●一般質問「後期高齢者医療制度等について」(2007年12月6日) 橋本しげき
◯3 番(橋本しげき君)  今回、私は、後期高齢者医療制度について、国保税の負担軽減策についての大きく2点の質問をいたします。

 まず、大きな1点目に後期高齢者医療制度についてです。自公政権が強行した医療改悪法により、来年4月、後期高齢者医療制度が導入されようとしています。75歳以上の方を後期高齢者と呼んで、今加入している医療保険を脱退させ、他の世代から切り離してしまうということと、際限のない負担増と差別医療を押しつけることに対して大きな怒りが広がっています。9月議会で日本共産党の梶 雅子議員が後期高齢者医療制度について一般質問を行いましたが、保険料の確定など、ますます大きな問題となってきているこの間の新しい情勢を踏まえ、質問をいたします。

 そもそも75歳以上の高齢者への保健医療を制限し、医療費の抑制を図るのがこの制度を導入した政府のねらいです。しかも、保険料額は2年ごとに改定され、医療費の増加や後期高齢者の人口増に応じて自動的に引き上がる仕組みとなっています。高齢者が病院にかかればかかるほど医療費はかかり、保険料にはね返ります。保険料の値上げが嫌なら受ける医療を制限せよというのが政府の言い分です。

 さらに、後期高齢者が払う保険料は10%という財源割合でスタートしますが、後期高齢者の人口比率が増加するのに応じて財源割合が自動的に引き上がります。そのため、政府の試算では、1人当たりの医療費が全くふえなくても平均保険料が制度導入時よりも2015年にはさらに3,700円、2025年にはさらに2万1,500円、2035年にはさらに3万4,200円も自動的に引き上がります。保険料は介護保険料とあわせ、年金天引きでの徴収です。さらに、後期高齢者医療制度の導入に便乗し、65歳から74歳の方の国保税も年金天引きとなります。現在サラリーマンの被扶養者として健保に加入している方も、新制度に移行後は保険料が徴収されます。

 また、過酷な保険料招集の一方で、保険で受けられる医療の内容も差別、制限されようとしています。後期高齢者医療制度では、後期高齢者と74歳以下の方は診療報酬が、つまり医療の値段が別立てとなります。今検討されているのは、後期高齢者については、保険がきく医療は包括払い、つまり定額制といって、一月当たりの上限が決められてしまうことです。そうなると、後期高齢者に手厚い治療を行えば、病院の持ち出しがふえて赤字となり、医療内容を制限せざるを得なくなります。つまり診療の回数や薬が制限される、診療科のかけ持ちが難しくなる、手術や入院も貧しい医療しか受けられなくなる、終末期の患者は病院を追い出すなどが検討されているのです。過剰な延命を治療を行わないという誓約書をとったり、終末期の患者に在宅死を選択させて退院させた場合には、病院への診療報酬を加算し、一層の病院追い出しを進めようというのです。人はだれでも年をとります。若いころは元気でも、高齢になればいろいろな病気が出てきます。そういう高齢者を別立ての医療保険とすることには何の道理もありません。ヨーロッパ諸国など、国民皆保険が確立している国の中で、年齢で被保険者を切り離し、保険料や医療内容に格差をつけている国はありません。しかも、この後期高齢者医療制度は、元厚生労働省幹部やメディアなどがうば捨て山と呼ぶように、医療費がかかるといって高齢者を邪魔者扱いし、暮らしも健康も破壊する最悪の制度です。

 今、後期高齢者医療制度の中身が知られてくる中で、高齢者、国民、自治体、地方議会、医療関係者などから一斉に批判の声がわき起こっています。福田自公政権も、現行制度で、健保の扶養家族の方から新たに保険料を徴収することを半年程度延期する、70歳から74歳の方の医療費窓口負担を2倍に値上げすることを1年程度延期するなど、医療改悪の一部凍結を言い出さざるを得なくなっています。これは制度の破綻をみずから認めたものにほかなりません。

 しかし、政府・与党の方針は、対象となっている高齢者の一部の方の負担増をほんの少し延期するだけで、凍結とは名ばかりのものにすぎません。日本共産党は、世界にも例のない年齢差別の医療制度を中止、撤回すべきと考えます。そして、後期高齢者医療制度に危惧を抱き、見直しを求めるすべての政党、自治体関係者、高齢者団体、医療関係者などに制度の4月実施を中止に追い込む一点での共同を呼びかけています。そのために全力を挙げます。

 日本の総医療費はGDPの8%、サミット参加7カ国で最下位です。政府が国民の命と健康を守る責任を果たし、歳入歳出の改革で財源を確保するならば、公的医療保障を拡充し、高齢化や医療技術の進歩にふさわしい規模に充実することは可能です。

 小泉内閣以来、社会保障予算の自然増さえ認めず、2002年度には3,000億円、2003年度から2007年度までは毎年2,200億円ずつ削減し、既に年間1兆4,000億円が削減されました。その結果、医療、年金、介護など、社会保障のあらゆる分野で負担増と給付削減が押しつけられ、社会保障から排除される多くの人々を生み出し、国民の暮らしを圧迫し、不安を広げています。こういうやり方はもう限界です。

 以上を踏まえ、後期高齢者医療制度について、市長の見解と武蔵野市での対応について、以下の質問をいたします。

 1つ目の質問は、保険料の軽減についてです。11月20日、東京都後期高齢者医療広域連合議会は、保険料を定める条例を日本共産党の議員だけが反対する中で、賛成多数で可決しました。8月末に東京都の広域連合議会が公表した試算で、平均額15万5,000円と示された保険料は、住民の世論と運動、市長会などの努力もあり、11月20日の東京都の広域連合議会が決めた条例で、保険料は平均額10万2,900円となりました。これは区市町村の一般財源投入という、他の道府県にない特別の措置をとった結果です。しかし、今回決めた保険料は、高齢者の生活への負担を大きくふやすものとなっています。

 第1に、現在の武蔵野市の国民健康保険税に比べて負担増になる世帯が多く出ることです。11月27日の全員協議会で市から資料が示されましたが、収入がかなり多い方の保険料が下がる一方で、収入の少ない単身者は負担増となります。夫婦世帯の場合、1.8倍もの負担増になるケースもあります。一番所得の低い世帯でも1,000円負担がふえます。

 第2に、区市町村からの一般財源投入の特別対策は2年限りとされており、2年後には急激な保険料の値上げとなってしまうことです。小泉、安倍内閣の6年間、高齢者は所得税、住民税の増税、国保税、介護保険料の値上げ、医療の窓口負担引き上げなど、相次ぐ負担増に悲鳴を上げてきました。高齢者は年金が上がらないのに介護保険、医療費の負担増などで生活がどんどん厳しくなっています。その上、保険料の負担増は深刻です。私も後期高齢者医療制度の中止、撤回を求める請願署名を持って市民の皆さんのお話を伺いますと、年をとったら病院に行くなということなのか、年寄りは死ねというのか、こういう怒りの声が本当によく聞かれます。

 また、11月28、29日、12月1日に市民に対する市の説明会が行われましたが、その会場では、今こんなに負担増になっているのに新たにまた負担増になる、これではもうやっていけない、何とかしてほしい、こういうような切実な声が出されておりました。市長は説明会にも出席をされておりますので、直接こういう声を聞いていると思います。この切実な市民の声に市としてもこたえていくことが必要ではないでしょうか。保険料が現行の国保税を超えることのないよう、低所得者及び夫婦世帯の保険料を軽減する必要があります。特別対策が2年で終わった後に、急激に保険料が上がることのないようにすることも含めて、保険料の軽減のために国や都に財政支援をさらに一層求めてください。それが実現しない場合、市として対応を考えてください。市長の不退転の決意を伺いたいと思います。

 2つ目の質問です。今度の3月で老人保健法が廃止され、禁じられていた保険証の取り上げ、資格証の発行が可能となります。年金が月1万5,000万円未満の方などは窓口納付となりますが、保険料を滞納したら保険証を取り上げられ、資格証が発行されます。保険証が取り上げられ資格証が発行されると、病院にかかったときに、患者は窓口で一たんかかった医療費を全額支払わなければならなくなります。保険料が払えないほど生活に困っている方が、窓口で医療費を全額払うということは大変厳しいことです。実際、資格証の発行を行っている自治体では、保険証が取り上げられると、よほどのことがないと自宅で我慢し、重症化してから病院に行き、手遅れになってしまうという悲劇が起きています。現行の老人保健制度では、75歳以上の高齢者は、国の公費負担医療を受けている被爆者や障害者の方と同じく保険証取り上げが禁止されています。医療を奪われたら直ちに命にかかわるからです。武蔵野市では、保険証の取り上げ、資格証の発行については、これまでと同様に行わないことを求めます。

 3つ目の質問です。全員協議会での説明で、健診や葬祭事業については水準を維持するとの表明がありましたが、その姿勢を貫くとともに、後期高齢者医療制度で自己負担500円と有料化される健診事業については、武蔵野市では希望者全員に無料で受けられるようにすることを求めます。

 4つ目の質問です。市民はこの制度自体をまだよく知りません。先日行われた説明会でも、市民はまだ制度を知らない、説明会をもっとやってほしい、こういう声が出されています。3月の市報に掲載するとのことですが、できるだけ早く市報やポスターで広く知らせることや、情勢の変化に即して後期高齢者医療制度の説明会開催を随時行うことを求めます。また、該当者への通知を年内に行うことを求めます。

 5つ目の質問ですが、医療の中身も75歳以上は別になります。医療内容の制限などの改悪をさせないよう国に要求していくことを求めます。

 6つ目の質問ですが、そもそもこのように高齢者に負担の多い後期高齢者医療制度の導入を市長はどのように考えますか。明確な見解を伺います。

 7つ目の質問ですが、以上のように問題の多い後期高齢者医療制度については、制度の改善、一部凍結だけではなく、制度そのものを中止、撤回するように国や都に意見を挙げるように求めます。

 そして大きな2点目の質問ですが、国保税の負担軽減策についてです。老年者控除の廃止、公的年金等控除の縮小と負担増が高齢者の生活を襲っています。その上、従来、65歳以上で所得が125万円以下の方は住民税が非課税でしたが、2006年度からこの規定が廃止されました。ただし、1940年1月2日以前の生まれの方で所得が125万円以下の方は、2006年度は税額の3分の1、2007年度は3分の2とする経過措置が設けられていますが、この経過措置も来年度からはなくなります。

 一方、三位一体改革による財源移譲で、市民税の所得割額が6%に統一されたため、今まで課税所得200万円以下の方は3%から6%に、倍の税率となりました。市民税の所得割額は国保税の所得割額と連動するために、定率減税の廃止も加わって、国保税の大幅増税としてはね返っています。武蔵野市は国保税の所得割額が市民税の所得割額の100分の195となっているのを、2007年度と2008年度は100分の175、2009年度は100分の185とする激変緩和措置をとりました。この措置をとったことは高く評価したいと思います。しかし、この措置をとった初年度のことしも国保税は増税となっています。2008年度は所得125万円以下の方の非課税の経過措置がなくなりますので、今年度に比べて市民税の所得割額が1.5倍になります。それに連動して、国保税の所得割額も1.5倍になります。2009年度には国保税の激変緩和措置が100分の175から100分の185になりますので、国保税がさらにふえます。2010年度には国保税の激変緩和措置自体がなくなり、一層大幅な増税となります。

 このように、高齢者は収入がふえないのに今後さらに3年連続で国保税はふえ続けることになります。市長は、9月議会での日本共産党の梶議員への答弁で、激変緩和措置については当面その推移を見守るとして、激変緩和措置の延長は現時点では考えていないとのことでした。しかし、これからもふえ続ける国保税について、市として緊急に何らかの軽減策を講じるべきだと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。

 以上、大きく2点について市長の答弁を求めまして、私の一般質問を終わります。

◯市 長(邑上守正君)
  それでは、橋本しげき議員の御質問にお答えしてまいります。

 大きくは後期高齢者医療制度、それから国保税の負担軽減策についてということでございまして、来年4月運用スタートを予定しております後期高齢者医療制度につきましては、なかなか課題が大きいと私も認識をしてございますが、市民の方にはその制度の内容を早期に知っていただきたく、先週来、御説明の会を設けさせていただいております。まだ完全に詳細が決まっていない部分もございますが、今、市が把握している範囲の中で御説明をしてまいりました。確かにその会場では、特に、保険料が一体どうなるのか、国保税と比べてどうなるのかというような具体的な心配を寄せられる声が多々ありました。モデル数値のみの御説明でしたので、個別でどうなるかまだわからない面もございますが、今後、各皆さんが基準に基づいて算定をされて、おおむねその額が把握されると思いますけれども、その中でまたいろいろな声が寄せられてくるのではないかなというふうに思っております。しかし、運用する側としては、これからも丁寧に説明をして理解を求めていくというのは市民に対して必要でございますし、先ほど来いろいろ言われておられますけれども、特に私としては、低所得者層への軽減策というものが大きな課題ではないかなというふうに思っておりますので、市長会を通じて東京都に直接要望を進めておりますが、さらに強い要望を重ねていきたいなというふうに思っております。

 まず1点目の保険料のさらなる軽減のためということで、今もお答えをしましたけれども、市長会として、11月1日に厚生労働省に対しまして、また11月19日に東京都に対しまして財政支援を求める緊急要望を行っております。東京都からは財政支援を受けられるかどうかについては、来年1月の東京都予算編成における知事査定を待たなければならない状況という回答でございます。知事査定の結果、都の財政支援が受けられなかった場合は、広域連合を構成する62市区町村がさらに一般財源を投入しなければならないといったようなことも想定されます。その場合の一般財源の追加投入の是非については広域連合協議会で判断し、来年2月上旬に予定されている広域連合議会定例会に提案することになります。そこまでならないように、東京都においてしっかりとした財政支援をしていただくよう、この間強く要望を続けたいというふうに思っております。

 2点目の資格証の件でございますが、被保険者間の公平性と制度の安定確保の観点から、特別な事情なく保険料を滞納した者には、規定に基づき、広域連合が資格証明書を発行し、保険給付は償還払いにより給付することになるということでございますが、ただし、東京都広域連合は、市区町村及び広域連合に交付審査委員会を設けることなどによりまして、交付基準に基づき厳格かつ慎重な運用を行い、機械的に発行することがないよう対応するというふうにしていっております。本市におきましても、市に設置される予定の交付審査委員会において、厳格、かつ、より慎重な運用を行うことに努めていきたいと、このように考えます。

 続いて、健診事業の自己負担500円の件でございますが、自己負担500円につきましては、市としましては、新たな制度としてそれを補助し、市民の受診料を無料とすることにしたいと考えております。

 4点目の該当者への周知等につきましては、先ほども御案内しましたが、既に市報10月1日号に掲載をしておりますが、さらにその後3回にわたって市民説明会を開催して現時点での情報をお知らせしたところでございます。今後も引き続き制度の詳細が決定次第、随時、市報等への掲載及び説明会の開催を行っていきたいというふうに考えます。該当者への通知につきましては、来年2月ごろに行う予定でございます。もう少し制度の詳細が決まった時点というふうに判断しておりますので、年内の通知については予定はございません。

 医療内容の制限などの改悪をさせないようにということでございますが、これは当然のことでございまして、医療給付については、他の医療保険と同様の給付内容でございますが、後期高齢者が安心して医療を受けられる制度を維持するよう、市長会等を通して国等に意見具申をしていきたいと、このように思います。

 6点目の本制度についてどのように考えているかということでございますが、制度というのは国で定まったものを運用するという立場でございますので、今からこの制度を廃止、中止というようなことを言う予定はございませんが、しかし、今までのこの経過を見ますと、なかなか課題もあるというふうに認識をしております。老人医療費が増大する中で現役世代と高齢者世代の負担を明確にし、公平でわかりやすい制度としようということで、今回の後期高齢者医療制度が登場したということでございますが、それは国民皆保険を堅持しつつ、何とか持続可能な制度を構築しようという、その辺の意図はわからなくもありませんが、これがベストであるかについては、ベストではないというふうに私も感じている次第でございます。では、どういう制度がいいかというのは、なかなかこれはまだ私の考えも定まらない点もございますが、ただ、課題としましては、医療費の適正化という財政面がかなり優先をされている制度なのかなというふうに思っております。高齢者の健康確保だとか、積極的な医療提供といった点がやや後回しになっているのではないかなというふうに危惧をしております。また、後期高齢者というと、これは立場の弱い人の集まりでございますので、比較的弱い立場の人、経済的にも、あるいは体力的にも弱い方が多くいらっしゃる世代を集められるということは甚だバランスに欠けた制度なのかもしれません。結果として、今回は行政の負担もふえてまいります。保険料も一部の人の負担がふえるという結果となっております。現時点でどういう制度がいいかということはちょっとわかりませんが、幾つかの複雑な制度を構築するのではなくて、例えば一つ一元化をすると、保険は一元化するというような取り組みも今後考えられてもいいのかなというふうに思っております。ただし、いずれにしましても、制度につきましては、4月の運用というのを目指しておりますので、制度のさまざまな改善に関する意見具申はしてまいりますが、制度そのものの中止、撤回をするようなつもりは現時点ではございません。

 次に、大きなお尋ねで、国保税の負担軽減策ということでございますが、既に御案内のとおり、ことしから国保税の激変緩和策を導入しております。これについては他市の例もなかなかないので、この取り組みについては予定通り進めていきたいというふうに思っておりますが、高齢者だけに限った軽減策というのはなかなか難しいのではないかなというふうに思っております。地方税法の規定によりまして、所得階層ごとに異なる税率を設定することはできません。また、保険税であることから、年齢を基準とした負担軽減策を講じることはできないというふうに理解をしております。ただし、低所得者の負担軽減策につきましては、地方税法施行令の規定によりまして、均等割額を6割または4割軽減する措置を講じておりまして、この運用に努めていきたいというふうに思っております。さらに、来年度の国保税につきましては、例えば後期高齢者医療制度への現役世代の支援として、新たに後期高齢者支援額分を賦課することになりますけれども、これについては低所得者への影響に配慮をして、基礎課税額分及び介護納付金課税額分とあわせた均等割額が前年度よりふえないような方向で何とか保険料率を設定するよう検討していきたいというふうに思っております。いずれにしましても、この間の制度改革によりまして、一部の低所得者の皆さんの負担増という現象は私も認識しておりますので、軽減策については、今言いました軽減策の実現に向けて努力をしていきたいなというふうに思っております。

 以上でございます。

◯3 番(橋本しげき君)
  後期高齢者医療制度については、東京都の広域連合の議会でも非常にいろいろ意見が出たというふうに聞いております。介護保険を導入したときにも非常に大きな問題といいますか、あったわけですけれども、今回は75歳以上の方だけを別立てにして切り離してしまうというやり方自体が、本当に世界でも例のないやり方で、しかも、その医療の中身も75歳以上は、厚生労働省も言っていますけれども、診療報酬を別立てにするんだということで、中身も差別していくという、本当に格差を広げていくやり方というふうに私も思っています。武蔵野市でも9月の議会で意見書が全会一致で上がりましたけれども、東京都内の区市町村の過半数の議会で意見書がいずれも全会一致で上がっているという非常に大きなそういう広がりが出てきております。

 最初の1番目の質問で、保険料の軽減についてですけれども、これは都に対して求めている財政支援、1月に知事査定でわかるということなんですが、それは今後の話ですので、どうなるかということはありますけれども、ぜひ武蔵野市としても、都の対応も受けてということになると思いますけれども、さらに一層、これはぜひ真剣に保険料の軽減を考えていただきたいと思っているんです。私、この保険料の問題では、これからどんどん上げられていくという仕組みが、既に持ち込まれているというのが非常な問題だと思っているわけです。特に来年の4月からこの制度が始まった場合に、その2年後、2010年になりますけれども、2010年には保険料が極端にといいますか、非常に上がる仕組みになっていると思います。保険料自体が2年ごとの見直しということになっていますので、2年後にまた見直して上げられる。それから、低所得者対策の期限が2年に限るということになっていますから、それも切れてしまう。それから、特別対策というのが4項目ありまして、それも期限切れになってしまうということで、2年後にはかなりの負担増になるんじゃないかというふうに思います。もちろん、そういう負担増をさせないということをこれからやっていかなきゃいけないと思うんですが、そういうちょっと長いスパンも含めて、ぜひ保険料の問題についても軽減策を今後とも求めていただきたいと思いますので、その決意を伺っておきたいと思います。

 それから、2番目に保険証の取り上げ、資格証発行ですが、これは機械的には発行することのないようにということで、厳格かつ慎重な運用を行っていくという、今の答弁でした。これは、私としては、保険証の取り上げはしないということをぜひ明言していただきたいと思っているんです。いろいろな自治体で議論を聞いていますと、ほかの自治体では、保険証の取り上げはやりませんというふうに明言しているところも既にあります。ですから、武蔵野市でも、これはぜひ、今までどおり武蔵野市でやってきたやり方で保険証の取り上げはやらないんだということをぜひ言っていただきたいと思うんですが、これも御答弁いただきたいと思います。

 それから、3つ目に健診、葬祭事業ですが、500円の75歳以上の方への負担はさせないと、無料にするという御答弁でしたので、これは非常にいいことだと思います。中身についても、これはぜひ、全員協議会であったように、維持するという方向でやっていただきたいというのを確認しておきたいんですけれども、それも確認の答弁をいただきたいんですが、あと、全員協議会で出された説明の中で、75歳以上の健診は現在とほぼ同様の内容になるというふうに説明の資料があったんですが、ほぼ同様というのはどういう意味なのか、健診の中身の水準を下げないという観点ですけれども、質問したいと思いますので、お答えください。

 それから、4番目に広報の問題ですが、これは制度がまだ未確定の部分が多くありますので、もちろん言えること、言えないことあると思いますが、これはぜひ、今答弁にもあったように、できるだけ多い機会を設けてやっていただきたいと思います。広域連合自身が行った調査でも、7割の人が広域連合の存在自体を知らないというふうに答えておりますし、それから、私がいろいろな方と、市民の方の話を聞いたり、話をしたりしていましても、わかっている方はもちろんたくさんいらっしゃいますが、制度が変わるのかというぐらいで、中身がどう変わるのかというのはよく知らないという方もまだ多くいらっしゃいます。4月になって初めて保険料が年金から天引きになって、これは大変だということになる可能性もあると思いますので、これはぜひ周知徹底というのはやっていくということを、私は年内にというふうに質問では求めていたんですが、2月に該当者には通知するということですが、これはできるだけ早くやっていただきたいということを強く求めておきます。

 それから、5番目の医療内容の改悪については、これは議会、市長会を通じて国に言っていくということで、中身を改悪させないのは当然だという御答弁がありましたので、これはそういうことで求めていっていただきたいと思いますが、今、医療内容の改悪、それから健診の問題もそうなんですが、今度はメタボリックシンドローム対策だということで、非常に健診の中身も変わっていく。武蔵野市は現状維持するということだと思いますが、しかし、国の制度としては変わっていくということで、これは後期高齢者医療制度とあわせて大変な問題になっていくと思うんですよね。つまり、私の聞いているところでは、要するに保険料を値上げしていく仕組みも導入されていくんですけれども、例えばメタボリックの人をなるべく採用しないようにするとか、そういう企業も出てきているというんですね。私、それは本当にひどい話だと思うんですけれども、だからそういう流れをつくっていくような制度自体が私は大問題だと思っていて、もう後期高齢者医療制度に限らず、医療の中身自体を変質させていくことがどんどんやられようとしているということですので、改悪についてはぜひしないということを、それは今後もお願いしたいと思います。そもそも、先ほど市長が、これはベストではないと、後期高齢者医療制度について答弁がありました。それから、非常にバランスに欠けた制度であるとか、保険料の問題、それから財政面が優先していて高齢者の実態は後回しになっているんじゃないかという、そういう御答弁がありまして、これは私も同じ気持ちです。ですから、そういう制度は、私としては、決まったから仕方ないということではなくして、ぜひ中止、撤回を求めていくという必要はあると思っていますので、そのあたりの、市長はその予定はないということですが、決意を改めて伺いたいと思っているんです。

 それから、大きな2点目の国保税の負担軽減策なんですが、これは本当に、先ほど私、檀上からも申し上げたように、さらに毎年上がっていく仕組みになっているんですよね。武蔵野市の場合には激変緩和措置をやったというのは非常に大事なことで、これは評価しているんですが、そのもとでも国の制度が非常に改悪されているということがあって上がっていく。実際、市民の方の話を聞いても、これは国保税も、それから市民税も市長名で名前がいきますから、武蔵野市が変えたんじゃないかというような、そういう誤解もあったりする。これは国の制度なんですよという御説明をするんですけれども。ですから、今後、これはまさに緊急の対策だと思っていますので、来年、再来年、その次も上がっていくわけですから、これはぜひ国保税の負担軽減策は、これは本当に大切な問題で、低所得者対策は、先ほども答弁ありましたけれども、これは絶対にやっていくんだということで、市長の決意を伺いたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、幾つかの決意を申し上げます。

 まずは、後期高齢者医療制度自体の軽減策については、東京都にはかなり強い要望をしておりまして、市長会としては結構期待をしているところもございます。額については定かでございませんが、何らかの支援があるというふうに私どもは大きく期待をしているところでございます。しかし、今回の軽減策だけではなくて、やはり今後の制度運用に当たっては、数年後の姿というのも想定しなければいけませんので、それについてはまだ具体的な議論が上がっておりませんが、課題を認識して、今後さまざまな課題については連合、あるいは東京都に要望していきたいなというふうに思っております。

 それから、資格証については、機械的に取り上げるようなことは決してないというふうに私は思っておりますけれども、制度でございますので、慎重な対応をするということで対応していきたいというふうに思っております。

 それから、75歳以上の健診の内容につきましては、ほぼというのは、まだ確定をしてございませんが、今までと同じような内容をしていくというようなことで御理解をいただきたいなというふうに思っております。また詳細が決まり次第、これについては御案内を差し上げたいというふうに思っております。広報についても引き続き市民の皆さんが御理解いただくような形でさまざまな工夫を重ねていきたいというふうに思っております。

 それから、制度につきましては、今申し上げましたとおり、4月の運用ということが大きく私どもの責任にもございますので、運用を目指していくということでございますので、現時点では、制度の撤回等につきましては意見具申をする予定はございません。

 国保税の負担軽減につきましても、現在の取り組みを進めていくと同時に、来年度の取り組みについて今検討しておりますので、それについて鋭意努力をして実現をしていきたいなというふうに思っております。

◯3 番(橋本しげき君)  保険証の取り上げについては、ぜひやらないという、まだ慎重な対応という段階なのかもしれませんけれども、ぜひやらないということで、今までどおりの対応をするということをお願いしたいと思います。

 あと、本当に所得の低い人に負担がかなりのしかかっていくということがこれからも続いていく。特に後期高齢者医療制度については、人はだれでも年をとるわけですね。私もあと40年たてば後期高齢者になるということになりますから、もうだれでもなるということなので、だから、これは人ごとではないし、全国民的な課題なんだということを、ぜひこれも市長にこれからも頑張っていただきたいと思います。

○議 長(近藤和義君)  要望でよろしいですね。

○3 番(橋本しげき君)  はい。
                               
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