●一般質問「待機児童対策等について」(2010年12月10日) 橋本しげき
◯3 番(橋本しげき君)  まず冒頭に、この間の国際的諸問題について、日本共産党の立場を申し上げます。

 尖閣諸島問題については、歴史的にも国際法的にも日本の領土であることは明らかであります。政府に対し、中国と国際社会に堂々と主張する外交努力を求めます。

 千島列島については、1855年の日露通好条約と1875年の樺太千島交換条約で日本領に確定した千島列島全体を、領土不拡大を定めたカイロ宣言に違反して第二次世界大戦後にスターリンが不当に占領して以来、今に至っています。日本共産党は、ロシアに対し、カムチャツカ半島以南の全千島列島の返還を要求しております。

 さらに、北朝鮮による韓国・延坪島への軍事砲撃について、許されざる無法行為として断固抗議するとともに、一方で、軍事的緊張を高めずに外交的・平和的な解決の道を探ることを各国に求め、日本共産党も力を尽くしたいと思います。

 さて、今回の一般質問、私は、市の雇用問題について、待機児童対策について、若者の就職難問題について、緑町1丁目のゴルフ練習場の騒音問題についての大きく4点の質問をいたします。

 まず大きな1点目に、市の雇用問題についてです。今、日本では3人に1人が非正規雇用という不安定雇用のもとに置かれています。武蔵野市の職員で見ると、非正規雇用率がさらに高く44%となっており、23区と26市をあわせた49自治体の中で16番目に高い状況になっています。私は、この間何度も、ワーキングプアと呼ばれる働く貧困層の問題など、雇用問題について取り上げてきました。自治体としては、官製ワーキングプアをつくらず、雇用を守る側に積極的に立つ必要があります。

 そこで1番目の質問です。現在、嘱託職員は1年更新で最長5年で雇いどめという状況です。これでは、生活や人生の将来的見通しを持つことができません。また、職員がどんどん入れかわることで、仕事のノウハウを引き継いでいくことも難しくなります。12月1日付の市報では、新しくできる武蔵野プレイスの嘱託職員の募集が出ていますが、この職員も1年更新、5年で雇いどめです。こういうやり方で一体どういう人材を求めようというのでしょうか。嘱託職員について、1年更新・5年で雇いどめの制度を見直して、希望者は継続雇用とすることを求めますが、いかがですか。

 2点目の質問です。大企業のシンクタンクの一つである富士通総研は、日本がデフレになっている要因として、賃金の安い非正規労働者の採用が大幅にふえたことを挙げています。そして、非正規労働者の賃金が正規の半分程度と、大きな格差があると指摘しています。さらに、他の先進国については、同一労働・同一賃金が日本より守られており、このような格差がないために、正規労働者を非正規に置きかえることでコスト削減するというインセンティブ(誘因)はないと述べています。そして、デフレを克服する対策として、非正規労働者の賃金格差の縮小、最低賃金の引き上げなどに真剣に取り組むべきだとしています。財界系のシンクタンクでさえ、こう述べているわけです。

 日本は、先進国の中で唯一、経済成長ができない国になってしまいました。G7と呼ばれる先進7カ国のうち、日本以外の国はGDP(国内総生産)も、雇用者報酬、要するに給料も10年間で2割から7割上がっています。しかし日本は、10年間でGDPは0.4%しか伸びていません。雇用者報酬は10年間で何と5.2%も下がっています。雇用の安定こそ最大の景気対策です。ヨーロッパでは、同一労働・同一賃金の原則が当たり前です。正規雇用職員と非正規雇用職員の均等待遇を図ることを求めますが、いかがですか。

 3点目の質問です。嘱託職員の期末報償金と退職慰労金を廃止する動きがあります。例えば、学童保育の指導員は、非常勤の嘱託職員とはいえ、勤務時間や勤務内容から見ると常勤職に近い働きをしています。この間の裁判の判決を見ると、例えば大阪・枚方市の一般職・非常勤職員に退職手当一時金として特別報酬を支給したことの適否が争われた住民訴訟の判決が9月17日に大阪高裁でありました。判決では、本件非常勤職員は、常勤職員の勤務時間の4分の3に相当する時間とほとんど同じか、それを上回っており、勤務実態から見て、地方自治法204条の常勤の職員に該当するものと解するのが相当と述べています。そして、本件非常勤職員は、条例に基づいて地方自治法204条2項の各種手当の支給を受けることができると述べています。また、東村山市の嘱託職員に関しての2009年2月6日の最高裁でも同様の判決が出ています。

 さて、本市の学童保育指導員の勤務実態は、常勤職員の勤務実態と同様にみなせるような、今紹介した判決に該当するものです。長い年月、指導員として従事しているにもかかわらず、形式的に非常勤職員というだけで、賃金格差がつけられています。退職慰労金を廃止してワーキングプアを拡大するのではなく、必要ならば条例を制定し、少なくとも現行どおり支給することを求めますが、いかがでしょうか。

 次に、大きな2点目に、待機児童対策についてです。

 待機児童問題はますます深刻で、連日マスメディアに取り上げられています。私は、この問題についてこれまで何度も取り上げてまいりました。全国の待機児童は、4月時点で、厚労省の発表でも2万6,000人に上ります。深刻な事態の最大の原因は、自公政権も民主党政権も、認可保育所をふやすのではなく、子どもの安全を守るための規制を緩和して子どもを詰め込んだり、認可外の施設を受け皿にするやり方をしてきたことにあります。国が2004年に地方交付税を大幅に減らした上に、公立保育所への国庫負担金を廃止して一般財源化したことも、地方自治体の保育所整備を停滞させました。市町村は保育の実施義務を負っていますが、果たされていないのが現実です。待機児童解消に必要なことは、こうした規制緩和路線を転換し、国と自治体の責任で認可保育所をふやす義務を果たすことです。

 ところが、民主党政権は、自公政権以上の規制緩和と保育の市場化に突っ走っています。自公政権でさえ設けていた入所児童数の上限を取り払い、園庭や避難経路の設置などを定めた保育所最低基準も撤廃しようとしています。さらに、子ども・子育て新システムでは、市町村の保育実施義務、つまり市町村が保育サービスを現物給付する義務をなくし、保育の供給を市場任せにしてしまおうというのです。介護保険制度で介護事業が民間化され、自治体が高齢者の動向を把握しなくなったことが行方不明高齢者を生んだ一因と指摘されています。保育でも、保護者が事業所と直接契約する新システムでは、市町村は待機児童数をつかむ責任がなくなります。行政の責任を放棄する方向は許されないと思います。

 そこで1点目の質問です。まず、来年度の待機児童の見通しについて伺います。

 2点目の質問です。認可保育所の増設について、私は一般質問などで繰り返して求めてまいりました。西久保2丁目に認可保育所を増設したことは大いに評価しております。しかし、今後の認可保育所の増設については、残念ながら、これまで前向きな方向性が示されておりません。安心して子育てができるように、少子化対策のためにも認可保育所の増設はどうしても必要です。他の自治体で今、たくさん取り組まれてきている認可保育所の増設を、なぜ今後、武蔵野市で行う計画がないのでしょうか。その理由を明確にすることを求めますが、いかがですか。

 3点目の質問です。第三次子どもプラン武蔵野では、待機児童対策として、認可保育所の誘致の検討が38ページに明記されています。第三次子どもプランの実施時期は2014年度までです。安心こども基金は国の補正予算で2012年度まで延長されました。この新しい状況のもとで、安心こども基金を活用して認可保育所を増設することを改めて求めますが、いかがですか。

 4点目の質問です。行財政改革アクションプラン7ページでは、保育料のあり方の検討という項目で、認可保育所、認証保育所の保育料のあり方について受益者負担適正化の検討を行うと書かれています。市民の経済状況が大変な中、子育て支援と少子化対策に逆行する保育料の値上げを行わないことを求めますが、いかがですか。

 5点目の質問です。認証保育所の保育料は高くて、保護者の負担は大変です。幼稚園や認証保育所を利用する保護者への助成制度を拡充することを求めますが、いかがですか。

 次に、大きな3点目に、若者の就職難問題についてです。

 完全失業率は、5%を超えて高どまりしています。3月時点で就職も進学もせずに進路未定となった大学生は8万7,000人もいます。また、学生の就職活動の早期化・長期化など、就職難の問題は大変深刻です。

 私は先日、三鷹ハローワークを訪問し、特に新卒者の雇用対策についてハローワークの取り組みを伺いました。ハローワークではさまざまな施策を行い、求人の開拓のために、本当に苦労して心血を注いで取り組んでおります。若者の就職支援の仕組みとして、主に3つの制度がハローワークからお話がありました。1つは、若年者等正規雇用化特別奨励金です。これは年長フリーター及び30代後半の不安定就労者、または採用内定を取り消されて就職先が未定の学生等を正規雇用した事業主に、一定期間ごとに対象者1人当たり中小企業は100万円、大企業には50万円奨励金を支給するものです。2つ目は、3年以内既卒者トライアル雇用奨励金です。これは高校・大学卒業後3年以内で就職活動継続中の新卒学卒者を、まず有期雇用で採用し、その後、正規雇用に移行させる事業主に奨励金を支給するものです。対象者1人当たり有期雇用中は月額10万円、その後、正規雇用化すると月額50万円支給されます。もう1つは、3年以内既卒者採用拡大奨励金です。3年以内既卒者を正規雇用した事業主に対して、雇い入れから6カ月経過後に100万円支給されます。こうした制度について、ハローワークの職員が事業主や関係団体を回り、制度を知らせながら、求人を募っています。

 しかし、絶対的に求人が不足しております。雇用をふやすために国がつくった制度ですが、事業主が活動している例はまだ少数です。例えば、今紹介した3年以内既卒者トライアル雇用奨励金の場合は、希望者143名中6名しかこれで就職することができておりません。私は、求人の開拓・掘り起こしに、自治体もハローワークとの連携をさらに強めていく必要を感じました。

 市内の企業、事業主がこれらの制度を活用して雇用を広げるように、商工会議所を初めさまざまな機会のたびに、積極的に市長からも生活経済課からも働きかけていただきたいと思います。雇用をふやしてこそ内需が拡大し、日本経済が成長を取り戻すことを呼びかけてほしいと思います。また、全国的に見ると、国の制度に似た制度を自治体で行って雇用を拡大したり、自治体自身が高卒で就職できなかった方を半年間採用して職業訓練を行っているところもあります。市内業者がこれらの制度を活用した場合、市として国の制度への上積みを行うなど、いろいろな方法での雇用拡大を検討してほしいと思います。

 ハローワークに聞くと、事務系の求人倍率は0.05倍、一方、福祉職は1.24倍とのことです。福祉職を希望する方もふえているそうですが、訪問介護のヘルパーは賃金が低いため、求人がいつも上回っている状況にあるそうです。介護職で安心して働けるようにするためには、賃金アップが必要です。日本共産党武蔵野市議団のアンケートでも、医療・介護で最も要望が多かったのが介護職の労働条件のアップでした。ミスマッチと言われる状況を改善する上でも、市として介護職の労働条件改善のための独自の助成制度を考えるべきだと改めて感じました。

 そこで1点目の質問です。国や市における若者の就職支援の現状について、市長の認識を伺います。

 2点目の質問です。市内各大学とも相談、連携、協力し、学生の就職難について市としてできる対策を講ずることを求めますが、いかがですか。

 3点目の質問です。邑上市政になってからこれまで、武蔵野市はハローワークと連携して就職相談会や就職面接会などを行ってきました。最近も、市がハローワークに場所を提供して、コピス吉祥寺に入るテナントの求人を募集する面接会が行われ、何人もの方の就職が決まったとのことです。ハローワークや商工会議所などと協議し、若者の就職支援をさらに強化するように、市としても努力することを求めますが、いかがでしょうか。

 4点目の質問です。大企業の内部留保、つまりもうけのため込みは、この1年間で何と11兆円もふえ、244兆円もあります。一方で、民間企業の労働者の賃金は12年連続で減らされ、年間平均給与は昨年より23万7,000円も下回りました。マスメディアでは空前の金余り現象と言われていますが、金が余っているのは大企業だけで、庶民の暮らしと雇用は厳しくなる一方です。この1年間でふえた内部留保11兆円のうち、たった3.4%を使うだけで新卒者15万7,000人を雇用できます。雇用を守るために市内大企業などに内部留保を適切に使わせるように求め、同時に国に対しても、大企業の内部留保を適切に使わせるように求めていただきたいと思いますが、見解を伺います。

 最後に、大きな4点目に、緑町1丁目のゴルフ練習場の騒音問題についてです。

 緑町1丁目にあったゴルフ練習場は、大手スーパーが開店したことにより新たにそのスーパーの屋上部分に建設をされました。しかし、そのゴルフ練習場の営業時間は朝9時から夜10時までですが、土日・祭日は早朝営業と称して朝7時から営業しています。それにより、朝早くから夜遅くまで練習等による騒音が生じています。音は上に広がりますから、周辺マンションやUR住宅、特にB4・5・6号棟の高層階の住民から苦情が出ております。さらに、騒音のために住み続けられず、引っ越しを余儀なくされた方も出ています。UR住宅の自治会は、業者に対して騒音問題について申し入れをしているとのことですが、事態は改善されておりません。

 そこで1点目の質問です。市として、この騒音問題に対する実態調査を行うことを求めますが、いかがですか。

 2点目の質問です。ゴルフ練習場の事業者に対し騒音対策を指導することを求めます。同時に、事業者に対して被害住民に対する適切な対応をさせることを求めますが、いかがですか。

 以上、大きく4点について市長の答弁を求めまして、壇上からの質問を終わります。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、橋本しげき議員の御質問にお答えしてまいります。待機児童対策等についてということでございますが、雇用問題あるいは若者の雇用問題、そして地域での課題等についての御質問をあわせていただいております。

 まず1点目の市の雇用問題ということでございますが、御案内のとおり、武蔵野市の市役所の中を見てもわかるとおり、市の正規職員だけではなく、さまざまな職員が仕事をしているわけでございまして、嘱託職員やアルバイトなどの非常勤職員の果たす役割は総体的に高くなってきていると認識をしております。幸いにも、これらの多数の有能な方々がお仕事をいただいておりますので、市政運営にとって欠かすことのできない大変重要な存在になっているということは事実でございます。

 嘱託職員の任用期間に関するお尋ねでございますが、本市では、嘱託職員は、地方公務員法第3条第3項第3号に定める、1年を任期とした非常勤特別職として任用しているということでございます。また、本市の非常勤嘱託職員取り扱い要綱によりまして、1年の任期を更新することが可能であるが、任期継続期間は5年を限度としているわけでございます。この制度に基づいて運用しているところでございますし、他の団体でも多くが任用更新限度を設けている状況にもございます。市としましては、市民雇用創出事業、あるいは緊急雇用創出事業に取り組んでいる状況にもございますので、1つには、多くの市民に就業の機会をつくり出すことも必要であるというふうに認識をしているところでございます。また、5年を経過しても、改めて本市の嘱託職員公募に応募することは可能でございますので、応募された場合には、再度、本市職員としての任用をするということも可能となってまいりますので、ぜひそういうような形の制度を活用していただければなというふうに考えているところでございます。

 正規職員と非正規職員の均等待遇ということでございますが、同一労働・同一賃金との関係でございますが、多くの労働判例を見ましても、雇用形態の違いによる報酬の差異については不合理なものではないと、労働基準法第3条の均等待遇に関する解釈として容認されるところとなっております。本市において非常勤嘱託職員では、常勤一般職と異なり任期が1年であるために、長期任用を前提とした人事異動がないこと、長期育成の観点からの一般職を対象にしたいわゆる職層研修については実施しておらず、人事評価も別制度となっていること。さらに、懲戒処分についても常勤一般職が対象であり、責任の重みや権限の範囲も異なることなどから、就業形態及び職務内容が一般職員と同一であるとは考えていないわけでございます。

 報酬額の水準の実態を申し上げると、さまざまな職によりまして幅がございますが、多くの職が時給換算では、常勤一般職である大卒初任給の水準、ことしの4月現在では時給に換算しますと1,402円という額になりますが、これは地域手当及び住居手当込みの金額でございますが、その大卒初任給の水準を上回っている状況であるというふうに認識をしているところでございます。

 3点目に、退職慰労金の廃止に関するお尋ねでございますが、学童クラブ指導嘱託員に対する慰労金の廃止につきましては、現在、所管のこども家庭部により嘱託員の労働組合と労使交渉中であるため、こちらからは交渉内容の先取りをするような発言を差し控えたいというふうに考えておりますので、本市嘱託職員としての総体としての考え方を述べさせていただきます。

 嘱託職員に従来支給しておりました期末報償金及び慰労金について廃止する方針につきましては、先ほど橋本議員が述べられたとおりでございます。これは地方自治法の趣旨から、非常勤嘱託職員への報酬以外の手当と解釈されるような期末報償金、慰労金については適正化すべきであるとの考えによるわけでございます。議員の御指摘のような条例化による規定は、嘱託職員の常勤職としての位置づけを前提とするわけでありますことから、本市の嘱託職員を非常勤としている位置づけとの不整合が生ずることとなるため、とり得ない方法であると考えております。なお、適正化に当たっては、同時に報酬額の改定を行う予定であり、その際には、期末報償金の廃止は、一般職の職員の給与改定状況、多摩各市の報酬水準の均衡などを考慮した上で、年収額が大幅に減少することがないような、影響が生じないよう配慮していく予定であります。

 次に、待機児童対策についてのお尋ねでございますが、来年度の待機児童の見通しにつきましては、11月1日現在を見ても、昨年度の同時期とほぼ変わっていない状況でございます。昨日の他の議員の質問にもお答えしましたが、さまざまな保育園等の解消をした結果があったとしても、なかなかそれが待機児の全体的な解消になっていないという状況を認識をしているところでございますが、今後の応募状況もまたありますので、それらを見ながら、今後の待機児童解消策については検討を進めていきたいというふうに思っております。

 認可保育園をすぐに増設しないのはなぜかというようなお尋ねでございますが、この間も認可保育園の開設を行ってまいりました。そして、さまざまな施策を積み重ねて積極的に待機児童解消に向かってまいったというふうには考えているところでございます。精華第二保育園については評価をいただいているところでございますが、それに加えて認証保育所もこの間4カ所、合計、認証保育所を含めての4カ所でございますので、定員は120名といったような形での増も行っております。また、保育ママの増員、公立保育園の定員見直しによる定員の増など、さまざまな施策を積み重ねているところでございます。市では、認可保育園だけではなくて、多様な保育環境の整備、さまざまな主体による保育事業の展開を目指していきたい、と同時に、当然のことながら、保育の質の向上、そして保育定員の拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。

 今後の具体的な予定としましては、認定こども園・境こども園の保育所分の定員を61名確保するということと同時に、北町保育園につきましても、移転・建てかえによりまして、定員増として30名規模の定員増を図っていくといったような予定をしておるところでございます。

 3点目で、安心こども基金の活用ということでございますが、新たに国の方も制度のさまざまな検討をいただいているところでございます。先日も公表されましたが、子ども・子育て新システムの施行が平成25年度以降になるということから、それを先取りをして待機児童解消先取りプロジェクトを来年度から予算化をしていくといったような情報も流れております。手元にある資料によりますと、平成23年度では200億円といったような予算計上を予定しているということでございまして、待機児童ゼロに先進的に取り組むモデル自治体で実施ということもございますので、この具体的な内容について、今、注視をしているところでございます。ただし、これらの制度の活用につきましては、まだ詳細がないものですから、十分にそれを見込んでの具体的な計画はまだできませんが、それらの制度の状況をよく見ながら、活用の可能性については今後よく検討してまいりたいというふうに思っております。

 次に、認可保育園の保育料の値上げということでございますが、認可保育園の保育料は、毎年、取り扱いの協議はしているものの、平成9年より、保育料審議会を設置しての保育料の見直しは行っておりません。ただ、受益者負担適正化の視点あるいは福祉的な面も考慮して、今後、値上げも視野に入れた検討の必要性も感じているところでございます。ただし、値上げを検討するという前提を設定してございまして、国徴収の基準比率ないし保育園の運営費総額に占める保育料の割合が一定程度以下になったときに保育料の見直しを行うか否かを検討するということにしているところでございます。結果として、今年度もその基準額が一定程度以下になっていないということから、検討を見送っている状況でございます。

 次に、幼稚園や認証保育所利用保護者への助成制度ということでございますが、現在では認証保育所、家庭福祉員を利用している児童の保護者の方に補助を行っているところでございまして、3歳未満児は月額2万円、3歳以上児は月額1万円を補助しているところでございます。認可保育園と私立保育園、あるいは認証保育所の保育料の違いについては、それぞれ差があるものと認識しておりますし、その課題も認識をしているところでございます。

 幼稚園におきましても、国や東京都の補助事業に加えて、市での単独での制度もあわせて実施をしているところでございます。現在国の方でも、子ども・子育て新システム検討会議においてもさまざまな支援の方策を議論しておりますので、それらの動向に注視していきたいというふうに考えているところでございます。

 次に、若者の就職難問題についてということで、国や市における若者の就職支援の現状等の認識ということでございますが、先ほど壇上で御紹介していただきましたような、東京都ないし国の大きな動きもございます。最近の例で申しますと、厚労省からは、大卒者に対する就職支援の強化ということで、緊急対策的な集中取り組みをするというようなことが伝わっております。これは既に11月から12月にかけての期間を集中取り組み期間として、大卒就職ジョブサポーターなどによって新規学校卒業者のための徹底した求人開拓の実施等々を、大学と連携のもとに取り組んでいるというようなことでございます。多くの就職支援の制度につきましては、国あるいは都が主導的に行っておる状況でございますし、それらの制度につなぐということ、それらの制度を多くの市民に伝えていくという市の役割もあろうかと思っておりますので、今後ともこれらの機関と連携をして対応していきたいというふうに考えているところでございます。

 なお、市内の商工会議所などとも協議をしてほしいということでございますが、当然のことながら、商工会議所は市内のさまざまな企業との関係を持ったところでございますので、商工会議所を経由して市内の企業等への就職等への協力の要請は検討していきたいというふうに考えております。

 最後に、大企業の内部留保の活用を図るようにというようなことでございますが、基本的には、内部留保金の活用というのは、本来、企業がそれぞれの状況に応じて経営判断を下して活用するものというふうに考えておりますので、市が直接どうのこうの言う話ではないというふうに思っております。経営者に対して雇用を守っていただきたいと求めたいということは大変理解できますけれども、これは企業そのもののこれからの経営上の課題だというふうに思っておりますので、経営者の適切な判断にゆだねていくべきだろうというふうに考えるところでございます。

 最後に、地域の課題の中で、緑町1丁目のゴルフ練習場の騒音問題ということでございますが、既にこの件は、市にもさまざまな課題が寄せられておりますので、近々に近隣住民やUR担当者立ち会いのもとに騒音測定を実施する予定としております。そして、騒音測定の結果にもよりますが、必要に応じまして事業者への指導をしていくことというふうになろうかと考えているところでございます。

◯3 番(橋本しげき君)  まず、市の雇用問題についてなんですが、1番目の嘱託職員の1年更新・5年雇いどめというのは、要綱でそういう規定があるという話ですね、5年でというのは。ですから、要綱でそれはできる問題だということですので、しかも5年過ぎても改めて応募することは可能であるという答弁だったんですが、それなら希望する人は最初から継続雇用にするということもできるわけで、ですからそこを私は改善していただきたいと思うんですが、これは要綱ですから直せるわけですね。もう一度答弁ください。

 それから、学童保育指導員の退職慰労金の問題なんですが、今、組合と交渉中なので云々という答弁がまずありました。ということであれば、庁内報が出ましたけれども、庁内報の最新の12月7日付ですね。これを見ると、嘱託職員の期末報償金と退職慰労金の廃止は、もう決まったかのような書かれ方になっているわけですよ、もう実施しますと。一方で、今の答弁は組合と交渉中ですと。これはどういうふうな説明をつけるんですか。それをまず答弁してください。

 それから、今、非常勤職員ということで、地方公務員法も紹介されたんですが、非常勤職員としているから常勤とみなすやり方はとり得ないんだという御答弁がありました。確かに、非常勤職員という扱いなんですが、ただ、その地方公務員法と地方自治法はそれぞれの概念が、それから目的が違いますから、だからこれは、言葉だけを一致させて中身が同じだと判断するのは、私は適当でないと思います。

 それで、先ほど判決を2つ紹介したんですけれども、枚方市の判決を言ったんですが、その中でこういうふうに言っていますよ。本件非常勤職員が非常勤職員と呼称されていることに法的な意味を認めることはできない。勤務実態は常勤職員と大きく変わるものではなく、常勤職員と同様、生計の資本としての収入を得ることを主な目的としてそれぞれの職務に従事してきたものと推認される、ここでやっている裁判の人ですけれども、されるから、地方自治法204条所定の常勤の職員に該当するものと解するのが適当。つまり、非常勤という言葉だけでなくて実態で見るべきですよというのが判決の中身なんですね。だから、形式で見るべきでないというのが、もうこれはそういう判決であります。

 そこで、地方自治法を見ると、203条は非常勤職員の報酬等について決めているわけですよ。決めているというかその条項があるわけです。204条は、常勤の職員と短時間勤務職員の給料、手当を定めているんですよ。非常勤ということで言うと203条になるんだけれども、裁判所の判決は、実態は常勤であれば204条ですよと言っているわけですね。そこら辺を市はどういう見解を持っているのかというのを御答弁ください。

 それからもう1つは、今挙げたような極めて最近の裁判の判決についてどういう認識を持っているのか、それも同時に伺いたいと思います。

 それから次に、大きな2番目の待機児童対策なんですが、いろいろ御答弁ありまして、私が聞き漏らしたのかどうか、認可保育所増設を今後、以後、武蔵野市で行わない理由を明確にしてくださいと言ったんですが、そういう答弁ありましたでしょうか。ちょっともう一度明確に答弁していただきたいと思います。つくらない理由ですね。要するに、ほかにいろいろな取り組みをやりますよという説明はあったんですが、なぜ認可保育園をつくらないのかの明確な理由を御答弁ください。

 それを御答弁いただいて、それから保育料の値上げの問題では、今、検討という言葉もあったんですが、ただ、いろいろ基準があって、それを満たしているかどうかということの判断でということでしたね。保育料の値上げについては、私は、今、少子化対策、それから子育て支援の状況からいって、やっぱりすべきではないというふうに判断しております。それに逆行すると思っております。だから、そういう少子化対策の観点から、保育料の値上げというものに対してやっぱりすべきではないと、それについてどういう見解を持っているのか。要するに、数字的に何とかの基準ということではなくて、全体の少子化対策の観点からどう考えるかということについて御答弁ください。

 それから、今回も受益者負担の適正化という言葉が出たんですが、本当に受益者負担の適正化という言葉がまるで水戸黄門の印籠のように出てきて、それで、受益者負担の適正化と言えばそれで何か説明した中身があるかのようなことが、この問題だけではなくて、いろんなところであると思うんですね。それで、私が聞きたいのは、受益者負担の適正化というのは一体どういうことかと。つまり、これを徹底化していくと、物すごい負担がそれぞれの人に押し寄せることになりますよ。だから、適正化というのは何をもって適正化というのかということについて、私は考えを伺いたいというふうに思います。

 それから若者の就職難問題ですね、これについては今、答弁がありまして、本市では、先ほども言ったんですが、邑上市長になっていろいろ取り組みが強まっていますので、さらに取り組んでいただきたい。私、この間ハローワークに行ったときに、ハローワークの所長に対して、行政に何を期待しますかというふうに聞いたんですよ。そうしたら、その所長さんが言っていたのは、行政がもっとハローワークを利用するように事業主に呼びかけてくださいと。つまり、求人をもっとふやしたいわけですね。だから、ハローワークを利用するように呼びかけてほしいというお話が所長さんからありましたので、それはお伝えしておきたいと思いますので、ぜひその方向で進めていただきたいと思います。

 ゴルフ練習場の問題は、今、前向きな答弁がありましたので、解決のために進めていただきたいということで、今述べたことについての再答弁を求めます。

◯市 長(邑上守正君)  嘱託職員の任用期間、更新期間ということで、現時点では5年ということを設定しておりますが、理由につきましては、先ほどもお答えをしておりますけれども、さまざまな多くの市民に雇用機会をふやしていきたいということから、ある一定程度、1年限りの雇用期間であっても5年までは可能としようという判断のもと、行っているものでございます。非常勤と常勤に関するさまざまな地方公務員法上の課題も御指摘をいただきましたが、条例制度に関する点については、後ほど総務部長から御答弁を差し上げます。

 待機児童対策の中で、認可保育園はつくらないとは言っていないんです。子どもプランを見てもわかるとおり、否定はしていないですね。さまざまな保育施設を積み重ねてさまざまなニーズに対応していこうということでございます。ただ、現時点で具体的な認可保育園の予定がないということでございます。さまざまな今後の状況、課題を見ながら適切に判断をしていきたいというふうに思っております。

 それから、保育料の値上げに関しても、これはやみくもに値上げするということはあり得ないということだと思っております。ただし、受益者負担と言っているからには、きちんとしたある程度の理由を持ってしかるべしだというふうに思っておりますので、その一つの考え方として、先ほど申し上げました国の基準の数値、あるいは全体の保護者の皆さん方の負担率等々をある程度の視点、尺度として考えていこうということでございますので、そういった数字でこれからも検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 就職問題につきましては、必要な方はハローワークに行かれるとは思いますが、機会を通じてハローワークの宣伝等もしていきたいというふうに思っています。

○総務部長(五十嵐 修君)  判例等の具体的なことについてのお尋ねがございましたので、そこら辺について御説明申し上げますが、まず、大阪の枚方市の判例でございますけれども、これは平成20年10月に大阪地裁では、条例できちんと定めがないということで、これは退職手当のようなものについても違法だというような判決が一たんございました。で、ことしの9月17日に大阪高裁の方では、そこの判断については逆転されまして、条例で基本的な上限額を定めてあるのでいいというようなことで、考え方としては、先ほど橋本議員おっしゃったように、地方公務員法の非常勤職員というだけでなく、地方自治法上の常勤職員かどうかは、その実態とか勤務時間その他総合的に判断するものだ、このような判断がなされております。ただ、この判決は、市側の方で現に退職手当のようなものを出している、それが違法ではないかという訴えがあって、それに対して最終的に先ほどのような判断があったわけですけれども、当然のことながら、市の方で本来、そういう非常勤職員という形でも実態が常勤職員に近いんだから、そのような職員については条例化をして退職手当のようなものを出せとか、そのような判決ではございませんので、そこはあらかじめ申し上げておきたいと思います。

 多摩地域の私ども26市でも、現在、この退職金に近いような形で非常勤職員に支出をしておりますのは、本市ともう1市だけというような実態でございますので、全体的な状況を見たときに、これは制度としては退職金のようなもの、あるいは期末報償金という形で出しているボーナスのようなものも適正化をすべきだ、このような考え方でございます。なお、先ほど、庁内報で出ているけれども、学童は交渉中、おかしいではないかというお話でございましたが、主管者会議の説明の際に、私の方からも、これは学童については現在交渉中なので、それを除いて一般的な嘱託の話である、このように申し上げたのですが、ちょっとごらんになった庁内報ではそこまで書いていない、こういうことでございます。

◯3 番(橋本しげき君)  今の嘱託職員の話なんですが、今、判決についての認識を答弁があったんですね。ただ、今の総務部長の答弁は、その枚方の判決について、条例化しようという判決ではないんだということでしたね。その前段までは認めているわけですよ。ただ条例化しろという判決ではない。確かに、条例を見ると条例を制定することはできるとなっているわけですから、それは条例化しろというわけじゃないわけです。ただ、条例化するなと言っているわけじゃないわけで、これは条例化できるんだからすべきなんですよ。それで、私はさっき壇上でも言いましたけれども、今、暮らしが大変な中で、市がワーキングプア的なものを広げていいのかということを私は問題提起しているわけでありますが、まさに市が率先してそういう大変な人たちをさらにつくり出すことになると。だから、そういう解決の方向ではなくて、きちんと条例化をして常勤的実態をちゃんと条例的に認めるということをするべきであります。

 それから、庁内報で私、さらにびっくりしたのは、これは後で議案になっていますけれども、管理職の手当を上げるというのが出ていますでしょう。私は、ほかは下げて、ワーキングプアを一方でせっせとつくり出して自分たちだけ上げるなんて、とんでもないと思いますよ、これは。断じて許されないと思いますよ。そういうやり方ではなくて、ちゃんと全体のことを見て、やっぱりこういう常勤的な人たちはきちんと保障するという仕組みにしていただきたいと、私は強く求めます。それが1つです。

 それからもう1つ、待機児童の問題で、認可保育園の増設を、以後やらないとは言っていませんと。まあわかります、それは。こどもプランにもそういう記述ですから。ところが実際は計画がないというところについて、具体的な計画がないわけですから、そこについて聞いているわけですね。それで私は、認可保育所の増設をなぜ武蔵野市で今後行わないのか、明確な答弁を求めますと言ったんですが、明確な理由が出ていないんですね。それで、今までいろんなところで聞いている話では、例えばこれからの人口予測で、10年後になると子どもたちががくっと減るということをまず言っていますね。それから、私が前々回、6月に一般質問したときは、認可保育所の四、五歳児にあきがあるということも、つくる計画を具体的に持っていない理由の一つとして答弁がそのときはありました。だから、いろいろ答弁があるわけです。

 そこで、人口の問題で言うと、確かに今、少子化ですから、いろんな人口予測があると思いますよ。ただ、きのうの他の議員とのやりとりでも、人口予測について幅があるという答弁なんですね。だからそれは、やっぱり10年後にがくっと減るという大前提に立つのではなくて、そこは当然幅があるということだから、そういう見方でしていただきたいということと、それから少子化の問題なんですが、私は、少子化対策の観点からもやっぱり認可保育所の整備が必要だという順番だと思うんですよね。それからもう1つ言うと、子どもの数イコール待機児童の数ではないわけですよ。つまり、今何で待機児がこれだけ問題になっているかというと、経済的不況で両親が働きに出なきゃいけない、そうすると子どもを預けるということになって、預けられない、待機児がふえるという状況があるわけです。だから、そこら辺を考えると、子どもの数イコール待機児童の数じゃないので、そういう状況も判断して言っていただきたい。ちょっと答弁してください。

◯市 長(邑上守正君)  待機児対策というのは、私は、子どもプランで掲げているように、さまざまな保育ニーズがある現状からすれば、さまざまな保育施設等の活用がふさわしいのではないかなというふうに思っているところでございます。認可保育園についても、必ずしも否定しているわけではなくて、さまざまな状況を見ながら検討していこうということでございますので、否定的に決してとらえないでいただきたいなというふうに思っています。

○総務部長(五十嵐 修君)  先ほど、条例化をすべきだいう御意見をちょうだいいたしましたけれども、まさに、どういう形で非常勤職員に働いていただくかというのは、政策的な問題でございますので、先ほど、初めに市長から答弁も申し上げたように、ワーキングプア云々ということについては、多摩の各市との均衡あるいは大卒初任給の時間換算した場合のそれとの均衡、そういうものを総合的に判断して対応していこう、こういうことでございます。
                               
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