●一般質問「再び保育行政について」(2010年3月1日) 梶雅子
◯4 番(梶 雅子君)  今回はもう1回12月議会に続きまして一般質問をしたいと思います。それは2月に第三次子どもプラン武蔵野が出されたこと、それから、今、保育園分会のことなどからいろいろなことが出ていて、また公立保育園、私立保育園の父母や保育士が中心になって公立保育園を守ろうといういろんな運動が起こっています。そこで、改めて保育問題について一般質問をいたします。

 大きな1番目として、市長の政治姿勢と保育行政について、市長の見解を伺います。

 1点目は、市民が主役の市政とは何かについてです。市長は、市長に当選して以来、市民が主役の市政を理念、目標に掲げてきました。2期目の当選を果たした後の施政方針においてもこの点を強調し、職員に対しては積極的に地域に出て、地域の課題をみずから把握してきてほしい、市民としての感覚を忘れず、市民の目線で考えるよう指導していますと述べています。私も全く同感であり、今後ともこのような指導を強めて、市民が主役の武蔵野市政をともに築いてほしいと思います。

 ところが、公立保育園の民営化をめぐっては、市長のこれまでの発言とのギャップに大変驚いています。そこで、以下の質問をいたします。

 第1は、公立保育園の民営化に関する要望書に、約2万人の署名が寄せられていますが、その重みをどのように受けとめているのか伺います。武蔵野市保育問題協議会、武蔵野市の公立保育園を守る会の人たちは、公立保育園の民間委託化反対の署名を短期間に約2万名集めて市長に提出しています。市民が主役の市政を主張する市長は、2万名の重みをどのように受けとめているのかを伺います。これだけの署名が提出されても、市長は民営化の方針をなおも強行しようとしていますが、一体何人集めれば市民が主役と認めて署名された市民に耳を傾けるのか明快な答弁を求めます。

 第2は、市長が述べる職員の地域参加とは何かについて伺います。市長は、職員に積極的に地域に出て地域の課題をみずから把握してきてほしい、市民としての感覚を忘れず、市民の目線で考えることを求めていますが、公立の保育士は忠実にこれを実行し、市民目線で保護者や市民の方々と公立保育園の民営化問題を考え、問題点を指摘し、その実行に反対をしています。

 ところが、組合の保育園分会が平成23年度2園、40名の削減、25年度3園の民営化に反対し、保護者にチラシをまこうとすると、処分をするといった脅かしが行われていると聞いて、私は大変驚いています。保育士の方々は地域に出て、保護者と話し合い、保護者の声を聞こうとしているのだと考えますけれども、市長は職員の地域参加についてどのように考えているのか見解を伺います。

 第3は、市長が述べる参加型市政として第三次子どもプラン武蔵野のパブリックコメントなどはどのように反映されるのかを伺います。第三次子どもプラン武蔵野に対するパブリックコメントには、異例とも言える約400人近い意見が寄せられ、そのうち数名を除いては民営化反対の立場からの意見だったと聞いています。また、100名を超える公立保育園の職員からも疑問や民営化反対の意見が出されているにもかかわらず、納得のいく説明はされていないと聞いています。さらに、公立保育園9園の保護者に対して、市は説明会を行っていますが、保護者のほとんどは市の説明に納得していない状況だと聞いています。市民参加の市政を目指している市長として、こうした状況の中で公立保育園の民営化を強行しようとしている姿勢は全く理解できません。今回の施政方針でも市民参加の第一歩は市民の皆さんが意見を出し合うことであり、と市政運営の基本的考え方としています。参加型市政においては、パブリックコメントなど市民の意見をどのように反映するのか明快な答弁を伺います。

 第4に、保育園の利用者や職員は主役ではないのか伺います。保護者や保育士などの職員は、子どもたちが希望と誇りを持って今を生きることができるように、毎日子どもたちと向き合っています。特に専門家としての保育士は、豊かな可能性を持った子どもたちを深く豊かに理解するプロセスを大事にし、保育の質を高める努力を日々行っています。このような保育の専門家と市の民営化の方針が一致しないのは、市がコスト論で保育所改革をしようとしているからです。市民が主役と述べる市長なら、主役としての保護者や専門家としての職員の意見をしっかりと聞くことが必要だと考えますが、市長の見解を伺います。

 次に、大きな1番目の2点目として、第四期長期計画・調整計画とそのアクションプランの関係について伺います。

 第1は、市民会議及び調整計画策定委員会における運営主体変更、民営化の認識を伺います。市民が主役の市政を進めるため、市長は1期目の当選後、市民公募も含めて約100人から成る市民会議を設置し、市民参加の調整計画を策定したことを私たちは評価しました。そこで、改めて当時の市民会議議事録や調整計画策定委員会と子育て・教育分野の市民会議との意見交換会等の議事録を読んだり、実際に策定にかかわった方々に尋ねてみました。その結果、子育て・教育の市民会議では公立保育園の民営化については全く議論になっておらず、原書にも盛り込まれていませんし、策定委員会との意見交換会議事録でも民営化については全く触れていません。前回の一般質問でも質問いたしましたけれども、もし運営主体を変更するというのならば、次期長期計画の課題とするべきではないかと考えます。改めて市長の見解を伺います。

 第2は、市の公文書における検討と実行の定義についてです。今の質問と関連するのですけれども、調整計画では公立保育園の運営主体の変更は検討課題となっています。市長は、今後武蔵野市の公文書等で検討と書かれているものは、実施と読みかえるものと理解するべきものなのか、明快な答弁をお願いします。

 次に、大きな2番目の質問として、待機児童対策について伺います。

 前回の一般質問で待機児童の現状について、新旧定義の資料を請求しました。その資料によれば、4月から10月まで毎月待機児童はふえており、この1月の待機児童数も旧定義では249人、新定義でも151人もの子どもたちが保育園に入れないでいます。これは政治の責任です。

 そこで質問いたします。

 第1は、公立保育園の民営化による待機児ゼロの具体的方策について質問をいたします。

 その1点目は、来年度の入所申請状況と、今の状況と、市長の認識について伺います。

 2点目に、公立保育園の民営化によりどのように待機児がゼロになるのか。市の説明や第三次子どもプラン武蔵野などでは、民営化によって待機児童が解消するかのように宣伝していますけれども、その具体的な根拠を示してください。

 第2は、安心こども基金など現実的な制度をなぜ利用しないのか、その理由を伺います。

 まず1点目に、今最も現実的な待機児対策は、安心こども基金制度を利用することだと考えます。この制度は、国の新待機児童ゼロ作戦による保育所の増設整備などを目的として制定されたものです。かつてなく大きな補助金が国から交付される制度であり、市も事業主もわずかな負担で保育所増設が可能です。待機児対策を本気でやろうとするならば、この制度を利用して保育所増設を図ることが最も現実的な方策です。仮に2億5,000万円の施設整備費だったとしたら、市の負担割合はどれぐらいになるのかお答えください。

 2点目は、市内の民間園に待機児対策のための施設拡充等の協力を要請したことはあるのかを伺います。待機児対策に公立保育園の増設を求めているわけではありません。社会福祉法人等の公共性の高い法人が安心こども基金の補助対象施設とされているのですから、民間の法人にお願いすることも考えるべきです。市内の複数の法人が施設の増設や拡充を検討しているとも聞いています。市長は待機児対策として市内民間園に協力要請をしたことがあるのかを伺います。

 大きな3番目の質問は、一般財団法人武蔵野市子ども協会の運営等についてです。

 まず第1は、一般財団法人子ども協会について伺います。

 1点目は、平成23年4月に公立園から移管する民営化園の法人名称は何という名称になるのかを伺います。

 2点目に、民営化に伴う武蔵野市立保育園条例の改定はいつを予定しているのかを伺います。

 第2に、民営化によって非正規職員問題は本当に解決するのかということについて伺います。市の説明や第三次子どもプラン武蔵野によれば、民営化によってあたかも非正規職員が100%正規職員化されるかのような宣伝が行われています。そこで、正確に次の点について確認をしておきます。

 1点目は、民営化園の正規化職員の職種、人数を明確にお答えください。

 2点目に、保育士など同一職種で法人固有職員と市の派遣職員で賃金格差は発生しないのかをお伺いします。発生するとしたら、同一労働同一賃金の原則とするべきだと考えますが、市長の見解を伺います。

 3点目に子ども協会以外の民間保育園の非正規職員問題について伺います。正職化するため補助金要綱を改正しないと、民間の認可保育園に対し不公平が生じることになります。対策については市長の見解を求めます。

 続いて、第3に、市が財政支出をし、関与する法人について伺います。財団法人は市民の税金や財産が一私法人に寄付されることによって成立するものであり、市民の関心も高いものです。

 そこで、1点目として、民営化園に対する寄付行為のうち、資産内訳について明らかにしてください。

 2点目に、子ども協会に対する市の関与の問題について伺います。一般財団法人武蔵野市子ども協会による市民の税金の使い道をどのようにチェックするのかです。確かに地方自治法では自治体が資本金等を出資している場合には、その額によっては法人から報告を求めたり、実地調査をしたりすることができることを求めています。出資額によっては監査対象とすることもできます。しかし、議会の議決や承認が必要とされる事項は限られており、直接的な統制はできません。この点が地方公共団体とは大きく異なる点ですが、市民自治を主張する市長の認識を伺います。

 3点目に、一般財団法人武蔵野市子ども協会の設立で、公務員ワーキングプアの解消、嘱託を正規にするということ、保育の質の向上が図られると宣伝していますが、その裏づけとなる平成23年4月の資金収支予算書案の提出を求めます。当然1年前である今、法人設立申請書には開所当初の資金収支内訳書の提出が求められていると思いますが、これを市民の前に提出して、市民、特に関係する父母や保育士にわかりやすく説明してください。

 最後に、大きな4番目の質問として、保育の質の向上について再度質問をいたします。

 第1点目は、保育の質の定義について、改めて市長の考えを伺います。

 第2点目は、コスト優先の保育では質を向上させることはできないということについての市長の見解を伺います。今、公立保育園や民間保育園の保護者や保育者が市の説明に納得していないのは、保育の質に対する認識が大きくかけ離れているからです。市の論点の中心はコスト論であり、その中では保育の質の定義が行われていません。保育の質の定義なくして質の向上はあり得ません。市の民営化推進の根拠は、市の財源論やコスト論であり、一人一人の子どもたちの保育の質の向上を目指したものではありません。このような政策は保育者から保育の喜びを奪い、子どもたちの育つ豊かな生活を奪ってしまうものです。結局は、保育の質の低下を招くだけです。市長に公立保育園の民営化の再考を強く求めて、一般質問を終わります。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、梶 雅子議員の御質問にお答えしてまいります。

 保育行政ということで、また再び御質問いただきました。この間、大変保育に対する御心配をいただいているかというふうに思っております。恐らく思いは同じでございまして、子どもたちにかかわる保育の問題ですから、いい保育を武蔵野でも実践、継続をしていきたいという、それは梶議員も私も同じ考えだというふうに思っております。しかし、このたびの民営化という言葉がやや先行して走り過ぎているのではないかなというふうに私は思っておりまして、恐らく一般の皆様方が民営化と思い描くような、そのような運営主体の変更ではございませんので、それからすると、こちら側、私どもも説明がまだ足りてないというふうにも思っておりますので、さらに保護者の皆さん、関係者の皆さんには丁寧に説明をしてまいりたいなというふうに思っております。

 相手先として、今子ども協会を想定しておりますが、例えば0123の施設運営は子ども協会でございます。0123が民間施設だと思われる方は多分いらっしゃらないというふうに思っておりますし、逆に大変評価のいい子育て支援策だというふうに認識をしているところでございます。市が強い関与をもって公的責任のもとに子育て支援策を進めるというのは武蔵野市らしいやり方ではないかなというふうに思っておりますので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに冒頭申し上げたいと思っております。

 その上で御質問についてお答えしてまいりますと、市民が主役の市政に関してどうかということでございますが、まず1点目で、公立保育園の民営化に関する要望書、2万人余りの方の署名をいただいて、私あてに提出をいただきました。これにつきましては、2万人の署名を集められるという、この活動自体大変なことだというふうに私も認識をしておりますので、大変この取り組みについては敬意を表したいというふうに思っております。

 しかし、先ほど説明したとおり、署名いただいた中には市の考え方が十分伝わっていない方が多いのではないかな。何人かの方から私は、保育園がなくなるんですってとか、武蔵野市は保育士さんがいなくなるんですねとか、さまざまなそのような違った御心配をいただくようなことが多々この間寄せられてまいりましたので、なかなか署名活動がそのまま中身をうまく伝えられていないなというふうに思った次第でございます。

 公立保育園の職員の地域参加、当然のことながら私は職員に対して地域に積極的に出ていってほしいし、地域の状況を十分に知ってほしいということを申し伝えております。保育園職員というのは、日々お子さんを預かって保護者と接しておりますし、また、地域子育て支援事業として、地域の保育園に通っていない、在宅で子育てをしている方たちを対象とした各種事業も担当しているわけでございます。そのような保育園業務の中から子ども自身のニーズ、保護者のニーズ、地域で子育てしている人たちのニーズを把握し、課題解決に向け提案を行うことが公立保育園の職員に求められると考えています。

 さらに、このたび決定をいたしました子どもプランについても、職員として当然のことながら子どもプランの内容を把握し、保護者に適切に説明する職員としての責任もあろうかというふうに考えているところでございます。

 3点目で、第三次子どもプラン武蔵野のパブリックコメントなどはどのように反映するのかということでございますが、当然いただいたパブリックコメント、市民ヒアリングでの意見については、議論を重ねて、反映できるものは子どもプランに反映をしてまいりました。また、子どもプラン推進地域協議会での御意見も同様に反映をできるものは反映してまいりました。詳細につきましては、3月5日の文教委員会にて行政報告をさせていただきたいというふうに思っています。

 4点目で、保育園利用者や職員は主役ではないのかということでございますが、もちろん保育園の利用者については、子どもも含めて市民がほとんどでございますので、主役とも言えるわけでございますが、保育園職員については、公立保育園の場合は、当然、先ほども話しましたが、市の職員そのものでございます。保育園で保護者から大切なお子さんを預かり、保育を行っていくのは保育園職員でありまして、もちろんその意味では現場が大事だと、このように認識をしているところでございます。

 次に、2番目の御質問で調整計画等との関係ということでございますが、まず市民会議及び調整計画策定委員会における民営化の認識ということでございますが、市民会議で議論をいただき、さまざまな課題を提案いただいて整理をし、策定委員会の方に提案をいただいたという経過をたどってございますが、市民会議提言書の中でも、公立保育園改革計画については一定の議論をいただいているところでございます。運営の合理化においてコスト削減が前提では保育の質の維持は難しいのではとの保護者、保育士の不安の声も大きい、保育園改革計画は実施され、その成果の評価もされつつあるが、今後は公立保育園と民間保育園を問わず、より一層の保護者、保育士、行政との情報交換が活発化され、保護者と行政間の意見疎通が確保される仕組みづくりを進めるべきであると考えるというふうな、そんな市民会議の提言もいただいております。

 調整計画につきましては御案内のとおりでございまして、保育園改革ですが、一定の成果は得たものの、依然公立と民間では児童1人当たりにかかるコストに大きな差があるということです。公立という設置形態を維持しながら質の向上と効率化を推進するという、従来の方式を検証しつつ、さまざまな運営の形態を検討することも今後の課題であると、このように記述をしているところでございます。

 そして、この検討という言葉が実行とは違うというようなお話もいただきましたが、検討すべき課題ということを掲げてある以上、それを検討するというのは当然でございますし、検討の結果、その施策を導入すべきだということになれば、それは施策実行に向かうというのは当然だというふうに思っておりますので、特段これについてのそご等はないというふうに考えているところでございます。

 次に、待機児童対策についてということでございますが、来年度の入所申請状況とそれに対する認識ということでございますが、平成22年4月1日の保育園入所申請は、昨年と比較しまして24件増で581件となっています。正式な数値の把握はこれからでございますが、近隣区市との比較ではそれほど伸びは高くないのではないかなというふうに担当の方では考えているようでございます。入所申請数が抑えられたのは、昨年12月に新たに96名の認可保育園を開設したこと、これが大きな影響ではないかなというふうに考えております。最終的に4月の待機児童数が確定するのは5月になってからということでございますが、さらに4月には、三鷹駅前に30人定員の認証保育所を開設する予定でございますので、待機児童はさらに減少するのではないかというふうに期待をしているところでもございます。今後も待機児童ゼロを目指しまして、さまざまな取り組みを検討してまいりたい、このように考えております。

 次に、公立保育園の民営化によりどのように待機児童がゼロになるかということでございますが、市としましては限られた税源を効率的、効果的に活用していこうということで、今般の運営主体の変更を行っていくという方針でございますが、その結果生まれた財源につきましては、待機児童対策などの事業を行うという、そのような関係を持っております。待機児童の解消に向けましては、これまでさまざまな施策を行ってまいりましたが、今後も待機児童の動向や地域性などを検証した上で、待機児童ゼロを目指し、さまざまな主体によるさまざまな保育事業の展開を目指してまいりたい、このように考えております。

 次に、安心こども基金の活用等に関するお尋ねでございますが、施設整備を行ったときの市の負担等に関するお尋ねでございますが、安心こども基金は平成20年から平成22年の時限的な補助金ということであります。ちなみに昨年12月に開設した精華第二保育園は、安心こども基金ではなくて、次世代育成支援対策施設整備交付金を活用して建設を行ったものでございます。今後の待機児童対策としては、待機児童の動向や地域性などを検証した上で、待機児童ゼロを目指していきたいというふうに先ほど申し上げましたが、例えば仮に2億5,000万円の施設整備費だとしたら、どのようになるかということでございますが、例えば精華第二保育園と同様の入所定員96名だとすると、補助基準額は約1億9,000万円、その4分の1が市の持ち分となりますので、市の持ち分は4,750万円となります。さらに東京都の補助金も活用すると、さらに1,000万円強の持ち出しが市として必要となりますので、約6,000万円程度が市の負担となる、このように計算されるわけでございます。

 次に、市内の民間園に待機児対策のための施設拡充等の協力要請等をしているのかということでございますが、今回のその安心こども基金を利用してということに関しましては、要請をしてございません。ただし、今までにも補助金を利用して赤十字保育園の拡充をお願いしたり、今回の精華第二保育園のように市内の民間保育園を運営している法人に声をおかけした経過はございます。

 次に子ども協会に関するお尋ねでございます。公立園から移管する民営化園の法人名称は何かということでございますが、ことしの2月に子ども協会は一般財団法人になったわけでございますが、今後は事業展開等を考慮し、公益財団法人、または社会福祉法人を目指してまいりたいと考えております。

 民営化に伴う武蔵野市立保育園条例の改定はいつを予定しているのかということでございますが、公立保育園の運営主体の変更につきましては、第三次子どもプランでは段階的に行うということにしてございます。子どもプランに掲載した施策の実現のためには財源の確保をする必要もございます。そして、さらに待機児童対策というのを早急に対応しなければいけないということも考え、平成23年度以降に運営主体変更を行う予定で準備を行いたいと考えています。よって、保育園条例等の改定は、22年度中を予定しているということでございます。

 次に、民営化園の正規化職員の職種、人数ということでございますが、運営主体は現在の非常勤職員を正規職員として雇用することも可能な市の財政援助出資団体である子ども協会に変更することを前提に行います。正規職員化する職員数等につきましては、平成22年度中に保育園職員を中心にメンバーを組織し検討を行ってまいります。検討に際しましては、認可保育園全体の保育の質を向上させることを基本に考えてまいります。

 次に、保育士など同一職種で法人の固有職員と市派遣職員で賃金格差は発生しないのかということでございますが、職員の入れかわりによる人件費の減額や新たに得る国や都の補助金など、運営主体の変更を行うことで生み出した財源については、市内保育施設の入所定員枠の拡大、新規施策などの子ども関係予算の充実を図ってまいります。子ども協会の固有職員の給与水準は、法人の給与体系に基づくもので、市の職員とは異なることとなると認識をしております。

 次に、子ども協会以外の民間保育園の非正規職員問題について正職化するための補助金要綱を改正しないと民間の保育園に対して不公平が生じることになるのではないか、対策はということでございますが、第三次子どもプランでは、市内認可保育園全体の保育の質の向上を目指し、市独自基準を見直すこととしております。各法人の独自性を確保しながら、保育の質の向上を目指し検討を進めてまいります。今後は民間保育園園長と十分な協議を行ってまいりたいと思っております。

 次に、市が財政を出資し関与する法人についてということでございますが、まず1点目で、民営化園に対する寄付行為のうち、資産内容を明らかにしてほしいということでございますが、2月に設立された一般財団法人武蔵野市子ども協会の基本財産は、定款第5条にあるように現金で300万円でございます。公立保育園の運営主体を変更した後の子ども協会の資産内訳につきましては、現在どの公立保育園の運営主体を子ども協会に変更するかについて検討を行っている段階であり未定であるため、現在においては資産内訳についてはお示しできない状況でございます。運営主体を変更する公立保育園が決定し、施設の運営が市より子ども協会に移管することとなれば、子ども協会の毎年度の事業報告として決算書類である貸借対照表、財産目録により子ども協会が保有する施設の建物、備品などの資産の明細について明らかにできる、このように考えております。

 子ども協会に対する市の関与についてということでございますが、市は出資、出捐を行い、団体の行う業務が市政と極めて密接な関連を有し、市が継続的に財政支出を行っている団体のうち、特に指導監督を要する団体を財政援助出資団体として指定をしているわけでございます。団体の運営に関しまして、市では予算、事業計画の作成、決算報告、事業報告、その他運営上重要な事項について指導監督を行い、市の行政を代替または補完する機能が確実に図れるよう財政支出を行っているところでございます。武蔵野市子ども協会は、調整計画において全市域の子ども育成活動全般を支える機関として積極的に位置づけ、0123吉祥寺・はらっぱの乳幼児施設の運営のみならず、青少年までの関連施策にも事業を拡大する、このように位置づけているところでございます。市としては子ども協会に課せられた長期計画の目的が果たせるように適切な指導監督、財政支出を行い、子育て支援施策が総合的に推進されるよう努力をしてまいりたい、このように考えております。

 次に、公務員ワーキングプアの解消、保育の質の向上に関して、民営化への裏づけとなる資金収支予算書案の提出ということでございますが、運営形態の見直しに当たりまして、変更後の運営主体は子ども協会という予定をしておりますが、今後、公益財団ないし社会福祉法人に法人格を変更していくことが予定されておりまして、また、どこの保育園の運営主体を変更するかまだ未定な面もございますので、当然見直し後の収支予算書案については現在では作成をしてございません。市におけます運営主体の変更に当たっては、保育の質の向上を目指すことはもちろん、公立保育園の保育内容、保育実践を継承し、子どもと保護者に負担と不安を与えない手法で行ってまいりたいというふうに考えております。子ども協会の安定的な運営維持のため、市が経営運営に関与を行うことを前提で考えているところでございます。市からの財政支出としては、保育所の運営委託料、認可保育所の職員配置についての市独自基準に基づいた補助金の形などで行うことにより保育の質の向上を図ってまいりたい、このように考えております。

 最後に、保育の質の向上についてのお尋ねでございますが、定義ということでございますが、一言で申せば、保育の質とは子どもの育ちの保障であろうというふうに認識をするところでございます。さらにつけ加えれば、保育実践の内容、保育所、保育士に沿った発達過程の把握により子どもを理解し、保育を実施することや養護と教育の一体的な実施といった字句を挙げることもできるというふうに思っています。また、さらにハード的な面にも関係しますが、保育室の環境や園庭の広さ、遊具や教材、給食の内容までも含めて、保育園全体での保育に対する取り組みも保育の質だと、このように認識をしてございます。

 民営化を再考ということでございますが、今まで御説明してまいりましたとおり、質の高さを維持しつつ、待機児対策も同時に考えていくんだということをぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。今後は第三次子どもプランの取り組みをもとに積極的に展開してまいりたい、このように考えております。

◯4 番(梶 雅子君)  まず1点目の市長のいろいろな今までの市政についての政治方針なのですけれども、本当にお母さんたちは、一番最初に言うと、民営化という言葉が先行していて、民営化じゃないよ、これは新武蔵野方式だと言いますけれども、大もとは、財団法人になろうと、結局、公設公営ではなくて、先ほどの今後の子ども協会になってきたときの話を聞いていると、だんだん内容がわかってきますけれども、最初のうちは確かに武蔵野の市の職員が派遣という形でいて、それでも市の職員がもう22年度は40人削減とか、25年に幾らってやっていくと、何年か後にだんだん市の職員が少なくなっていったら、若いこの一般財団法人武蔵野市子ども協会の職員になっていったら、しかもそこがもしかすると今後社会福祉法人になるか公益法人になるか変更していくというところでは、社会福祉法人になったら、今ほかでやっている民間保育園、ありんこでも精華でも社会福祉法人なわけですから、そういう中で決して民営化と違うということは、これはどうしても親としては納得できないし、保育士さんもそうだから、これは委託化と変わらないのだよというのがだんだん親に今わかってきているんですよ。ですから、親がすごくこれはおかしいよと。しかも、今言ったように23年度から2個をまずやると。そうすると、自分の保育園が民営のに、民営と言うなというんだったら武蔵野市子ども協会のかもしれませんけれども、これだってこれからどちらに、社会福祉法人になるのか公益法人になるのかはわからないわけですから、その保育園になるのか、このまま公立でいくのかということは、親にとっては我が子がもう既に入っているわけですから、本当に大きな問題なんですよね。

 しかも、これが23年度からだから、22年度中に条例を変えなきゃ、条例にはっきり保育園の名前が出ているんだから、この保育園の名前を変えなきゃいけないから、それで名称は何ですかと聞いたのですけれども、そうすると、それを22年度中に変えて、もうことしの11月ぐらいから募集するわけですね。そうすると、それまでにどこの保育園に決まる。こんな拙速なやり方をやったら、親が不安になるのは、これは当たり前のことだと思いませんか。

 そこで、前に戻りますけど、だからみんなが、市民が主役とやって、おかしいよと思うから署名をとったし、それからパブリックコメントを出せというから出したら、ホームページでずうっと出ているのを見ても400というのはすごく多いそうですね。あれは大部分やっぱり不安ですというのが大きいですよ。反対ですというのを言わないけれども、もし言うんだったら不安ですというのが大変多いですよね。それで、そういう市民ヒアリングの数も、それから先生たちが出した数も、そういうのが何もなくて、それできのうのある議員の代表質問のところに、もう計画が決まってきたんだから、これからは実行に向かってもっと丁寧な説明をするというけど、計画する段階で親がもうこれだけ言っているときに、その親の意見をきちっと、その計画はおかしいんじゃないか、もっと武蔵野市だったら親の意見を聞いて、はっきりと納得できることをやってほしいということでやっているわけですから、もしこのように市民会議の意見も、それから策定委員会におけるこれだけ立派につくったこの本では、形態を検討することも今後の課題であるとして、そこまででなっているというところを、また今後のそれでも民営化するということでパブリックコメントを出したり、いろいろしていることに対して、それでもこんなふうに保育士も保護者も納得していないのにどんどん進んでいってしまうという、このやり方をやっていったら、邑上市長、何でここまで急ぐんだって、今までと違うと思ったら、聞くだけ聞いてやってくれないというのが、逆にもう失望感がすごく大きくなってしまうんですよ。

 今後も、もしこれから第五期基本構想・長期計画とかでやっていくときに、これだったら市民会議なんてとか、市民の意見を聞くといったって、これはガス抜きじゃないかとなったら、市長、どうするんですか。ここは絶対、市民が一生懸命やっているとき、やっぱり一年二年遅くなっても、もっともっと何とか考えることができないのかがこの1つ目のところです。

 それから、待機児童対策は、私は23年に2園やって、25年に3園、その間の24年に子どもの認定園をつくるわけですね、境幼稚園。それぐらいで決して減っていくと思わないんですよ。きのうほかの議員もなさったように、今保育に預けないと大変な親が多い中で、本当に保育園は必要、だから、今一番必要なのは、こんな保育園の民営化とか、そういうことよりも待機児童対策で困っている親が一番多いのだから、その親のために待機児童対策こそまず第一に、先に取り組むことだと思うんですよ。そのために、先ほどから市長は質の高いのと待機児解消でこれをやるんだというけど、絶対これでなるというのは、私は納得を何回聞いてもできません。だって新しくできていないのに、人数がふえるはずがないのに、それで待機児童対策ができるということはないと思います。だから、それだったら、今のこの安心こども基金は22年度までなんだから、市内の民間の認可保育園にもう少しふやしてほしいとかというのを、ふやしたいと思っているところもあるんだから、例えば町田市なんかも、世田谷区なんかもですけれども、市の土地とかを貸して、そしてそこにやるとか、いろんな対策をとっているわけですね。

 ですから、ぜひそういうことを考えて、まず待機児対策にもっともっと真剣に取り組んでほしいと思う。それをやってからでも保育園を変えるということは、本当にまだ先のことで十分だし、そこまで親が納得しないと、本当に何の根拠で、これから決めるのをまたこうやって市の中で、市役所の中の一部のそういう部課長のところで何とか検討委員会をつくって、そこでどこの保育園を民営化するか、委託するかと決めていっちゃうんでしょうか。これは絶対むご過ぎますよ。本当に今9園ある保育園のうち5園を民間委託する、自分の子どもの保育園がどっちに入るかというのは本当に大変大きな問題です。

 1点、もしこれから考えていくんだったら、どこを基準にこのまま公立で残すのと、それからここの法人に変えるのは何の基準で変えていくのか。

 しかも、全体でいったら、今武蔵野市は公立が9園ありますよね。民間の認可保育園が6園ありますね。認証保育園は、先ほど言ったようにこの4月からもう1回三鷹駅前のをやったら認証保育園も9園なんですよ。今武蔵野全体でいったら本当にバランスいいんですよ。公立9園、民間6園、認証保育園9園って、その中で何でバランスを考えて公立保育園を5園もなくしていっちゃうのか。というのは、なくすのは違うと言いますけれども、運営形態が変わるということは、本当に大きな違いなんですよ。先生方から、それからいろいろな。ですから、公立保育園というのじゃなくて、そこを何で民間にするということをね。それが親に納得できる、しかも、もし今後やるんだったら、これからは一個一個丁寧に説明しますというけれども、その丁寧でそこの親が納得しませんと言ったときに、それでもやるんですか。それだから横浜市なんかは訴訟騒ぎになって、裁判で負けているんですよね。だから、そういうふうになっていくときに、そこまでやっていく。それほど武蔵野市の子ども協会、これからやっていくのに、来年の4月からですよ。もう今3月だからちょうど1年後には変わるのに、まだ法人化がどうなるかわからない。どこがやるかわからないから策定していないという。そういう段階で本当にどんどんやっていくというのは絶対許せませんのでぜひ考えてください。

◯市 長(邑上守正君)  大変御心配をいただいているかと思いますが、私も過日の代表質問でお答えした中で、直接保護者の皆様方の要望に応じて二度ほど説明の場に行きました。十分な意見を聞く時間まではありませんでしたが、何人かの方からいただいた中では、私の説明に対する理解をいただいた方も結構ふえていたのではないかなというふうに思っております。

 先週来、保育課の課長の方で職員に対する子どもプランに対する説明をずっとしてまいりまして、職員に対しても一定程度の理解が深まってきたのではないかなというふうに思っておりますが、さらに全園の保護者を対象に3月中に丁寧な説明をしていこうということを予定してございますので、その説明の中でも、やはり武蔵野市が目指す保育のあり方を丁寧に説明して理解を求めてまいりたいというふうに思っております。
                               
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