●一般質問「待機児対策等保育施策及び武蔵境駅から市役所行きのバス路線の新設を求めること等について」(2011年6月16日) 本間まさよ
◯23番(本間まさよ君)  一般質問をいたします。

 4月に行われました市議会議員選挙で、私は市民の皆様に、1点目に災害に備えた武蔵野市を、2点目に安心の医療・福祉の充実、3点目に待機児対策を進めること、4点目に地域の声・要求を市政に届けることを約束いたしました。1点目の災害対策につきましては、選挙時に約束した災害ボランティアとして宮城県石巻市と南三陸町に行ってまいりました。被災地で体験したことや学んだことは、今後の常任委員会等でも質問させていただきたいと思っております。

 今回の一般質問では、大きく分けまして、待機児対策と公的保育制度の解体ともいえる子ども・子育て新システムについて、2つ目に、地域の声を市政に届けるということで、2つの地域の要求を紹介し、計3点の質問を行います。

 昨年5月、日本の子ども施策に対する衝撃的な報告が2つ出されました。1つは、国連子どもの権利委員会最終所見です。そこでは、子どもの権利を実現するための立法、財政、行政、司法、教育など、全般にわたる不十分さが指摘をされました。もう1つの報告書は、同じく5月にOECDが出しましたレポートです。そこでは、保育等に対する公的支出額、いわゆる国や地方自治体が支出する金額は、韓国を除くOECD諸国のどの国よりも日本は少ないと述べていることです。このように、世界から見ても残念ながら日本の子ども施策は極めて貧困な状況にあると指摘をされたわけです。

 こうした現状を踏まえて、以下、本市における待機児対策、及び子ども・子育て新システムの問題点について市長の見解をお伺いいたします。

 第1点目の質問は、児童福祉法第24条1項の認識について市長の見解をお伺いいたします。武蔵野市の保育所待機児の数は、新定義でさえも100名以上を超える深刻な事態となっています。言うまでもなく児童福祉法第24条1項は、保育に欠ける子どもの保育の実施義務を市長に課しています。まず、市長の同条文に対する認識をお伺いいたします。

 2点目の質問は、保育所設置義務を果たすための条件について、市長の認識をお伺いいたします。義務教育である小学校の場合、市は施設の不足や未整備を理由に入学や就学を拒むことはありません。しかし、保育園の場合は、保育園が足りないため入所できない状況が続いています。保育所設置義務を果たす条件は、武蔵野市にはあると考えます。それは保育需要、施設の用地、建設費用、運営費用は武蔵野市にしっかりあると考えますが、市長の見解をお伺いいたします。

 3点目は、保育施設は多様であることがいいという認識について伺います。親の働き方が多様だから保育の設置・運営主体は多様である方がよいという考え方があります。市長も随所でそのような発言を行っていました。しかし、認可保育園と比較し、認証保育園や認可外保育所は保育料が高く、保護者の所得に応じて保育料を設定していませんから、所得が低いほどその負担は大きなものがあります。子ども1人当たりの保育室の面積や保育士の数、施設の整備など保育条件に格差があります。保護者の多くは認可保育園への転園を希望しているのが実態です。

 地域主権改革の一環で、東京都は既に、子ども1人当たり3.3平米を認証保育園並みの2.5平米に面積基準を引き下げるなどの動きを見せています。これは15日の情報で断念をしたという情報も受けておりますが、今でさえ子どもたちのお昼寝の布団が十分に敷けないという保育室がある中で、基準の引き下げは大変な問題だと考えます。多様であることがいいのか、多様であることによる保育格差による問題を市長はどのように考えているのか、改めてお伺いをいたします。

 4点目は、抜本的な待機児対策として、社会福祉法人等による認可保育所の建設を強く求めます。13日の一般質問で、待機児対策をどうするかという同様の質問に対し、市長は、待機児数、今後の計画について答弁をされました。しかし、これで武蔵野市の待機児が解消するとは言えないと思います。第三次子どもプラン武蔵野においても、認可保育所を含めて保育所整備を行っていくとされています。抜本的な対策として認可保育園を緊急に建設していくことが求められています。

 世田谷区では、2011年から2014年までに2,650人の保育定数拡大を計画し、2011年、公立1園、私立15園、これは分園分も含まれておりますが、既に認可保育園を設置いたしました。武蔵野市でも、安心こども基金の制度を活用すれば、例えば2億円の建物であるならば、市の負担は4分の1の5,000万円で済みます。この制度は平成23年度着工分までが補助の対象になっており、まだ間に合うということで、近隣の自治体では社会福祉法人などに現在もなお建設計画を促しているところがあると聞いております。絶好のチャンスを生かすべきです。市長の決断と実行を求めるものですが、御見解をお伺いいたします。

 5点目の質問は、子ども・子育て新システムについてです。政府は昨年6月、子ども・子育て新システムの基本制度案要綱を発表し、新システムの基本方針を打ち出しました。その後、ワーキングチームでの具体化を進め、現在開催中の通常国会に法案提出を目指しています。この新システムの一番の問題は、市町村の保育の実施責任をなくしてしまうことです。現行の保育制度では、憲法の理念や児童福祉法に基づいて市町村に保育の実施責任を置いています。そのために、市町村は公立保育園を整備したり、私立の認可保育園に委託して保育を行ってきました。そして運営費の国庫負担制度と保育所基準によって、国と自治体が保育の保障と保育水準の確保、保育費用の負担に責任を持つ仕組みとなっています。新システムには、この保育制度のかなめである市町村の実施責任がなくなってしまうものです。新システムでの市町村の役割は、保護者の仕事などの状況から保育の必要度を認定すること、幼保一体給付という補助金を支払うことが中心となります。保育の利用は、保護者とサービス提供者との直接契約となりますので、募集定員より応募者が多い場合は、施設の側が入園児を選考できることとなります。子ども・子育て新システムによって市町村の実施責任がなくなることについて、市長の見解をお伺いいたします。

 6点目の質問は、給付の仕組みが変わることについての質問です。新システムは、現行の認可保育園に対する運営費等はなくなり、個人給付を基礎とする給付に変わります。そこで第1点目は、現在の認可保育園の財政的運営は今よりよくなると考えているのか、悪くなると考えているのか、お伺いをいたします。

 2点目は、保育園の運営費にかわる給付単価計算のためのタイムスタディーが厚労省等で行われていますが、わかりやすく言えば介護保険と同様の考えをするということです。例えば、3歳児の子どもの食事は15分と定めれば、それに基づいて費用の計算をする。しかし、10分で食べる子どももいれば20分かかる子どももいるわけです。これを一つの枠に囲い込んで保育や保育士の仕事を定めていく、費用も決める。これでは、保育の質が大きく後退することが予想されます。このことについてどのように考えているのかお伺いをいたします。

 7点目の質問は、保育料の仕組みの問題です。

 1点目は、保育料は応益負担となることについてお伺いをいたします。

 2点目は、基本の保育料とは別に延長保育などは上乗せ徴収を認めるということです。実質的には自由価格となることが懸念をされ、保育料の大幅な値上げにつながることについてお伺いいたします。

 8点目の質問は、事業者指定制度の問題点です。1点目は、現行の認可制度がなくなり事業者指定制度にかわるという問題です。認可制度がなくなるということは、保育園が長年守ってきた最低基準は事実上なくなるということです。園児1人当たりの保育室の基準も、保育士の配置基準も軒並み下げられてしまいます。これで一体保育の質は確保されると考えているのか、見解をお伺いいたします。

 2点目は、指定基準を満たせば、株式会社なども保育事業者として参入・撤退も簡単になります。1カ月前に予告するなどすれば、撤退、やめることもできます。また、保育園に給付された補助金は保育のために使うという使途制度の規制がなくなりますので、株主への配当金や本社への繰り入れ、他の事業にも回すことは可能です。使途制限の規制がなくなることについて、どのように考えているのか、お伺いをいたします。

 9点目は幼保一体施設についての見解をお伺いいたします。今回の改革は、保護者や現場の保育士の人たちが望んでいた幼保一元化ではありません。しかも、3歳以上の受け入れは義務づけ、3歳未満は受け入れなくてもよいということになっています。これでは待機児解消にはなりません。この点についてどのようにお考えなのか、見解をお伺いいたします。

 10番目の質問は、国に対して反対の意思表明を市長に求めるものです。新システムは、今や最終的な詰めの段階にあります。今国会に改革法案を提出することを政府は明らかにしています。行政の責任者としてこの問題にしっかりと向き合い、見解を示し、行動するときだと考えます。新システムは、税と社会保障の一体改革の柱として位置づけられており、子どものための制度改革ではありません。戦後築いてきた保育所制度が根本から変えられ、市場原理の制度にゆだねられてしまいます。これまで、これは2月4日現在ですが、31の道府県、またそれを含む150を超える区市町村が国に反対の意見書を出しています。日弁連も新システムに対する反対の意見を表明しました。市長も国に対して反対の意見を上げるよう強く要望いたします。見解を求めます。

 大きな質問の2点目は、武蔵境駅から市役所行きのバス路線新設を求めることについてお伺いをいたします。

 市内3駅の中で市役所に行く・経由するバス路線がないのは武蔵境駅だけです。この間、市長に、武蔵境駅から市役所行きのバス路線の新設を求め、関東バスに申し入れをしていただきたいと1,200人の方々の署名とともに要請をいたしました。署名された市民の皆さんは、高齢になり市役所に行くのに自転車では行かれず、武蔵境駅まで出て武蔵野営業所まで行き、市役所行きのバス停まで何百メートルか歩き、またバスに乗ってやっと市役所に行く。ベビーカーでバスの乗りおりは大変なので、自分は40分かけて歩いて市役所に行ってきた。総合体育館で行事があるときに、高齢者のボランティアをしているが、高齢者の人と一緒に歩いてバス停から何百メートルも歩かなければならないのが忍びない。市役所の近くにある病院に毎日のように通院をしていると、年代を問わず市役所行きのバスを求める要望が強いことが大変よくわかりました。

 そこで質問をいたします。

 1点目に、市政センターではできない市民への業務は主にどのようなものがあるのか、お伺いをいたします。

 2点目に、市民は、市役所の利用はもちろんですが、先ほども紹介させていただきましたように、総合体育館、近隣の病院、公共施設の利用なども便利になると、市役所行きのバス路線を強く求めています。このような市民の要望をどのように受けとめているのか、市長にお伺いをいたします。

 現在、武蔵境駅から武蔵野営業所までのバス路線があります。その路線を市役所まで延長する、または三鷹駅から北裏行きのバスが出ておりますが、武蔵境駅からも北裏行きのバスが走れば、市役所を経由することができます。こうしたことを考え、市長として、関東バスに武蔵境駅から市役所行きのバス路線の新設を求めるよう働きかけていただきますよう要求をいたします。御答弁を求めます。

 大きな質問の3点目は、境2丁目で営業しておりますクリーニング店の用途地域違反についてです。石油系溶剤を使ったクリーニング店は工場とみなされ、住居専用地域での稼働は禁止をされています。17年前に稼働したクリーニング店の移転・稼働中止を求め、周辺住民は、市にこの間8回の要望書を提出いたしました。市議会でも2回この問題で一般質問が行われました。ことし3月末付で武蔵野市とクリーニング店の間で、1として用途地域違反、建物の建ぺい率違反はすべて解消する、2として違反を解消する期限を設定しているという内容の違反是正計画書が取り交わされたと伺いました。しかし、近隣住民は、17年という歳月を要したこともあり、いまだに不安を感じています。

 そこで質問をいたします。違反是正をする期限について近隣住民に示すことはできないのか、お伺いをいたします。2つ目に、期日を過ぎてもそれに従わなかった場合はどうするのか、市長の見解をお伺いいたします。

 以上、大きく分けまして3点の質問をいたしました。答弁をどうぞよろしくお願い申し上げます。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、本間まさよ議員の御質問にお答えしてまいります。待機児童対策ないし武蔵境駅からの市役所行きのバスの路線の新設等についての御質問であります。

 まず、待機児童解消と子ども・子育て新システムの件において、児童福祉法の認識というお尋ねをいただいております。第24条1項につきましては、これは保育の実施責任ということでございますし、当然のことながら、基礎自治体である市町村にあるもの、このように認識をしているところでございます。

 続いて、保育所の設備設置義務とは、保育の実施責任のある基礎自治体が積極的に保育所を設置すべきという趣旨の御質問かというふうに思います。市では、保育の実施責任のある基礎自治体として、この間、認可保育所の設置、認証保育所の誘致など、待機児童解消に向けた保育施策を積極的に推進してきたところであります。保育の質の維持・向上につきましても、第三次子どもプラン武蔵野の重点的取り組みに掲げ、さまざまな事業を進めているところでございます。

 保育施設が多様であることがよいという、どういう認識なのかということでございますが、この間、これまでも認可保育所の設置、定員拡充、そして3駅圏への認証保育所の誘致、そしてグループ保育の拡充など、多様な保育サービスにより待機児童の解消のための施策を推進してまいりました。例えば、家庭的な雰囲気の中で乳児をお預かりする保育ママや、場合によっては夜遅くまでお子様をお預かりする認証保育所など、それぞれの家庭が選択可能なようにさまざまな保育施設があることは、これは必要なことではないかなというふうに考えているところでございます。

 ただ、どの施設においても良質な保育が提供され、保護者の方が安心してお子様を預けられるような環境が基本でございますので、市といたしましても、適切な関与をしてまいりたいというふうに考えております。

 具体には、既に御案内のとおり、保育園アドバイザー等も配置をし、各施設へ必要に応じて巡回指導、助言を行っているところでございます。ただし、御指摘のとおり、確かに保育料という視点からすると、認可保育園と認証その他の施設での保護者の負担額の差については課題だというふうに認識をしているところでございます。

 次に、認可保育所の建設についてということで、安心こども基金の補助金が今年度終わるというような件でございますが、現在、東京都にもその状況を確認中ではございますが、来年度以降も継続される可能性もあるということで、現在、都の方でも検討いただいているという状況であります。来年度以降の保育所の整備に関する補助金の動向については、今後とも留意してまいりたいというふうに思っております。当然、新たな施設建設の際には、十分な研究の上、補助金の確保に努めてまいりたいというふうに考えておりますが、新規施設の建設あるいは誘致については、これは経営的な側面、運営的な側面、ランニングコスト等を含めた財政計画も必要でございますので、あわせてそれも含めて検討を進めるべきだと考えております。

 認可保育園の建設をという御意見でございますが、認可保育園の増設につきましては、市でもこれまでにも取り組んできたわけでございますし、これまでにも認可保育園待機児緊急対策本部を設置して、1つは精華第二保育園、これは96名の定員を開設しました。その他認可保育所4カ所、それは定員が120名でございますが、それも増を行っております。その他、保育ママの増員、そして公立保育園の定員見直し等々による定員増、あるいはグループ保育室の試行などにより、待機児解消に努めてきたところでございます。認可保育園だけではなくて多様な保育環境の整備、そして保育事業の展開を目指すとともに、保育の質の向上と定員の確保拡充を図ってまいりたいというふうに思っています。

 当面の予定としましては、認定こども園の境こども園が、これは25年開設でございますが、定員の中で保育所部分が61名、北町保育園は移転・拡充によりまして32名の定員拡充を予定しているところでございます。今後は待機児童の地域別の状況、保護者の就労状況なども考慮し、どのような施設が必要かをさらに検討を行ってまいりたいというふうに考えています。

 次に5番目で、子ども・子育て新システムについてという御質問でございますが、市町村の保育実施責任がなくなるのではないかという御指摘でございますが、現時点ではワーキングチーム等によっての検討を重ねている段階でございますので、最終案が確定していないということではございますが、現在伝わっていることからいろいろ解釈をしますと、新システムにおいては、市町村、基礎自治体が実施主体とされているわけでございます。地域のニーズに基づいて計画を策定して、多様な事業主体によるサービスや給付を実施するとされております。保育の実施責任がなくなるというのではなくて、子育て支援全般への実施責任を第一線で担うことだというように理解をしているところでございます。また、子育て支援施設との契約についても、市町村が保育の必要性を認定し、そして保護者の施設との契約においても市町村の必要な関与が予定されておりますので、一定程度の責任があるものというふうに認識をしているところでございます。

 次に6点目で、子ども・子育て新システムに関連して、保育所の運営費制度が廃止され、給付の仕組みが変わるのではないか、そして財政的運営はどのように変わるのかということでございますが、現段階においては、保育所、保育園、幼稚園ともに、人件費、事業費、管理費、施設整備費等の運営費について、見かけ上は保護者に対する個人給付となりますが、これは確実に運営費に充てるために法定代理受領の仕組みとするこども園給付と法定の利用者負担によって賄われること、このように認識をしているところでございます。単価計算のためのタイムスタディーにつきましては、昨年末からスタディーが行われているようでございますが、当初、4月に公表予定だったということでございましたが、結果がまだ届いておりません。保育の質につきましては、厚労省内の基本制度ワーキングチームで、職員配置、3歳児以上についての幼児教育の質の向上、職員の定着・確保の仕組みなどについて議論が重ねられているとのことでございます。

 次に7番目で、費用負担、保育料の仕組みについてということでございますが、応益負担となることについてということでございますが、新システムにつきましては、保育の必要度に応じてサービスが供給される。長時間保育か短時間保育かといった給付されたサービスの量に伴って、公定価格に基づいた一定の個人負担を要する、いわゆる応益負担の考え方をとっています。先ほどご紹介いただきましたが、介護保険の給付の仕組みに似た制度というふうに私も理解をしております。しかし、低所得者には一定の配慮が議論されているところから、一部、応能負担的な考え方もとっているものと現時点では考えているところでございます。

 次に2点目で、付加的な保育料についてということでございますが、特別な教材費や制服代などの実費徴収については、国がその範囲と上限額の基準を定めているとともに、低所得者に対しての補足給付を行うというふうになっております。少人数クラスによる教育活動を行うなど、一層の質の向上を図るための費用などの実費徴収以外の上乗せ徴収については、上限の定めはないが低所得者は免除するというようにされているところでございます。上乗せ徴収については、当分の間、市町村及び社会福祉法人以外のものが設置する施設に限るとされています。したがいまして、現行の私立幼稚園がこども園に移行し、特別な教育を行う場合などを想定しての制度案ではないかというふうにとらえているところでございます。

 次に、8番目の事業者指定制度についてということでございますが、指定基準については、現段階の案においては、施設、事業の内容ごとに現行の基準を基礎とするというふうになっております。現行の幼稚園、保育所、こども園を念頭に議論されているようでございますので、現在の最低基準の廃止ということではないというふうには認識をしているところでございます。新たな事業者の参入については、必要なサービス供給量を賄うに当たって多様な主体の参入を促すという考え方に立っておりますので、一定あるもの、このように予想をするところであります。ただし、参入に当たっては、指定基準によって一定の質が担保されるものというように考えております。

 撤退については、継続的な運営が基本というふうになっておりますが、やむを得ず撤退する場合は、予告期間を設定する、利用児童が他の施設で継続的にサービスを受けられるようにする調整義務を事業者に課するという、利用者保護の視点からの規制が検討されているということでございます。

 9番目で、幼保一体施設についてということで、3歳未満児は受け入れなくてもよいということになれば待機児解消にならないのではないかということでございますが、これは新たな制度においては、従前はこども園と呼ばれていた幼保一体型の施設について、現在では総合施設、これは仮称でございますが、という名称のもとで議論がなされているところでございます。現行の幼稚園等については、満3歳未満児の受け入れは義務づけがございませんが、財政措置により満3歳未満児の受け入れを含め総合施設への移行を促進するとされています。移行促進に当たっては、市町村ごとに3歳未満児の保育ニーズ等を踏まえて行っていくことなどとされているところでございます。

 10番目の、新システムは子どものための制度改革ではないということから、国に対しての反対意見をということでございますが、新システムについては、すべての子どもに良質な生育環境を保障するというために、それぞれの子どもや家庭の状況に応じて必要な給付を保障するという、社会全体で子育てを支援するという観点からの検討が進められている、このように認識をしております。ただ、実現、実施に当たっては、税と社会保障の一体改革を含めた財源問題等、まだまだ不透明な部分は多々あるようにも感じているところでございますので、今後、制度の詳細検討あるいは具体化に当たっては、市町村や関係者とも十分協議を行っていただきたいと思いますし、そのようにすると言っておりますが、今後、市長会等を通じて、機会をとらえて必要な意見は表明をしていきたいというふうに考えます。

 次に、大きなお尋ねで、武蔵境駅から市役所行きのバスの新設路線を求めることということでございますが、その前提として、市政センターではできない市民への業務ということでございますが、市政センターではできないものとしては、市民の生活に深くかかわるような相談あるいは認定業務が挙げられるのではないかなと。例えば生活保護に関して、あるいは介護サービスに関して、あるいは障害者の認定等に関して、そのようなことは市政センターではできないというふうに認識をしております。

 次に2番目で、武蔵境駅から市役所への路線を強く求めている方が多いということでございますが、そのような要望をどのように受けとめるかということでございますが、かつては市民の皆様方の要望でこの路線があった時期もございました。

 昭和56年2月に武蔵境駅から市役所間のバスの運行に関する要望というのが出されました。この時期としては、ちょうど市役所がここ緑町に移転をするという時期と重なっておりまして、市役所本庁舎の移転に合わせて武蔵境駅からの直接のバスを求めるといったようなことがその時点であったようでございます。その後、実際には何年かかかりまして、平成2年4月より運行を開始されたということで、この間、10年ぐらいかかっていますね。この間にもこの地域では新たに総合体育館ができたということがございまして、それをまた契機にそういう運動が積み重ねられたということでございます。バス会社の方は、大変路線開設に難色を示された。これは、需要からいってなかなかお客さんが利用されないのではないか、赤字になるのではないか、そのようなことから大変難色を示されておりましたが、10年間にわたる要望活動の末、そして赤字に対しては市も一定程度の補助金を出すというようなことで、関東バスが運行に踏み切られたということでございます。

 しかし、平成2年4月よりの運行ではございましたが、何年か経過しても、結果として、ここである資料を読みますと、平均乗客が1台当たり3人、キロメートル当たりの平均収入が82円といったようなことで、採算が取れずに赤字額が増大となり、市の運行補助金を加えても支出超過となったことから、路線維持が不可能となり、やむなく平成7年6月を最後に廃止となったという経過でございます。おおむね5年間にわたる運行でございました。ちなみに、5年間の経費、赤字自体が運行収支でマイナス1億3,000万円ということで、市の補助金は4,400万円を出したそうでございますが、バス事業者の負担が8,600万円、5年間にわたったというようなこともあって、いたし方なく、廃止は仕方ないという判断があったようでございます。

 したがいまして、現在、そういう要望は大変理解するところでございますが、その平成7年度に廃止をしたときの状況と今日のさまざまなこの地域での状況の変化を考えますと、それほど施設の立地もないという中で、じゃあ過去以上に利用者の増加見込みがあるのかについては、条件としてはそれほど変わっていないということから、望めないのではないかなということも含めて、このような状況の中で、再度関東バスに市としてお願いするというのはなかなか難しい状況ではないかなというふうに思っております。もちろん、関東バスの判断で運行されることは、これは大いに否定はしませんが、しかし、じゃあ市が赤字分も補助を出すからといってまで運行するには、やはりさまざまな課題があるのではないかなというふうに思っておりますので、現時点では特に関東バスに求めるスタンスではございません。

 次に、最後の3点目でございますが、境地区での用途地域違反等に関する課題の御質問でございます。違反是正をする期限についてということでございますが、本件の違反取り扱いについては継続的に是正指導を実施しているところでございます。なお、違反の内容はもとより、是正計画の内容、期限等についても、これは保護されるべき個人情報であり、公表することはできないものと判断をしているところでございます。

 2点目で、期日を過ぎてもそれに従わなかった場合どうするのかということでございますが、違反是正は、これは強権発動ではなくて、当該者の自主的な是正が基本となるというふうに考えております。特に本件のような用途違反是正は、すぐに終結するというわけにはなかなかいかないため、粘り強く是正指導に取り組んでおりましたが、当該者が違反に対する認識をお持ちいただき、みずからが是正計画を作成し、是正する意思表示をいただいたために、今後計画が確実に執行されるよう、継続的に指導し観察を続けているところでございます。

 市としましても、周辺の方々に安全に安心して過ごしていただくために、今後速やかに是正できるよう対応してまいりたいというふうに考えております。

◯23番(本間まさよ君)  まず、市長の御答弁を伺いまして、新システムについては、厚労省のQ&Aか何かを読んでいらっしゃるような感じを受けましたけれども、まず最初に、この待機児問題について伺いたいと思います。13日の同様の質問でも、市長の方から、具体的な待機児数で、これは新基準でカウントしていますから、認証保育所などに入っていて、今後認可保育園に入りたいと希望されている人たちの人数は含まれておりません。それから、2つの園舎ができて定員増になるといっても、これだけで待機児が解消するというわけにはいかないというのは、市長も認識は同じだというように思います。幾つかの対症療法的な対応というのは行われてきていますが、これからやはり抜本的な対応をきちっとやっていかなければ、毎年毎年待機児問題というのは市の大きな課題になると考えられます。私は具体的には、安心こども基金を使えば、2億円市が持ち出すお金を、国の補助金を使って4分の1でできる。これは近隣市では今、詰めの作業をしているということを具体的に伺っておりますけれども、24年3月31日に着工すれば補助金が出る、そういう仕組みですから、これはこれでぜひ努力していただきたい、市長が英断していただきたいと思っているわけです。

 今、市長の答弁によりますと、今後もこの補助金が継続するという御答弁もありましたが、では市長は、認可保育園を武蔵野市でつくっていこうという、そういう考え方を持っているのかどうか、ここを明確な御答弁をいただきたいと思います。先ほど、多様な保育施設、これはこれでいいんだとおっしゃいましたが、今一番市民の方たち、保育園を希望されている方たちが望んでいるのは、安心して認可保育園で保育できる、そういう環境をつくってほしいということだと思います。このことについてやはりきちっと市長が認識を持っていただきたいと思っております。

 次に、新システムについてです。私は再質問の冒頭に、厚労省のQ&Aをというように引用させていただきましたが、この新システムについて、市長は問題点はどのように考えているんでしょうか。具体的に一つ一つを質問の中で項目として述べさせていただきましたが、間違いなく、子どもたち、保育関係者、今までの市の保育の制度とは抜本的に変わってくる、これは明らかになっているわけです。このことについて市長はいいと思っているのか、伺いたいと思うんです。先ほどから一定程度、一定程度というように言われましたけれども、今までの国の保育制度というのがきちっと守られるという保障がないというのが今回の問題なんですね。市の実施責任がきちっとされてないということに大きな問題があるんですよ。戦後ずっと守ってきた保育制度の一番の抜本的なところがなくなってしまう、そこに大きな問題点があるということなんです。だからこそ31の道府県、150以上を超える自治体がもう既に意見書を出しているんです。

 先ほどちょっと時間がなくて紹介できませんでしたけれども、今回の新システムの問題の中でも、保育の質ということで、園児の部屋の面積基準が低められる、認可保育園の基準から認証保育園の基準に下がる、これを東京都が率先してやろうとしたら、特別区の区長たちが、これは問題だということで意見書を提出して東京都を断念させた、こういう運動、世論に広がっているんです。市長が、必要があれば意見書も提出するというように言われましたが、今提出しなかったらストップできない。ほかの自治体では、また区長会では東京都に対してこういう意見を出している、このことが重要なんじゃないかと思いますが、ぜひ市長の英断を求めたいと思います。

 武蔵境駅からのバスなんですけれども、先ほど、市政センターを拡充すれば済むことではないという立場で私は質問させていただきました。市役所でできるということでは、介護保険、生活保護、障害者、やはりこれは社会的弱者と言われている方たちが、市役所に来なくちゃこういうことができない、しかも近隣の病院などにも行きたいということで、市民の方たち、地元の皆さんがとても強く切望しています。ぜひ市長に伺いたいんですが、市民の要求がどのぐらいあるのか、それから市民が市にどれだけ来ようとしているのかニーズ調査などをする考え方がないのか、これをお伺いしたいと思います。

 それから、3つ目の住民の方たちの要求ですが、個人情報だということで強権的な発動はできないんだとおっしゃる。でも、17年ですからね。この間ずっと話し合いをして、でも約束が守られないんじゃないか、これが近隣の方たちの御心配なんですね。粘り強くといいますが、17年粘り強くというのは、やはりもう住民の人たちが待てない、そういう市長に対する働きかけだと思うんですが、もう一度改めてこういう声に対してどう受けとめているか伺いたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  まずは待機児対策で、認可保育園のもっと積極的な取り組みをということでございまして、私も当然、否定をしているわけではございませんが、さまざまな状況判断をして緊急対策的に取り組むべき課題を今優先をして考えております。しかも、第三次子どもプラン武蔵野の中においても、今後その認可保育園等についても検討するということになっておりますので、この計画期間の中で、きちんとそれをさまざまな条件をまた整理しながら検討を進めていきたいというふうに思っております。

 認可保育園を誘致する際には、当然、財源の問題等も必要になってまいります。これは新たなさまざまな補助事業等を注視しながら積極的な活用を図っていく、これは当然のことでございますので、東京都等の情報も注視をしてまいりたいというふうに思います。

 新システムの件はさまざまな課題があるというのは重々承知しておりますし、この間、市長会の中でも実はまとまった議論をしていない状況にもございましたが、幾つかの議論も今出ておりますし、厚生部会等の中でも、また来年度の要望をする意見交換会もございますので、そういう会も通じて必要な意見を集約し、必要があれば東京都あるいは国にも意見を出していきたいというふうに思います。

 それから、バスの境から市役所へのニーズ調査というのは、特に考えておりませんが、本間議員経由でのさまざまな要望、陳情、署名等はいただいておりますが、その他一般的にはそれほど意見がないものですから、またそういう意見があれば、ぜひお伝えいただきたいなというふうに思います。現状は、やはり前回の経過を整理しないと、やみくもに同じ条件でまた提案するというのは、これは事業者側もなかなか判断ができかねる状況だというふうに思いますので、ぜひそれも含めて現状の変更点ももし前回と違うようなことがあれば、整理をできたらなというふうに思います。

 それから、最後の境地区の用途地域違反等に関する案件については、この間、長期間にわたってはおりましたが、しかし、違反是正計画書が本人の意思で出されたということは大きな前進だというふうに思っておりますので、それをきちんと執行されるように市としても指導を続けてまいりたいというふうに思っております。

◯23番(本間まさよ君)  認可保育園については否定をしないという前向きな答弁がありましたので、ぜひ具体的に期日も示して建設をするよう強く求めます。御答弁いただきたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  先ほどお話ししましたとおり、第三次子どもプラン武蔵野の計画期間中に検討するとなっておりますので、その間で検討していきたいと思います。
                               
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