと、なかなかこの面では財政上の余裕があるというのはちょっと考えられないのではないかなというふうに思います。つきましては、その条例化は現時点では難しいのではないかなという考えを持っております。ちなみに、都内ではまだ実施している自治体はないというふうに話を聞いております。

 次に、試算の件ですが、残念ながら試算まではまだ行ってございません。試算をするにはいろいろな条件をそろえないとなかなかできないということでございますので、現時点では試算してございません。

 次に、地域の安心助け合いネットワークに関する御質問でございますが、福祉総合計画の中では地域社協活動の充実を、ぜひ地域を支える基盤の強化として必要だということで考えてございますが、共助を担う地域社会資源として大いに地域社協に期待してございますので、地域社協の活動がさまざまなコミュニティ活動と協働しながら、福祉、防犯、防災、学校、青少年活動、商店会、緑化、まちづくりなどなど、地域のさまざまな活動と連携を進めやすくするよう支援しますと記載しておりますので、それに基づいて具体的な取り組みを進めていきたいなということでございます。

 コミュニティ施策、防災施策、地域福祉施策などの連携を図るために、市の担当部署と市民社協による地域福祉ネットワークに関する調整会議の設置を検討していきます。特に、災害時要援護者対策について、今年度、地域防災計画、これから行ってまいりますが、地域防災計画の改定にあわせて庁内の連携を図っていたいというふうに考えております。

 地域社協は、それぞれの地域特性や活動の積み重ねの相違により、画一的な組織活動はありませんが、したがいまして、地域課題について、すべて地域社協がすぐに対応できるとは限らないのが現状でございます。市の役割の第1は、市民社協がさまざまな地域の社会資源の連携の核となって地域福祉の推進をコーディネートしていくというようなことを支援することと考えております。今年度におきまして、市民社協の運営費補助を増額し、各地域社協ごとに市民社協職員をコーディネーターとして配置することができました。また、これまで地域社協と市との直接的な接点はごくごく限られておりましたが、今後は隔月に開催される地域社協代表者会議などにも生活福祉課職員が参加するなど、協働に向けての地固めを行っていきたいというふうに考えております。

◯8 番(向谷千鳥君)  商業支援策についてなんですけれども、厳しい状況というのは市長も認識していらっしゃるということなんですが、この路線商業活性化懇談会の提言書の中でも、商店街に元気がない一番の理由を、大型店の進出というのが79%というふうにあるんですけれども、こういうふうに市内の商店の方々が感じていらっしゃるというのを、さまざまな社会経済の環境があるというふうにおっしゃいましたけれども、この懇談会の中でのこういう結果というのをどういうふうに考えていらっしゃるのか。市内の業者が感じている商店街が元気がない理由というところの占める大きな理由について、もう一度お考えをお伺いしたいと思います。

 それから、これは御答弁がなかったと思うんですけれども、市内でどういうような推移、状況になっているのかというのを、平成6年と平成16年の統計から出されたんですけれども、店舗数は減っているけれども、販売額は上がっているという御紹介がありましたが、これは大型店の影響というのが大変大きいんじゃないかと思うんですが、その辺の分析というのが、つぶさに市内の商店街がどういう状況になっているのか、中小業者がどういう状況になっているのかということでは、実態調査が必要ではないかという提案をさせていただいておりますので、その辺の御答弁をもう一度お願いしたいと思います。

 それから、今後、この提言書を生かした体制づくりについて、懇談会で考えていきたいというような御答弁がありましたが、消費者としての市民もぜひ加えていただきたいなと思うんですね。懇談会のメンバーの方々も、商店会だけでは、今後さまざまな地域を支えていく上でもやり切れない部分があるということでは、市民の方の力もかりたいというふうにおっしゃっていました。

 それから、アピールする上で、市報などでも商店会の役割というのを、例えば街路灯を負担しているということも知らない市民の方も多いんじゃないでしょうか。そういった、今、商店会が果たしている役割なども市が広報していくという役割をもっと担っていただきたいなというふうに思いますけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。

 それから、傷病手当、出産手当の試算なんですけれども、この手当金を給付するというのは、制度上、いろいろな超えなければいけない問題があるというのはよく認識しております。ただ、私がいろいろ紹介させていただいて、そういう商店の方のところに行きますと、本当に努力していらっしゃるな。しかし、体がもたなくなるまでやるというような深刻な健康の実態がありました。そこのところでは、試算を出すということで、どういう実態なのかということをつかむことにつながるんだと思うんですね。市長の方では、残念ながら試算できないというふうにあっさりおっしゃられたんですけれども、全国で既に274自治体が試算をしております。それで、試算対象者を出すというところが困難なところかもしれません。国保の中には、働いている方もいれば働いていない方もいらっしゃるということで、認定が難しいということがあるかもしれませんけれども、この試算例というのを資料でお渡しさせていただきましたので、ぜひ研究していただきたいと思いますし、政府管掌健保に準じていろいろな試算をしております。入院件数を掛けて、それから日額というのも東京都の最低賃金であったり、生活保護基準であったり、いろいろな試算方法がありますので、これは実施するためにこれぐらいの事業費が必要になるという目安になりますので、これはぜひとも研究していただきたいなというふうに思います。

 出産手当の方も、同じように女性の就業率を掛けるですとか、他の自治体の例を参考にしていただいて、これは試算を出すということでそういう実態を知るということにもつながると思いますので、ぜひお願いしたいと思います。

 それから、地域の安心助け合いネットワークのことなんですけれども、確かに地域社協の方々は頑張っていらっしゃるんですけれども、大いに期待しているということが、逆に大きな負担になっているということもあります。それで、実際何をやればいいのかというところでは、研修会などをぜひやってもらいたいという声もあるんですね。例えば、先駆けて見守りネットワークを実施している立川市などでは、見守りの目安として、洗濯物が干してあるかとか、窓があけられているかとか、新聞や郵便物がたまっていないか、買い物等で外出している様子があるか、庭木等に水やりをしている様子があるか、こういうような見守りの目安がありますというような手引書というのをつくって、地域相談協力員というふうに言うそうですが、見守りをしてくださるボランティアの方々にそういうものを配付しているそうです。何か目安になるもので、ああ、こういうことでいいんだなということが地域社協の方々の安心というか、そういう一つの糧になるんじゃないかというふうに思います。これから懇談会、調整会議などを設けていくということなんですけれども、その辺のボランティアをやっていらっしゃる方々の声をぜひ聞いていただいて、そのような研究会も実施していただきたいというふうに思っています。

 それから、福祉の関係で相談しても、そのことはこちらの方に言ってくださいとか、そのことはこちらにというふうに窓口をどんどん回されていくという市民の方からの苦情をよく耳にします。今回、私は福祉総合計画となったことに大変期待いたしました。安心助け合いネットワークも、そういうことでは総合的に対応してくださるんだなというふうに思いましたので、緊急を要するような異変ですとか、市民の相談に対して速やかに対応できるというような窓口のことはお考えになっていらっしゃるのかどうか、そのことをお伺いしたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  まず、商業関係の話でございますが、商店街に元気がない理由は何だということで挙げられている一番大きな項目は大型店やコンビニの進出ということでございまして、これはなかなか難しい問題がありまして、大型店というのは、外からの資本によって大きな商業施設が進出するということでございますが、コンビニにつきましては、既存の商店が店をコンビニに変えるということもございまして、その辺が大きな違いがあるのかなと思います。いずれにしましても、そういうものを拒否するという方向でなくて、共存するにはどうしたらいいのかということをこれから大いに議論して研究していくべきではないかなというふうに思います。

 それから、実態把握については、なかなか細かい把握が今までなされていないかもしれませんが、必要に応じてそういう整理をすべきだなというふうには認識してございます。

 それから、今回の武蔵野市路線商業活性化懇談会のメンバーの中を見ますと、商業関係者だけではなくて、商業者が6名、それから市民の方が3名、市民の中には青少協だとかPTAだとか、そういう方も入っておりまして、市民の方も入られてきたという中で提言をまとめられたということでございます。今後も商業者だけではなくて、消費者の声、地域の声を取り入れながら、この問題に取り組んでいくべきではないかなと考えます。

 それから、商店街の役割、商品を売るというだけではなくて、さまざま地域のいろいろなイベントに協力いただいたり、あるいは安心・安全面、パトロール等も含めて、あるいは子ども110番等も含めて、いろいろな面で協力いただいているわけでございまして、そういう担い手としての役割というのも、今後機会を見て、大いに地域の方、市民の方にもお知らせしていきたいなというふうに思います。

 それから、傷病手当等の試算の件ですが、向谷議員からいただいた資料が数年前の2001年ぐらいで、幾つかの都市にどういうやり方かというのをちょっと問い合わせてみたんですけれども、担当者がもう既にほかに変わられてわからないという状況もありましたので、もう少し追跡調査をして、やり方等をお聞きしながら、どうしたらできるかも含めて研究していきたいなというふうに思います。

 それから、地域社協には市としても大いに期待している。それが逆に負担に感じられるというと、なかなか難しいかなというふうに思いますが、原則、地域社協は自立していろいろな活動をしていただきたいというふうに思いますので、その活動の中で必要な支援があれば、市としても大いに支援していきたいなということでございます。

 それから、地域社協でやられている見守りサービスについては、その地域社協内に地域サポーターを組織して認知症の方を地域で支える仕組みを今後検討していきたいというような考えを持っております。

◯8 番(向谷千鳥君)  商店会の大型店とコンビニは、もちろん私は否定するんではなくて、地域社会を一緒に担っていくということでは、商店会の加入についてなんですね。それで、先ほど御紹介いたしました、すごく努力していらっしゃる商店会長が何度も足を運んで、やっと入っていただいたとか、そういう例もありますけれども、ほとんどが本部の許可がないのでというので断られているという状況が多いです。そういったときに、商店会長は市の後押しがあればということをおっしゃっていました。市も街路灯の補助をしているということもありますので、そういうようなことについては、市が商店会の加入について何か後押しをするというようなお考えはないんでしょうか、その辺をお伺いしたいと思います。

 それから、傷病手当、出産手当の、これは業者の方々の切実な要求なんですけれども、当時、厚生省だったんですけれども、交渉したときも、当初は予算がないとか、休んだことをどうやって認定できるのかとか、そういう冷たい回答だったんですけれども、交渉を重ねるにつれて、給付内容として考えなければならないと回答するまでに至ってきているんですね。そういうことでは、今の業者の方々の状況というのをぜひ知っていただいて、こういうようなことが実施できないかというようなことは、今後も試算も含めて研究していただきたいというふうに思っています。

◯市 長(邑上守正君)  商店会への未加入の問題もありますが、資料を見ますと、例えば吉祥寺地区で申しますと、未加入店の割合から言いますと、チェーン店はその中で8%、チェーン店以外が92%ということで、実は未加入の店はチェーン店以外の店が非常に多いという現状であります。しかし、商店会に加入するというのはさまざまな利点がありますので、市としてどのような支援が可能なのか、今後とも研究していきたいなというふうに思います。
                               
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