●一般質問「『今後の公共施設配置のあり方について』の位置づけ等について」(2011年2月28日) 梶雅子
◯4 番(梶 雅子君)  今回、私、梶 雅子、3期12年間の議員生活最後の一般質問です。毎回の定例会で一般質問してきましたので、これが48回目の質問となります。毎回、その時の市民の願いを質問してまいりました。今回は、武蔵野市公共施設配置の在り方検討委員会の作成した、今後の公共施設配置のあり方についての位置づけについてと、何度も私がやってきた少人数学級の早期実現についての大きく2点を質問いたします。

 大きな1点目は、今後の公共施設配置のあり方についての位置づけについてです。

 武蔵野市は、第五期基本構想・長期計画の策定に当たり、今後の公共施設の配置のあり方について、庁内での考え方の整理を行うため、武蔵野市公共施設配置の在り方検討委員会を設置しました。検討委員会の構成は、2名の副市長と各部の部長で、その下に各部の課長で構成する作業部会があります。この検討委員会の作成した今後の公共施設配置のあり方についてでは、第五期基本構想・長期計画策定のたたき台として、公共施設配置の原則と個々の施設の今後のあり方について検討を行い、個別施設について検討委員会の結論を出しています。一方、第五期基本構想・長期計画の討議要綱では、長期計画策定に当たっては、市民参加によって策定された個別計画(現在改定中の計画に寄せられた意見も含む)を尊重するとなっています。武蔵野市は、計画行政を重視してきた自治体の一つであり、評価すべき点も多くありますが、市民運動をしている方々にとっては、長期計画に今後の実行計画や施策として記載されることは重大なことになります。

 今回の討議要綱では、幾つかの具体的な施設の今後のあり方が、策定委員会の委員長のおっしゃる、皆さんの御意見を拝聴するためということで記載されています。しかし、その内容は、今後の公共施設配置のあり方についての検討委員会における結論は尊重されていますが、この間、それぞれの地域から出ている市民の意見・要望を尊重したものになっているのでしょうか。個別計画と違う点もあります。

 そこで、4点質問したいと思います。

 1点目に、討議要綱では、旧泉幼稚園跡地、西部図書館跡地、市民会館の図書室、旧桜堤小学校について、市民の意見よりも検討委員会における結論が尊重されていることを市長はどのように考えますでしょうか。今、ここで泉幼稚園跡地と西部図書館に関しての市民の方々の要望、今までの住民運動との関係で伺います。

 地域の幼稚園として多くの人々に親しまれた泉幼稚園は、2006年、平成18年3月に閉園いたしました。そして、その跡地については、8月に私立泉幼稚園跡地購入に関する陳情が出されました。内容は、跡地を市に購入してほしいこと、子ども、青少年、高齢者が集うことができ、泉幼稚園の財産である泉文庫1万冊の蔵書を活用できる施設を要望するというもので、採択されました。その実現に向けて、11月からは、中央コミュニティセンター、御殿山コミュニティセンター、吉祥寺西コミュニティセンターの3コミュニティーのネットワーク事業として会合を重ね、学習を重ね、翌平成19年5月には泉幼稚園跡地利用を考える会実行委員会に継続され、今日まで続いています。

 実行委員会として、夏ミカンの収穫とマーマレードづくり、柿の収穫、施設見学会などにも取り組んでいます。このような地域住民の熱意と努力が実り、第三次子どもプラン武蔵野には、基本目標3子育て支援施設の整備の項に、泉幼稚園跡地については、その利用方法を現在検討しているところですが、周辺地域が既存の0123施設から位置が離れていることや、中町集会所、吉祥寺西コミセンのコミセン親子ひろば事業の利用者が多いなどの理由から、地域の子育て支援施設へのニーズは高いと考えられます。これらの状況から、跡地には子育て支援機能を有し、今ある樹木や泉文庫を活かした施設づくりの検討を進めますと記載されています。運動してきた市民の方々は、この方向で行くと考えていました。ところが、討議要綱には、市民の意見を尊重した第三次子どもプラン武蔵野の結論ではなく、検討委員会の結論がそのまま書いてあり、運動してきた方々はとても驚いています。

 2月18日発行の庁内報武蔵野の993号によれば、泉幼稚園跡地を利用した子育て支援施設のあり方について、第三次子どもプランや公共施設配置の在り方検討委員会報告書での内容を踏まえ、第五期基本構想・長期計画を念頭に置いた具体的な検討を行うため、検討委員会の設置期間の更新と委員の変更を行いました。設置期間は平成24年3月末までで、平成23年度じゅうに施設概要案を取りまとめる予定となっています。この検討委員会に市民の声はどのように反映されるのでしょうか。また、ここで取りまとめられた施設概要案が長期計画に反映されるのでしょうか、伺います。

 西部図書館跡地については、検討委員会における結論では、歴史資料館(公文書・民俗資料等)として活用する。その際、保存していくべき資料を厳選していく。また、資料の閲覧の他、市民の利用可能なスペースを確保するとなっています。討議要綱では、閉館する西部図書館の施設は、市民の利用可能なスペースを持つ歴史資料館として活用するとなっています。これも検討委員会における結論のとおりのことが書いてあります。西部図書館については、9月9日の文教委員会での議案第55号 武蔵野市立図書館設置条例の一部を改正する条例の審議で、西部図書館移転後の施設の利用については、周辺住民と話し合いの場を設け、文教委員会での議論を踏まえ住民への還元施設としての目的に沿うよう慎重に進められたい。今後、施設利用については、議会との議論を通じて理解を得られるよう最大限の努力をされたいという付帯決議が文教委員会の委員全員の賛成で可決されました。

 西部図書館の存続に関しては、今までも陳情が出されてきましたし、現在、西部図書館跡地を市民の複合施設に、の地元住民の会が陳情署名に取り組んでいます。市長は、9月9日の文教委員会での発言、西部図書館跡地利用については、今後も議会との議論を続けるとともに、周辺住民の御意見も聞いてまいりたいと考えておりますを守ってください。

 今、泉幼稚園跡地と西部図書館跡地についての地域住民の方々の取り組みを述べましたが、地域住民の方々は本当にいろいろ頑張って、息長く運動しています。ぜひ利用者と話し合いの場をつくり、その声を市政に生かしてください。改めて伺います。市役所の行政サイドでつくった検討委員会における結論が尊重されていることを、市長はどのように考えますか、伺います。
 2点目に、お年寄りがいつでも自由に利用できる居場所を各町、各丁目など、地域生活単位としてのコミュニティレベルにつくることを計画してください。

 まず、本宿こどもクラブ、井之頭こどもクラブ、吉祥寺西コミュニティセンターの地下の移転跡、また法政高校跡地などに、市民の声、高齢者の要望を聞きながら、本当に自由に、そして高齢者の方が制限なく利用できるような施設を検討していただきたいと思います。

 3点目に、吉祥寺美術館音楽室の存続についてです。この音楽室は、音響効果がよいこと、合唱練習に必要な広さがある、市内でただ一つの施設で、利用率もとても高いものです。検討委員会における結論は、音楽室の移転、または廃止を検討するというもので、利用者は大変驚き、市長に要望書を出している団体もあり、現在、陳情も出ています。そこで、陳情に余り差しさわりのない範囲で質問いたします。

 まず第1に、この検討委員会における結論は、利用者の意見・要望を聞いて結論を出したのかを伺います。

 2点目に、利用が多い音楽室の廃止、そしてほかには代替機能のない、この音楽室の廃止を直ちに撤回してください。

 3点目に、音楽室の移転または新設を検討するときは、武蔵野公会堂など吉祥寺駅周辺の公共施設の再配置を進めるときは、必要な機能を考えてということが検討委員会における結論にも書いてありますけれども、吉祥寺駅周辺の公共施設の再配置を進めるときに、音楽室は必要な機能の一つと位置づけ、市民・利用者の意見を聞いて考えてください。

 4点目に、本町コミュニティセンターは、2階、3階、特に座れるいすの席は3階の会議室なので、高齢者にとって、また私が初めてつえをついてやってみたら、2階までは何とか行くのですが、3階までというのはとても厳しいということがつくづくわかりました。本町コミュニティセンターに、今、キャタピラー式の昇降機のようなものがあるんですけれども、あの設置を考えることはできないでしょうか。そして、もしその設置が無理なら、2階の和室の1室をいす式でも使用できるような机、いすの設置を考えて、畳の部屋でも座布団に座らないで、いすに座って会議ができるような部屋にすることは考えられないかを伺います。
 大きな2点目は、少人数学級の早期実現についてです。文部科学省は、30人、35人学級を8年計画で実施する計画案を発表しました。そして、平成23年度より、小学校1年生の35人学級が実施されます。東京都は、今年度1年生を38人学級にしました。よって、4月からの平成23年度は、1年生は35人学級、2年生は38人学級、3年生は39人学級、4年生以上は40人学級というクラス編制になります。

 そこで、質問をいたします。質問通告で3になっていたのを1番目に持ってきました。

 市長は、2期目の政策として、8つの重点政策の2番目に小学校低学年の少人数学級実現を掲げて市長となりました。少人数教育と言うのなら、授業科目ごとに学校が違う少人数指導より、生活集団と学習集団が同じ少人数学級の方が効果があります。国の方向を先取りし、少人数学級を実施してください。市長の決意を伺います。

 2点目に、武蔵野市は少人数指導を進めるとしています。今回、国が1年生を35人学級にしたのも、少人数学級の効果が実証済みだからです。どうして武蔵野市は少人数指導にこだわるのかを伺います。

 3点目、もし国の方針で学級編制基準を弾力的に設定できるようになったら、武蔵野市は率先して少人数学級を実施するべきと考えますが、市長と教育長の考えを伺います。

 4点目、武蔵野市では、少人数指導、チームティーチング、学習指導員など、加配の教員がたくさんいます。教育長は、私の2008年9月議会の一般質問に、確かに1クラスの人数が少なくなると、一人一人に目が行くということは当然のことながらありますと答弁しています。これら加配教員の市独自の活用で、一人一人に目の行き届く少人数学級に取り組んでください。私は、一人一人の子どもたちが大切にされ、行き届いた教育をと願って、少人数学級の実現について何回も一般質問をしてきました。少人数学級になれば、すべてが解決するわけではありません。でも、すべての子どもたちに行き届いた教育にするために、行政ができることは最大の努力をするべきです。今、少人数学級に取り組んでいないのは、全国で東京都だけです。この春に東京が変わり、暮らし、命、教育が大切にされる東京になることを願って、私の最後の一般質問を終わります。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、梶 雅子議員の一般質問、最後ということでございましたが、お答えしてまいります。

 今後の公共施設配置のあり方についてということで、討議要綱でも幾つかの施設についてはさまざまな方向性がたたき台という形であるわけでございますので、基本はそのたたき台を大いにたたいていただきたいと思います。個別計画というのは、これは市民参加を得ながら検討して、一定の手続を経て策定してきたものでございますので、当然のことながらさまざまな個別計画というのは尊重する必要があると考えておりますが、基本構想・長期計画の策定に当たっては、さらに行政分野全般、市域全般を見渡した上での総合的な観点での検討を行う必要があると考えておるわけでございます。現在、討議要綱で議論するためのたたき台として取りまとめていただいたわけでございますので、ぜひそのような趣旨で、昨日も地域別・圏域別の市民懇談会、意見交換会が行われたようでございますが、さらに多くの皆様方においてもさまざまな意見を提案いただきたいと思っております。

 なお、幾つか施設についてお話いただきましたが、泉幼稚園跡地も基本的には子どもプランで掲げた子育て支援施設と機能、プラス樹木、プラス泉文庫といったことが基本的な要素であろうと思っておりますので、討議要綱の中でも基本的には子育て支援施設及び公園としての活用と、そこに保育サービス機能を有するということで、いろいろ誤解があるようでございますが、基本は泉幼稚園跡地については、保育園にしようという当初の市の考え方は地域から否定されたということもございますので、これも保育サービス、イコール保育園ということではないと思っておりまして、何らかの一時預かり等を含めた保育サービスではないかと思っております。それについても、あくまでも文言が少ない限りでございますので、ぜひ意見をいただきたいと思っております。

 西部図書館につきましては移転が決まっておりますが、その中でも議会でも付帯意見の中で、地元還元施設として地域の皆様方に十分に意見を聞く場をつくってほしいとの御意見もちょうだいしておりますので、現在、討議要綱をもとにさまざまな意見を集めていただいていると認識してございます。それも踏まえて、大いに議論した上での方向性を定めていきたいと考えているところでございます。

 次に、居場所に関する御提案の中で、さまざまな場所について、お年寄りが自由にできる居場所をつくったらどうかということでございます。基本的には、居場所としては大きくは各地域のコミュニティセンターが、これは世代を超えた居場所であろうと考えているところでございますが、さらに高齢者の居場所としては、テンミリオンハウスや高齢者総合センター等がこれに当たるのではないかなと思っておりますし、さらに人によっては、それぞれ居場所の感覚が違うかもしれません。図書館とか体育館とか、それぞれの目的に応じた、その人なりの居場所が市内にもあるように考えるところでございます。片やもう少し狭い範囲での、近隣レベルでのコミュニティーを含めた居場所としては、大野田福祉の会が自主的に運営されています、例えば「ひびのさんち」的なものが一つのモデルケースになってくるのではないかと思っております。

 市民社協の中期計画では、地域の縁側のような場所としての居場所づくりの必要性を位置づけておりますので、今後、その居場所なる場所のあり方等については、大いに議論を深めていく必要もあるのではないかと思っております。さらに、この間、コミュニティーに関するさまざまな課題が挙げられておりますが、そういう地域での居場所をつくるということがコミュニティーの醸成につながるということも想定されますので、大いにこれから議論を深めていくべきではないかと思っています。今後、基本構想・長期計画ないし地域福祉計画の中で御議論いただきたいと考えているところでございます。

 次に、吉祥寺美術館付属音楽室についてですが、これは音楽室自体はF・F市民ホールの時代、かなり古いですね。多くの市民の皆様方に御利用いただいているということでございます。広さも150平方メートルあるということで、大変多くの皆様方が一堂に会して、ピアノ練習からダンス、合唱団まで、さまざまな方々が活用されておるということは認識しております。また、利用率も極めて高い。ほとんど使われている状態であるとも認識してございます。

 一方で、本体であります美術館そのものは、企画展示室が148平方メートルで、音楽室ぐらいということで、企画展示室としては小規模な施設となっております。展示できる作品も40から60作品が限度である状況でございます。一般的には、美術館のさまざまな企画展というのは、他の美術館との連携をする場合が多いのですが、吉祥寺美術館が小さいものですから、なかなか他の美術館との共同の企画がなかなかとりにくいということを聞いております。通常ですと、100点以上を展示する他館との連携ができれば、そのような幅広の企画展示も可能となってくるところでございますが、小規模の企画しかできないという状況もございます。

 また、現在の課題で申しますと、音楽室利用者と美術館利用者の動線が交差してしまう。それから、音楽室からの音漏れというのも、実は完全に防げていない状況にもございます。出入りに伴う音などは、美術館とはなかなかマッチングしないということも事実として挙げられております。同時に、美術館の認知度もこの間、極めて高まっておりまして、来館者数も極めて多い傾向にございます。先日まで開催した「100かいだてのいえ」でしたか、あれは美術館での最大入館者数を達成したと聞いております。
 美術館の拡充の要否とあわせて、音楽室の移転または廃止を検討するとしておるのは、これはこういうふうに結論を出したということでは当然ございませんが、まずは今後、美術館をどのように運営していくのか、目的やコンセプトを明らかにして、その施設のあり方を検討した上で、企画展示室等の拡張等が必要であるということであれば、音楽室のあり方もあわせて検討してまいりたいと考えております。

 次に、本町コミュニティセンターのキャタピラー式の昇降機の設置ということでございますが、幾つかパンフレットを取り寄せてみましたが、1つは大型のキャタピラー式、そのまま車いすを乗せられるようなものについては、本町コミュニティセンターの階段室の踊り場の余裕が少なくて、足りなくて、これは極めて導入が難しいということでございます。もう少し小型の簡易型の機械もあるのですが、安全面で安定性がないという課題もありまして、一概にオーケーというわけにはなかなかいきません。しかも、操作については、これは当然1人ではできず、付き添いが必要となってきますし、メーカーの講習受講が求められているということもあって、だれでも操作できるという状況ではございません。特定の施設であれば、何らかの福祉施設あるいは駅もそうでしょうが、その専用の係の者がおれば、こういう対応も可能なのですが、コミュニティセンターの場合、果たしてそういう人員を日ごろから確保できるかどうかも含めて課題があるのではないかと思っております。これに限らず、さまざまな機器の開発等もあろうかと思いますので、情報の収集には努めてまいりたいと思っております。

 次に、小・中学校の少人数学級に関するお尋ねでございますが、後ほど教育長からも答弁いたします。少人数学級というのは、私の公約の一つでございます。しかも、低学年における少人数学級をぜひ実現したいと考えておりまして、東京都にも意見を口頭で述べた経過もございます。この間、東京都も小1プロブレム、中1ギャップという対策のもと、一定程度の40から39、39から38といったステップを刻んだような形での対応をスタートされている状況でございますし、このたび、国も小1のみではございますが、35人以下学級に向けた取り組みを進められた状況にもございます。このように、小学校低学年での少人数学級に向けて動き始めた状況でございますので、今後も国や都の動向を見ながら、さらにその対応について強く要望を進めてまいりたいと思っております。

◯教育長(山上美弘君)  少人数学級のことですけれども、長年にわたり御質問いただきましたので、私も、はい、そうですと行きたいですけれども、ぶれないで所信の考え方を通したいと思っています。

 まず、政府は市立小学校の1クラスの上限を35人に下げるという義務教育標準法の改正案を閣議決定しました。文部科学省は、当初、2011年度から8年間で小・中学校の全学年を35人学級に引き下げるという方向で同法を改正する予定でしたけれども、またここで財務省との話し合いの中で、財政事情から少人数化の前提となる大幅な教員増が厳しいということで、1年のみ35人と。ですから、ことし4月は、先ほど言いましたように1年生は35人になります。

 一方、今、市長の方から申し上げましたけれども、東京都は1学級を40人という学級基準は変えないという発想です。ただし、小1プロブレムとか中1ギャップというものがあるから、これは上限を40人というのは変えないけれども、実際には39人にしていく。それから、今後2年ごと、さらに上限を下げて37人まで持っていきましょうという状況です。

 したがって、先ほど梶議員が言われた数がちょっと違ってくるんですけれども、平成23年度に関しては、ことし4月から小学校1年生は35人学級になります。2年生は、昨年39人だったのが、そのまま学級維持制度で上がって39人ということです。都教育委員会は、1年生と中1のことしか言っていないんです。3年生以上は40人という状況になります。このように、都だけじゃなくて、国の方もこの問題に取り組むようになりましたので、状況が流動化しています。これを聞きますと、全体的にすぐ少人数学級になるかなと思いますけれども、本市においては、この35人学級の適用があるのは第三小学校と大野田小学校です。今のところですよ。生徒数が変われば、また変わってしまいますから。東京都の制度が適用される学校はありません。こういった状況です。

 それで、初めの、効果は実証済みだということで、何で少人数指導にこだわるのか。これはずっと言われていた質問ですけれども、要するに少人数学級というのは学級の生徒の数を減らそうという話です。定数にかかわるわけです。この生徒の数を減らしたら学習効果が上がるかどうかということは、先生の指導力とか、その子どもの家庭的背景とか地域的背景、いろいろなものに限定されるものですから、1学級の数を減らしたことによって、すぐ学習効果が上がると言い切ることは難しいですよと、私はずっと言ってきました。

 ただ、私は先ほども、一人一人に目が行き届くようになるのはたしかだというのは、今回の少人数学級をまた中央教育審議会で提案している意味が違うんです。日本の学校というのは、御存じのように、学習集団と生活集団で一緒にやってきたんです。あの中で一つの効果を上げてきたんですけれども、最近、御存じのようにさまざまな子どもが学級の中にいまして、教員も指導にいろいろ苦労しているという状況があります。そういうことで、もう少し学級の人数を減らして目が行き届くようにしていこう、一人一人に行き届いた教育をしていこうという生活指導あるいは生徒指導面で、これは効果があるという考え方です。そのことで学級が安定すれば、それが学習指導にもつながるかもしれませんよという分析のもとで、今回の少人数学級が提案されているんです。それと同時に、御存じのように、OECDでも今、日本はどのぐらいだといいますと、中学校は33人ですけれども、OECD平均は23.7人です。小学校は、日本は今28人なんですけれども、OECD平均21.6人ですね。世界的な流れの中でも、もう少し学級の規模を下げていくということが教育的に大事じゃないかということがありまして、この問題が表に出てきたんです。

 にもかかわらず、この問題ですぐイエスと言えなかったのはなぜかといいますと、学級を何人にするという基準は都道府県が持っています。都教育委員会がずっと40人、今も変わっていません。したがって、区市でそれに対して、うちは38人でいくということはできません。同意権も持っていますから。そういうことでできませんでしたので、今まで少人数指導という形で、うちはそれに2,000万円近く使っているんですけれども、そういうことで対応してきました。それが今までの流れでございます。

 次に、簡単に言いますと、弾力的運営となったらどうか。ここがまたすごく気をつけなければいけないところです。教員の数というのは、例えば都道府県で1学級35人なら35人と決めたら、それで振られるんです。したがって、もしかある区市が、都は35人と言っているんだけれども、うちは30人でやると言えば、それに対しての人もつけないし、お金もつけないという話ですね。これは区市で勝手にやってくれという話になります。これは、ちょっと本当の教育の今までやってきた機会均等というところから大分違った方向に行くのではないか。私は、これはすごく問題であるなと。これはあくまでも、国・都で一律にやるべきことであると私は思っています。それから、もしか人事権を移譲すると言うなら、人事権というのは採用権だけじゃないんですよ。研修権も入れば、教員の配置と移譲の問題もあるし、服務監督の問題もさまざまあります。こういうのを1市だけでやるというのは非常に難しい問題があるので、1市だけでこの問題に踏み切るというのは難しいとずっと言ってきたんです。

 しかも、ここで非常に流動的な状況が出てきました。したがって、この流動的な状況の中で、私たちが今、本当にやるべきは、学級の状況を早く改善しろということを教育長会あるいは市長会で訴えていくこと。各市で、うちは金があるからやっちゃうという問題では決してないと思っています。この問題は、非常にこれからの教育の根幹を担うことですので、梶議員の言うようなことも踏まえながら、我々は今後とも対応していきたいと思っています。

◯4 番(梶 雅子君)  ありがとうございます。

 1点目の今後の公共施設のところは、今回いろいろな方がやっているところ等も絡んでくるんですけれども、今後の公共施設の検討委員会における結論というのは、ある意味で行政サイドのお考えだと思うんですよね。どうもこれが尊重されてしまっているんじゃないか。今まで市民の方がいろいろやってきた。その市民の声、こうやってほしいといろいろ陳情したり、運動したりしてきたことが、こう書かれてしまうとできなくなるんじゃないか。市民にとっては、その書かれていたことだけを見て、もううわっということになってしまうんですよね。特に、武蔵野市は計画でいろいろやっていく行政の場合は、長期計画にきちっと書かれるということは、今までだって書かれてやれないこともなかったし、書かれないでやられたこともありますけれども、これは住民運動をなさってきた方にとても大きな、すごく重要な意味を持つんです。だから、そこのところを住民の立場に立って、やはりもっと市民の意見を聞いてほしいと、あれだけ言って何年もやってきたのに、結局は行政の言っていることが尊重されてしまうんだったら、私たちの運動は何なのよと、いろいろな意味でがっくりきてしまう。それが、ある意味でいえば行政への信頼感がなくなってしまったりということにつながっていきますので、今、先ほどの検討委員会における結論が尊重されていると私は思ったんですけれども、市長はどのように考えていますか、これが1点です。

 それから、美術館のところは、私も最初からあそこの美術館をやることは、つくるときからF・Fホールの時代から知っていて、何であんなに狭いところに美術館かというのをそのころからやっていて、美術館自身が無理なところに、狭いところに最初からつくっている。そのときに、あそこを使っている方も、美術館といろいろな意味で対立はしたくない。いろいろなことがあるんだったら、当事者同士で話し合う場を持って、それで音楽室と美術館が一緒にやっていける。同じ文化施設なんだから、やっていけるようなことをぜひやっていきたいし、武蔵野市の駅前にそういう文化施設、美術館があり、音楽室があるという吉祥寺のまち、それはすごくいいまちなんだからということをおっしゃっているんで、吉祥寺美術館と音楽室が共存できるようなことを何としても考えていただきたいんですけれども、そこはどう思いますか。

 3点目に、本町コミュニティセンターでキャタピラーというのは、三鷹の公会堂の別館のところがすごい階段で、あそこで実は見たんです。皆さん頭で考えると、このキャタピラーというのは、JRの駅で雑誌とか重い荷物ががちゃがちゃと上がっていくのがありますよね。ああいう感じなんです。あれにそのままいすを乗せて。だから、確かに付き添いとか、それをやる人がいないと無理だというのはあるかもしれないけれども、あれで上っていけるんだというのを見て、すごいなと思ったんですね。それで、意外と平気だったんですよ。あそこはずっとこうだから。

 それで思ったんですけれども、それじゃなかったら、これは私も行って驚いた。延命寺のお隣にある、お食事できるところは、2階、和室の間なんですけれども、そこにこういう高いテーブルになって、それを畳むと座卓になってという両方に使える部屋につくってあるんですよね。だから、そろそろそういうことをコミュニティセンターでも考えてもいいんではないかと。そうしたら、今、お年寄りというのはいすじゃないと座れない方が多いので、ああいうことをどこでも考えてもいいんじゃないかなと思ったもので、ぜひそういうことも考えていただけたらと思いました。

 それから、少人数はきょう、あれだけ山上教育長がはっきりおっしゃってくれて、何でできないのかもわかっています。その上で、またやりますというのは、行政サイドは、特に教育、保育もそうなんですけれども、10年間は微増だとか、何年後に云々とおっしゃるけれども、その間にいる子どもたちはどうなるんですかということなんですよね。それが子どもたちを育てるのに、行政でできることを行政がきちっとお金を使ってやらないと、未来の子どもたちにとって、それこそが一番の行政の責任じゃないかと思っているんで、本当にこれはできることを、何で最後にやったかというと、市長のあれには少人数教育の推進となって、小学校低学年の少人数学級の実施となって、平成23年実施、年間4,000万円程度と書いてあるのを、私は最初から持って歩いていて、どこかで1回と思ったら、最後だったので、ここで言わなければと思ったので申し上げるんです。

 先ほど、武蔵野市はお金を使っているから、いろいろな加配に2,000万円使っているわけですよね。だから、やっていけなくはないんじゃないかと私は思ったんです。国・都がやるのは本当に正しいんです。でも、武蔵野市でできることを何とか考えていただきたいんですけれども、どうでしょうか。

◯市 長(邑上守正君)  まず武蔵野市公共施設配置の在り方検討委員会たたき台を尊重しているかどうかという話なのですが、当然この計画書は、それぞれの委員が理解いただいて、一つの材料として参考にしていただいているものだと認識しております。これだけをすべてそっくり写したとは、私は理解してございませんで、それぞれの委員の皆様方、さまざまな施設についても現場等へ行って、さまざまな課題を踏まえた上でのたたき台としての判断をいただいているんじゃないかと思っております。

 吉祥寺美術館付属音楽室の問題はなかなか大きな問題だと認識してございまして、大変多くの、ある一定の団体の皆様方が長くずっと使っていらっしゃるということもあって、それを一概に否定するというわけにもなかなかいかないと思っております。ただ、あそこのF&Fビルの吉祥寺のど真ん中の地で、不特定多数の美術館に対して、特定利用の施設が果たして共存できるかということについては、もう少し多くの皆様方の意見を聞かないといけないのではないかと思っております。美術館のあり方もさることながら、音楽活動の支援をどうやって市がしていくのかも含めて、大いに議論すべき課題だと思っています。

 キャタピラーの件は、もう少しさまざまな情報を集めないと判断できないかと思います。

 それから、和室のいす利用というのも、いろいろな料理店等でも実績がございますので、そういうこともまた配慮いただきながら、各コミュニティセンター等で検討いただければいいのではないかと思っています。

◯教育長(山上美弘君)  確かに教育行政の条件整備というのは一番のポイントですよね。ですから、これを改善していくというのは当然のことなんです。ただ、ちょっと難しいのは、先ほど言いましたけれども、やるならやっていいよ。でも、人は渡せないよ、お金は渡せないよというところをどうクリアするかですね。先ほど梶議員が、2,000万円使っているんだから、その金を使ったらと、こう思うでしょう。ところが、今、学校が一番欲しいのは、梶議員が言っている学級担任ができる教員なんです。35人学級というのはそういうことになる。それは、要するに正規で雇う人ということになるわけです。

 ところが、梶議員、例えばうちで雇って、教員がこの中でくるくる異動したりして教員としての資質がつくかというと、これは問題だと思う。教員はいろいろなところを回って、初めて教育というのはこういうことなのかな。武蔵野市だけじゃないですよね。足立区に行ったり、杉並区に行ったり、いろいろ回る中で、いろいろな先輩にも会って、いろいろな学校を経験する中で力をつけていきますから、僕は1市だけの教員というのは、これはどうかな。こういう人を雇えというのは非常に難しいなと。1市でやるのは非常に難しいなと。そのうちに人事権の移譲という問題がありますけれども、多分、何市か一緒にということになってくると思います。それはそういうことなんですね。ですから、教員の資質も上げると。教育効果という面でいけば、そういう条件もつくると同時に、教員の資質も上げるということになると、うちだけで雇ってしまうということはどうか。

 ただ、この2,000万円の使い方で、重点をもっとほかのやり方がないかということについては、これは研究していきたいと思っています。
                               
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