●一般質問「介護保険等について」(2008年12月4日) 橋本しげき
◯3 番(橋本しげき君)  今回、私は、介護保険について、周産期医療について、定額給付金問題についての大きく3点の質問をいたします。昨日、他の議員から関連する質問もありましたが、よろしく御答弁ください。

 まず、大きな1点目に、介護保険についてです。

 3年ごとに行われる介護保険の見直しが来年度に予定されています。11月には、武蔵野市健康福祉総合計画中間のまとめ、以下中間まとめと呼びますが、これが出されました。明日12月5日までパブリックコメントが行われています。私は、この中間まとめの中の介護保険事業計画について質問いたします。

 この間、私は介護保険を利用されている方のお話を伺ってきました。Aさんは老老介護で、年老いた母親を80歳代の女性が介護しています。母親は要介護度5で、平日は介護保険を使ってヘルパーの方が4時間来ます。本人は要支援で、週2回、1回1時間半のヘルパーの方が来ます。4時間のヘルパーだけでは介護できないので、夜は週2回、家政婦を21時から翌朝9時まで頼んでいます。週末も別の業者にヘルパーを頼んでいます。母親の福祉年金は年40万円で、本人の老齢年金は年82万円です。介護のために2人分で月14万円もかかるので、年168万円にもなります。年金収入は、すべて介護保険に消えてしまいます。生活費には1円も残りません。貯金を取り崩し、息子からの援助で何とか費用を工面して暮らしている状況です。

 次に、Bさんの例ですが、Bさんは年金が月12万円です。家賃や光熱水費、食費などを支払うと、ほとんどお金が残りません。要介護度2で、介護利用料を月1,300円払っていますが、5%助成の適用を受け、半額の650円を助成してもらっています。わずかな年金で暮らしている状況なので、介護利用料の5%助成が大変助かっており、なくなると本当に困ると言っていました。ヘルパーの方に週1回、1時間半来てもらっていますが、部屋の掃除も掃除機をかけることはしてくれるけれども、窓ふきはしてくれないなど、介護保険でできることが限られていて使いづらいと話しておりました。

 このような例は、あちこちにたくさんあると思います。国の制度がどんどん悪くなる中で、自治体が地方自治法第1条の2にあるように、住民の福祉の増進を図るという自治体本来の役割を今こそ発揮すべきだと思います。そこで、以下の質問をいたします。

 1つ目の質問です。市長は、以前行っていた介護保険の利用料の7%助成と、現在行っている5%助成について、どのような意義があった、またはあると考えていますか、また必要性をどのように認識していますか、見解を伺います。

 2つ目の質問です。中間まとめにも書かれているように、介護保険利用料の5%助成の制度が今年度で終了することとされています。11月23日には、この中間まとめについての市民意見交換会がありました。健康福祉総合計画の策定委員になっている市民委員の方は、策定委員会で5%助成の継続を強く申し上げた。これは介護保険のサービス低下につながる問題だと発言しておりました。他の委員の方も、介護保険の制度はもともと低所得者対策ができていないと述べていました。この5%助成の制度は、低所得者対策として本当になくてはならない制度だと思います。来年度以降もこの5%助成制度を継続させることはもちろんのこと、低所得者等に対する利用料助成のサービス対象の拡大や、収入要件を緩和することなど、低所得者対策を充実させていくことを求めます。見解を伺います。

 3つ目の質問です。2005年の介護保険制度改定により、通所系サービスの調理コスト相当分が保険対象外となりました。そこで、武蔵野市では、通所介護事業所、通所リハビリ事業所、認知症対応型通所介護事業所に対して、1食当たり200円の食事助成を行ってきましたが、これも今年度末で終了するとされています。市内のある事業所にお話を伺ったところ、平均1食当たり1,000円以上かかっているため、200円の補助をいただいても赤字となっています。今後補助がなくなれば、利用者への負担分を値上げするしかありませんと述べていました。また別の事業所では、200円の補助がなくなれば事業所と利用者が100円ずつ負担することを考えているが、ますます赤字になり、大変困ると述べておりました。現場の実態は、非常に大変だと思います。そこで、この200円の食事助成を来年度以降も継続させることを求めます。見解を伺います。

 4つ目の質問です。中間まとめの123ページでは、来年度の介護保険料について3パターン検討されています。パターン1は、最小限の施設整備を行うとして、現行の居宅サービス水準を維持するなどとし、保険料基準額を現在とほぼ同様の月額4,700円から4,900円程度としています。パターン2では、社会状況の変化に対応して一定の施設整備を行うとして、現行の居宅サービス水準を維持・拡充するなどとし、保険料基準額を現在より高い月額4,800円から5,000円程度としています。パターン3は、施設整備を積極的に行うとして、保険料の基準額をさらに高い月額4,900円から5,100円程度としています。今、各自治体で介護保険料の引き下げの方向が示されつつある中で、武蔵野市としては、ここに示されている3つのパターンのうち、どういうふうにしようと考えているのでしょうか、見解を伺います。

 5つ目の質問です。2億6,000万円見込まれている介護給付費準備基金の活用と一般会計からの繰入金をふやすなどして、介護保険料基準額の値上げを行わないことを求めます。特に暮らしが大変な中、保険料を下げることを求めます。見解を伺います。

 6つ目の質問です。介護保険料について、以下の低所得者対策を行うことを求めます。見解を伺います。1つは、現在示されている介護保険法施行令改正案をもとにして、現行の第4段階、これは住民税世帯課税で本人非課税の方ですが、この段階に属する方のうち、年所得80万円以下の方の保険料を軽減するために第4段階を細分化することを考えているか伺います。もう1つは、物価が上がる中、最も保険料が低い第1段階の2万3,200円でも高いという声が寄せられていますが、多摩26市中、19市が既に行っている低所得者に対する保険料の市独自の減額措置を行うことを改めて求めます。

 7つ目の質問です。介護保険料は最高が10段階で、対象が市民税課税で合計所得金額1,000万円以上の方になっています。低所得者の保険料を引き下げるために、所得の高い層、例えば年収所得1,500万円以上とか2,000万円以上などの方に対し、保険料の賦課を求める多段階を検討化すべきだと考えますが、見解を伺います。

 8つ目の質問です。中間まとめ60ページに掲載されている要支援・要介護高齢者実態調査の結果によると、介護サービス未利用者の理由の中に、手続の仕方がわからないから4.7%、特別養護老人ホーム等に空きがないから2.6%、利用者負担の費用が大きいから2.6%、送迎サービスがないから1.7%など、いわゆる介護難民とも言うべき方々がいます。こうした市民の方々への対策は考えていますか、見解を伺います。

 9つ目の質問です。政府・与党は、人材確保等のために介護報酬の3%引き上げと介護労働者の給与月2万円アップを打ち出しました。しかし、厚生労働省は、事業所と職員の条件はさまざまだ。給与が一律に一定金額上がるわけではないと述べており、この月2万円アップというのは全介護労働者に行き渡る裏づけがありません。介護報酬がきちんと介護労働者の給与に反映されるように、市が保険者として事業所を監督・指導する考えはありますか、見解を伺います。

 以上、もともと社会で介護を支えるというのが介護保険の理念でしたが、必要な人が必要な介護を受ける上で全く不十分な制度になっています。これでは、保険料を払っても介護保険が利用できないという保険あって介護なしの実態が一層激化し、介護が根底から破壊されかねません。保険料や利用料が高い要因は、介護への国庫負担を50%から今の25%に引き下げてきたことにあり、国の責任は重大だと思います。国庫負担を計画的に50%に引き上げることを目標に、直ちに30%にし、減免制度、介護・福祉労働者の労働条件の改善、必要なサービスが受けられるようにすることなどを実現すべきだと思います。国に対して国庫負担を引き上げることを求めるとともに、市としても手だてを講じる必要があります。日本共産党は、だれもが人間らしく安心して暮らせるように、よりよい介護制度の実現のために力を尽くしていきたいと思います。

 次に、大きな2点目に、周産期医療についてです。

 脳出血を起こした妊婦の方が、ことし9月に杏林大学病院や武蔵野赤十字病院など都内の6病院から受け入れを拒否されました。武蔵野赤十字病院は、産婦人科の当直医は1人しかおりません。報道によると、武蔵野赤十字病院の院長は、帝王切開の手術が終わった直後に出産患者が緊急入院して受け入れが困難だったと述べております。救急搬送の妊婦の方を受け入れられない事態の背景に、医師の不足や新生児集中治療室、NICUの不足などがあります。市民が安心して出産できる医療体制の確立のために、市としてもできる支援を行う必要があると考えます。市と武蔵野赤十字病院で協議の場を設け、市として武蔵野赤十字病院に財政的支援も含め、必要な支援をすることを求めます。市長の見解を伺います。

 最後に、大きな3点目に、定額給付金の問題についてです。

 麻生首相は、10月30日に2兆円規模の定額給付金の給付を行うと表明した一方で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと明言しました。これまで構造改革の名のもとに年間13兆円もの負担増を国民に押しつけながら、2兆円の1回限りの給付金で免罪してくれというのは、余りにも都合がいい話ではないでしょうか。マスメディアからも、これは究極のばらまきだ。票を金で買う手法と見られてもやむを得ないなどと指摘されています。しかも3年後の消費税増税とセットですから、まさにばらまきは一瞬、増税は一生、これでは暮らしの安心にも景気対策にもならないと言わなければなりません。

 そこで質問をいたします。市区町村に定額給付金の支給方法を丸投げするやり方に対して、全国の多くの自治体から大きな批判が上がり、混乱が起こっています。この自治体丸投げの迷走ぶりは、結局この政策が国民経済をまじめに考えて出されたものではなく、選挙対策という党略的な発想から生まれたものであることを証明していると思います。日本共産党は、この定額給付金の白紙撤回を求めています。今、自治体に混乱を引き起こしている、この問題に対する市長の見解を伺います。

 もう1つは、消費税増税の問題です。この問題については質問通告をいたしましたが、総務委員会に同趣旨の陳情が付託されましたので、この場では意見表明にとどめておきたいと思います。今、暮らしが大変なときに、所得が低い方ほど負担の重い逆進的な消費税を増税すれば、貧困と格差の拡大、消費の減退、地域経済のさらなる悪化が起こります。麻生首相の言うように、消費税率が今の5%から倍の10%になれば、4人家族で16万円もの増税となります。大企業・大資産家に対しては、この間、年間7兆円もの大減税を行いながら、国民には大増税を押しつけるというのは許せません。大企業・大資産家への行き過ぎた優遇減税をもとに戻せば、消費税増税をしなくても7兆円の社会保障の財源が生まれます。

 ところで、今回の景気後退に対して、ヨーロッパ各国はどのように対応しようとしているでしょうか。欧州連合、EUの執行機関である欧州委員会は、11月26日、金融危機と景気後退に対応するため、EU各国に消費税減税を勧告する内容を含む欧州経済回復計画を発表しました。このEU勧告に前後して、イギリス政府は11月24日、消費税──イギリスは付加価値税ですが、この税率を2.5%下げることを発表しました。ダーリング財務大臣は、消費税減税について、全員を支援する最良で最も公平な方策。商品とサービスを安くし、消費を促進し、成長を刺激すると述べています。EUが消費税減税に踏み込んだことは、この経済危機の中の対策として消費税減税が世界の常識となりつつあることを示しています。さらに、食料品などの生活必需品は非課税にするというのも、世界の常識になってきています。改めて、この場で、消費税増税ではなく、食料品の非課税をこそ実行すべきだということを述べて、以後は総務委員会での陳情審査に譲りたいと思います。

 以上、大きく3点につきまして市長の答弁を求めまして、私の一般質問を終わります。


◯市 長(邑上守正君)  それでは、橋本しげき議員の御質問にお答えしてまいります。

 大きく3つの項目がございましたが、まず1点目で、介護保険に関するお尋ねでございます。

 介護保険料の7%助成、そしてその後の5%助成事業について、どのように考えているかといったようなことでございますが、平成12年4月からの介護保険制度導入に伴う激変緩和と制度の利用促進を目的としまして、居宅サービス利用促進助成事業、いわゆる7%助成が実施されたわけでございます。その意義としましては、今まで武蔵野市では行われていたものが、今度介護保険として大変変わってしまうということもございまして、その激変緩和ということが大きな目的としてあったわけでございます。決してサービスの利用率を下げないというようなことも目的としてございまして、結果としてさまざまな利用率あるいは利用者1人当たりの費用というのも全国・東京都の平均を上回りまして、在宅重視策として大きな成果を得ることにつながってきたのではないかなというふうに思っております。現行計画を策定しました第3期武蔵野市福祉総合計画策定委員会においても、本事業については、これまでの実績から、介護保険制度を広く浸透し、居宅サービス利用者への激変緩和という所期の目的は達成したと、このように評価しております。

 続いて、5%助成についてでございますが、平成18年6月利用分をもって7%助成事業については廃止といたしましたが、平成18年度以降につきましては、7%の方は所得制限がなかったわけでございますが、5%助成の方は、特に低所得者に限定した何らかの配慮が必要との判断から、低所得者への負担軽減を目的として第3期において利用者負担額助成事業、いわゆる5%助成を実施したものでございます。なお、対象サービスは、居宅サービスの基幹サービスでございます訪問介護、介護予防訪問介護、夜間対応型訪問介護としたわけでございます。平成19年4月から対象要件を拡大しまして、毎月550名前後の方に、月で申しますと180万円前後の支給をしている経過がございます。5%助成の意義としましては、経済的理由によりサービスの利用を抑制せざるを得ない可能性がある低所得者に、安心して居宅サービスを利用していただく効果があったと認識しております。現在、第4期においての事業の継続の必要性、新たな施策の必要性などにつきましては、健康福祉総合計画策定委員会で議論していただいているところでございます。

 2点目で、今後の継続あるいは低所得者対策はということでございますが、この御質問は他の議員の質問と重なる面が多々ございますけれども、今までお答えしてきたとおりでございまして、現在、策定委員会での中間まとめができまして、それの意見を伺っている段階でございます。その意見を踏まえて、また策定委員会で再度議論いただくことを予定してございますので、一定程度、策定委員会での議論をいただき、市としてその議論の結果を待って判断していきたいというふうに考えております。

 次の通所サービス食事補助事業、これも同様にさきの議員の質問と重なっております。これにつきましても、策定委員会での議論を待って、最終的には市の方で判断してまいりたいというふうに思っております。

 次に、介護保険料に関するお尋ねでございますが、中間のまとめの中でも3つのパターンを示しておりまして、それについても意見募集をしているところでございます。第4期の介護保険事業料推計に当たりましては、特別養護老人ホームの入所待機者の解消・縮減、あるいは今後、介護療養型医療施設の平成23年度末の廃止による、医療ニーズの高い方へのサービスの確保、そして認知症高齢者の増加への対応など、社会状況の変化を考慮した施設整備をいかにバランスよく行うかが課題となっているわけであります。また、施設整備と保険料基準額の関係は、御案内のとおり、介護給付費の大きい特別養護老人ホームなどの介護保険施設、あるいは有料老人ホームなどの居住系サービスが拡充されますと、保険料額が上昇するという保険原理にも配慮していく必要があろうかというふうに思っております。
 介護サービスの水準と負担のあり方に関しましては、市民の皆さんの意見を聞いて決めるべきというふうに判断しておりますので、現在、中間のまとめで示されました3つのパターンについて御意見をいただいているところでございます。市としましては、策定委員会と市民との意見交換会あるいはパブリックコメントで出された意見を踏まえて、策定委員会で一定の議論をしていただき、市としましてもその結論を待って最終的に判断してまいりたいというふうに考えております。

 次に、介護給付費等準備基金の活用と一般会計からの繰り入れという件でございますが、御案内のとおり、介護保険事業会計というのは3年間を通じまして財政の均衡を保つような運営を行っているわけでございまして、通常は計画の初年度に黒字分を見込むわけでございますが、その黒字分を2年度目、また3年度目の給付費に充てているわけでございます。この黒字分、剰余金につきましては、介護給付費等準備基金を設置することになっておりまして、この基金につきましては、次期の事業計画期間で取り崩すこともできるということであります。これによりまして、65歳以上の保険料の基準額を引き下げることができる制度となっているわけでございます。給付費に対する費用の負担割合は、介護保険法によって保険料50%、公費の負担割合が50%と決められているわけでございますが、公費の内訳は、国が25%、都と市が12.5%ずつということでございまして、この率以上の一般会計からの繰り入れについてはできない制度となっております。

 そこで、保険料の推計については、要介護・要支援高齢者の推計をする。2つとして、介護サービス種類ごとの量の見込みを行う。3つとして、地域支援事業に要する費用の見込みなどを、過去の給付実績の分析と新規の施設整備計画やサービスの供給量、さらに介護報酬の改定率などを勘案しながら算定することとなっておるわけであります。したがいまして、高齢者施設の整備や新規サービス事業者の参入などにより、介護サービスの提供量などが増加すると、これは必然的に保険料が高くなるという制度となっておるわけであります。恣意的に保険料を下げるということは、制度上なかなか困難というふうに考えております。

 低所得者対策等に関するお尋ねでございますが、平成16、17年税制改正によりまして保険料が急激に上昇することがないように、平成18年から19年度に保険料の激変緩和措置が全国の保険者で統一的に実施されたわけでございます。さらに、平成20年度もこの措置を各保険者──市町村でございますが、裁量によって継続可能といったような政令改正もございましたので、武蔵野市としましても、市の裁量によりまして平成20年も激変緩和措置を継続しているわけでございます。今回の4段階の細分化につきましては、税制改正による影響を配慮したものではございますが、本市においては、単にこの4段階に限定せず、税制改正による影響を受けたほかの段階についても、激変緩和措置が終了したことによる保険料の急激な上昇がないよう、保険料段階の設定を配慮していきたいというふうに考えております。

 介護保険制度において保険料の減免措置の原則としましては、厚生労働省は保険料の免除を収入のみに着目した一律減免、あるいは一般財源による保険料減免分の補てんを行うことは適当でないと判断をされておられます。よって、ほかの市の保険料減免制度の要件の多くは、生活保護基準をベースにした収入、さらに預貯金や土地・家屋などの資産、扶養の有無など、すべての条件を満たす者を対象としていることから、平成19年度実績を見ますと、ほとんどの市では対象者が20名以下といったような状況になっております。武蔵野市は、所得に対して累進的な保険料段階設定としまして、第3期では10段階を設定したものでございます。10段階設定することによりまして所得段階を細かく区切ることができまして、6段階制を採用しているほかの自治体に比べ、保険料の上昇カーブを抑えることができ、その結果として所得の低い方の保険料を幅広く低減することとなっております。

 7番目で、介護保険料が今申し上げました10段階ということだけれども、所得の高い人に対して、さらに多段階化を検討すべきではないかといったような御提案でございますが、現行の第10段階の年間保険料額というのは10万2,100円となっております。基準額5万6,400円の1.81倍となっておるわけでございます。これは、第3期武蔵野市福祉総合計画策定委員会においては、最高段階の基準額への割合は2倍以下にすべきだといったような議論もあったことから、このようなことで抑えているところでございます。また、所得段階の人数構成比が少ない層を細分化しましても、むやみに多段階にしましても保険料収入が一気にふえるわけではございません。一方、負担軽減する段階の人数構成比が多くなりますと、基準額自体が上がってしまうという制度設計にもなっておるわけでございます。次期の介護保険料につきましては、これらのバランスを考え、低所得者にも配慮しつつ、高所得者にも納得いただけるよう、効果的で、かつ所得に対して累進的な保険料段階設定を行いたいと慎重に検討している段階でございます。

 8番目で、要支援・要介護高齢者実態調査の中で、介護サービス未利用者のさまざまなパーセンテージがあって、介護難民がいるのではないかという御指摘をいただきまして、それらの市民の対策はということでございましたが、御案内いただきました要支援・要介護高齢者実態調査では、サービスを利用していない理由の第1位は、今はサービス利用の必要性はないためという方が42.7%、これが圧倒的に多いわけでございまして、次いで、家族などの介護で十分19.2%、入院中だから16.7%となっておりまして、サービス提供側の問題というよりも、保険サービスを受ける必要性が余りないといったようなことを理由としたものが主になっているというふうに認識してございます。しかしながら、本市では、いわゆる介護難民を決して生み出さないような施策を展開しているわけでございまして、今後も市民がいつまでも住みなれた地域で安心した生活が継続できるよう取り組んでまいりたいというふうに思っております。これまでもさまざまな相談窓口でございます在宅介護支援センターあるいは地域包括支援センターへ生活や介護にまつわる相談などが寄せられた場合は、丁寧な対応を心がけておりますが、今後についても今まで以上に、市民にとって的確でわかりやすい説明や助言に努めていく所存でございます。

 9点目で、介護報酬のアップということについてでございますが、10月末に政府・与党がまとめた追加経済対策、昨日も答弁いたしましたが、介護報酬が来年4月から4%、総枠で3%アップすることが盛り込まれているわけでございます。これに関しましては、介護職員の待遇を改善することが期待され、介護現場の慢性的な人手不足を解消することにもつながるのではないかなと大いに期待しているところでございます。市としましては、労働条件に対しまして指導・監督する立場にございませんが、今回の介護報酬引き上げの趣旨等につきましては、各事業主に対して、その内容について周知・徹底して、介護職員の賃金・労働条件を改善するよう助言してまいりたいというふうに思っております。

 次に、大きな項目で、周産期医療についてというお尋ねでございますが、この件も昨日も他の議員から御質問いただいております。少し補足させていただきますと、東京都では2年に1回、医師の数等の調査を行っておりまして、産婦人科に限りますと、平成6年に1,437名いた産婦人科医が、平成18年には1,237名、約14%減少したという結果が示されております。新生児集中治療室は、新生児の治療に必要な保育器、人工呼吸器を備えまして24時間体制で集中治療が必要な新生児のための集中治療室でございますが、東京都では195床確保されていますけれども、多摩地区には36床しかないと、常に不足している状況だということでございます。お産のできる医療機関も大変減少しておりまして、大変大きな課題として認識してございます。現在、市内には、武蔵野赤十字病院を含めて2カ所しかお産のできる医療機関はございません。

 このような状況の中で、武蔵野赤十字病院では、院長の方針によりまして医療スタッフを充実させていると、このように聞いております。実際、産婦人科医が12名、小児科医が8名、NICU医師4名を確保されて手厚い診療を行っているということでございます。経営的には大変厳しいといったような状況もお聞きしているところでございます。武蔵野赤十字病院とは、医療ネットワークの強化ということでさまざまなテーマで協議を行っておりますが、小児の救急医療のことや産婦人科の医師不足の現状などの説明を受け、市としても市民の安全・安心を支えるため、さらに武蔵野市赤十字病院との連携を深めていく必要性を感じておりますので、市として何ができるのか、引き続き武蔵野赤十字病院とよく協議するよう、担当には指示しているところであります。

 最後に、定額給付金に関するお尋ねでございますが、当初、全国に2兆円の規模ということで定額給付金の制度を実施するというような話があり、その中で詳細は市町村に任せるといったようなこともございまして、それは大変いかがなものかというふうに思っておりました。そもそも定額給付金の効果についても甚だ疑問な点があるわけでございます。武蔵野市の人口規模からしますと約20億円のお金というものが市民に支給されるような計画になっているわけでございますので、その20億円があれば、さまざまな経済活性策を含めて、いろいろな工夫ができるのではないかなというふうに思うところであります。しかし、ここに来まして、市に対してさまざまな事業の説明が進んできております。まだその内容については最終形ではございませんが、もし実施するとなれば、これは市の責任としてきちんと対応していかなければいけないというふうに思っているところでございます。

 消費税の件は、これは御意見としてお伺いしておくということでございます。

◯3 番(橋本しげき君)
  それでは、再質問ですけれども、大きな1番、介護保険ですが、意義について説明がありまして、7%助成、5%助成、私も非常に大きな役割を果たしてきているというふうに思います。それで、5%助成を、私はこれは3月にやめないで、続けてほしいということを再三いろいろな場で言っているわけですけれども、これは策定委員会の議論待ちで、その後最終判断を市がやると。それから、食事の200円助成も同じように策定委員会で結果が出てからという御答弁であるわけなんですけれども。これは、その両方について同じことなんですが、制度は3月末でやめるということは先に決めてあるわけですね。ところが、その後でどうするかということは議論待ち、結論はまだこれからだというわけなんですけれども、私はこれはちょっと順番が逆なんじゃないかなというふうに思っているんです。

 つまり、今度はこういうことをやりますので、今までの仕組みは終わりますよとか、例えばそういう説明があるなら、それはそれで一つの理屈としてあるかもしれませんけれども、私はやめないで続けてほしいと言っているわけですけれども。そういう説明もあるのかもわかりませんが、やめることだけは先に決まっているけれども、その後はこれからだと。私は順番が逆だと思うんですが、それはどう思いますか、ちょっと伺いたいと思います。

 それから、5%助成は3月で終わると。その後はどうするかは今後の議論次第だと。中間まとめにも98ページに書いてありますけれども、これから新規の施策が必要となるのか、低所得の方への配慮はいかにあるべきかなど、引き続き総合的な検討を行いますとあるわけですね。検討を行っているというのは、この間何度も伺ってわかるんですが、何らかのことはやろうというふうに考えているわけですか。具体像は今、議論中なんだけれども、何らかのことは絶対必要だということで、そこを詰めていこうというスタンスなのか、要するに方向性の問題なんですけれども、それを確認しておきたいと思いますので、それもお答えください。

 それから、5%助成についても、7%助成をやめた後に対象者を拡大したという実績があるわけですね。つまり、そういうニーズがあったということで広げてきたわけですが、それが終わりになるというのは、これはどういうことなのか、どう考えたらいいのかというふうに私も思うんです。5%助成の対象を拡大したということは、途中で必要だから拡大したわけですよね。だけれども、3月末で終わりですよと。対象を広げたということは、ニーズがあるということだと思うんですが、それは期限つきで終わりですよというのは、私はそこら辺はどういうふうに考えているのかというのをわかるように説明していただきたいと思うんですよね。つまり、必要性があったから対象を広げたと思うんですよね。しかし、やめるというのは、私はちょっとわからないんですが、それをわかるようにお答えいただきたいと思うんです。

 それから、食事の200円助成の話に行きますけれども、中間まとめの98ページにこういうふうに書いてあるんですが、この200円の補助については、制度が変わって、その後に通所系サービスの昼食の調理コスト相当分が保険対象外になりましたと。そこで利用者負担の増加が利用抑制につながらないように、こういう200円の食事助成を行ったというのが、導入の経過というか、説明として書かれているわけです。ということは、今回これをなくすとすると、この制度を導入した目的が、利用者負担の増加が利用抑制につながらないようにやったということですから、この200円助成をなくすと利用抑制につながるんじゃないかというふうに経過からいって読めるんですけれども、そういうことを市は予想というか、想定していないんでしょうか、伺いたいと思います。

 それから、保険料の3パターンの問題ですけれども、これがどうなるかというのも策定委員会の結論待ちだということなんですが、3パターンのどれをとっても、保険料が幅がありますけれども、今と同じか、もしくは上がるわけですね。これを市としては、今後保険料というのは上げていく方向というふうに考えているのか。この3パターンの想定から見ると、そういうふうに解釈できるんですが、今後の方向性をちょっと伺いたいと思うんです。私としては、質問でも申し上げましたように、保険料は値上げすべきじゃないと。特に今、暮らしが大変ですから。それから、細分化の問題にしても、高額の所得の方に、より応能負担といいますか、払える能力に応じて負担していただけるようにということを求めて、全体として低所得者対策にも貢献できるようにということを質問したんですけれども、多段階化は慎重に検討するということで、考えているというふうに私は解釈したので、それはちょっと期待したいと思うんですけれども、そういうもろもろの総合対策を考えて、保険料の基準額も上げない方向できちんと考えていく必要があると思うんですけれども、その3パターンの問題、今後の保険料をどういうふうに考えているのかをお聞きしたいと思います。

 それから、大きな2番目の周産期医療についてお聞きしますが、武蔵野赤十字病院の方と協議を引き続きやるように指示したということで、これは非常に大事なことだというふうに思います。これは非常に緊急で人命にかかわる問題ですから、各地でこういう問題が起こっていますので、本当に早急に対応しなければいけないと思うんです。それで再質問したいのは、きのうも質問あったのかもわからないんですが、この協議の中でどういう中身が話し合われたのかというのを確認したいのと、もう1つは、いつごろをめどに合意といいますか、結論を何か出そうとしているのか。要するに、協議の場を継続的に設けることはいいと思うんですよ。ただ、今回のこういう問題が起こったということに対する対策というのを何らかの形で考える必要があると思うし、それから市としてできる援助があれば、財政的な援助も含めて、今までもやっているわけですから、そういうこともいつごろまでにこういうことでやりましょうかという結論を出すめどがあるのか、それをいつごろまでにやろうとしているのかというのを再質問したいと思います。

 それから、大きな3つ目、定額給付金問題ですが、これは市長も今いかがなものかと、効果も甚だ疑問だと。市に20億円来るけれども、これがあればいろいろなことができるんじゃないかという、これは率直な感覚といいますか、お話だったと思うんですが。国に対して、こういう現場の混乱があるから、これはきちんと国の責任を果たすべきだということを、私はこれ、白紙撤回すべきだと思いますが、市長として、こういう混乱はきちんと国の責任でちゃんとやれということを国に対して意見を上げてほしいと思っているんですが、それは市長はどういうふうにお考えなのか、とりあえずそこまでをお答えください。

◯市 長(邑上守正君)  まず、介護保険料に関する利用料の補助というものでございます。5%につきましては、第2期の事業に対しての補助制度ということでスタートしたものでございますので、第3期はどうするかという議論を策定委員会の方でもいただいておるわけでございます。特に、低所得者対策というのはあらゆる分野でも検討が必要だというふうに思っておりますので、当然介護保険制度の中でもどのように低所得者対策が可能かについては、市としても大いに考えていくべきだという認識は持っております。

 それから、当然のことながら5%運用をしてさまざまな課題があった。つまり、今回は低所得者の定義がなかなか難しい面がございまして、当初の想定だと利用者がなかなか広がっていないということもあって、一部要件の緩和をしたというのがありましたので、当然のことながら途中でも課題があれば、それは見直すということが必要だというふうに思っております。

 200円補助の件につきましては、なくなったときに利用抑制になっていくのではないかというふうな御指摘もありましたが、それも含めてどのようにしたらいいのかを今、策定委員会で議論いただいているところだというふうに私は認識してございます。

 介護保険料の3パターンをお示ししてございますが、基本的には私も大きく値上げというのはしたくないと思っております。これは、施設整備との絡みもございますので、施設整備をふやしていくと、これは自動的に上がってしまうという制度設計でございまして、これがなかなか難しい状況かというふうに思っております。ある一定程度の施設整備は必要というふうに思っておりますので、その中でいかに今回、保険料の値上げが少なくて済むかどうかについて、策定委員会での議論を待って判断してまいりたいというふうに思っています。

 周産期医療の問題で、全般的な医師数の不足、医療機関等が十分でないということがあるわけでございまして、これは市長会を通じて東京都あるいは国にもいろいろな意見・要望を出しているところでございますが、武蔵野赤十字病院につきましては、どのような支援が必要なのか、あるいは可能なのかを含めて、今、病院側と来年度の支援策について協議を進めている段階でございます。

 定額給付金につきましては、一定程度のマスコミ取材等につきましては私の意見ということを言っておりますが、今後、市長会等でも、そういう説明の場あるいは意見を言う場が出てくると思いますので、必要に応じて意見表明していきたいというふうに思っております。

◯3 番(橋本しげき君)
  結局、介護保険の問題については、策定委員会の議論を見守って、その結論が出て市が最終判断するということに、最終的にはどれもなってしまっているわけなんですが、私が重要だと思ったのは、低所得者対策については、これ自体必要だと考えていく認識はあるという答弁はありましたし、それから保険料についても、大きく値上げはしたくないと。大きくというのはどういうことか、よくわかりませんが、値上げをしない方向で考えていく必要があるし、それから200円の食事助成の問題についてどうするかについても、それも含めて、これもよくわからないというか、結論がまだ見えませんけれども、きちんと議論をしていただいて、現場の声をよく聞いていただきたいなというふうに思っています。だから、前向きな答弁も少しありましたので、それはぜひ今後に生かしていただきたいというふうに思っています。ですから、現場の声をよく聞いていただきたいなということは要望しておきたいと思います。

 あと、介護難民の対策の問題についても、介護難民を決して出さない政策を市として打ち出しているということですから、これもぜひ進めていただきたいなというふうに思っています。

 あとは、周産期医療の問題については、来年度の支援策について協議しているというふうに今、答弁がありましたけれども、これは今年度中に一定の支援策が決まるといいますか、来年度の支援策についてということですから、何かをやろうということで今進めているというふうに理解していいわけですね。それをちょっと確認しておきたいと思うので、お答えください。

 それから、大きな3つ目の定額給付金の問題については、市長会で意見を上げていくということですので、ぜひそれは強く言っていただきたいと思います。

◯健康福祉部長(三澤和宏君)  武蔵野赤十字病院との協議でございますけれども、市として何ができるかということでお話を進めていますが、基本的には、先ほど市長の答弁にございましたけれども、医師の絶対数が足りないんだという話。そういう状況の中で何ができるかということで今、話し合いを進めています。ですから、まだどういう形でということになっていませんけれども、そういう意味では来年度に向けて何か答えが出るかどうかも含めて、協議中でございます。

                               
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