●一般質問「建築物の解体工事に伴う問題等について」(2011年12月9日) 橋本しげき
◯24番(橋本しげき君)  今回の一般質問、私は建築物の解体工事に伴う問題について、介護保険について、市内に避難している被災者の支援についての大きく3点の質問をいたします。

 まず大きな1点目に、建築物の解体工事に伴う問題についてです。

 西久保3丁目の三鷹通り沿いのゴルフ練習場跡地に大型マンション建設が計画されております。仮称武蔵野市西久保3丁目計画です。11階建てで128戸が入るマンション計画です。この計画については、周辺住民から、日照、プライバシー、電波障害、風害など、さまざまな心配の声が出ています。そして、マンション建築に先立って、この間、当該地の建築物の解体工事が行われてきました。この解体工事については、騒音、振動、粉じんなどの苦情が相次ぎました。この問題に関して、以下質問いたします。

 1点目の質問です。2009年4月に「武蔵野市解体工事等を行う工事業者等に対する指導の基準等に関する要綱」が定められました。この要綱では、解体工事等に際しての公害を防止するための基準などが定められています。例えば粉じん対策として、散水、水まきを徹底すること。解体工事を行う建築物の敷地境界で80デシベルを超える騒音が発生することが予想される場合は、防音パネルなどの防音措置を行うこと。解体工事を行う建築物に有害物質がある場合には、法令に基づき適正に処理することなどであります。今回の解体工事に際し、この要綱に基づいて市がどのような対応を行い、解体工事業者がどのような対応を行ったかについて、伺います。

 2点目の質問です。この要綱第4条では、解体工事等の周知等について定められています。そこでは、工事業者は、解体工事を行おうとするとき、工事を開始する1週間前までに説明会の開催、戸別訪問などにより解体工事にかかわる周知を行うこととされています。そして、要綱第2条では、解体工事の周知の範囲は、解体工事を行う建築物の敷地境界線から建築物の高さの2倍、いわゆる2Hの水平距離の範囲内とされ、その水平距離が20メートルを超える場合は20メートル以内となっています。そこで伺いますが、今回の解体工事に際し、解体工事業者が周辺住民に対して、解体工事等の周知等について定めた要綱第4条に基づいて、どのような説明を行ったか、市は把握しているでしょうか。周辺住民に対する解体工事の周知の状況について、答弁を求めます。

 3点目の質問です。まちづくり条例には、建築計画についての手続は定められていますが、解体工事についての手続については、規定がありません。解体工事は非常に問題が起こる場合があり、物をつくるよりも解体の方が騒音、粉じん、アスベストなど、問題が起こり得ます。建物を建てるよりも解体の方が周辺住民とのトラブルが起こるということがあります。建築工事は、解体工事と連続して実施されることが多く、要綱の中身の実効性を高めるために、まちづくり条例に解体工事の手続についての規定を入れる条例改正が必要だと考えます。

 例えばお隣の三鷹市では、まちづくり条例の中に解体事業の申請手続が規定されています。この条例の中では、解体工事業者に対し、解体事業計画書の作成、標識設置による周辺住民への周知、説明会の実施による周辺住民への周知、解体事業の着手届及び完了届の提出などの手続を求めています。解体事業について、周辺住民が意見書を提出することもできます。対象となる解体建築物は、高さ10メートルを超える建築物や15戸以上の共同住宅、延べ面積が500平方メートル以上の商業施設、工場などです。これは三鷹市の例でありますが、このように武蔵野市においてもまちづくり条例に解体工事の手続についての規定を入れる条例改正を行う必要があると考えますが、市長の見解を伺います。

 次に、大きな2点目に、介護保険についてです。

 まず、介護保険にも関連しますが、今、野田内閣が進めようとしている税と社会保障の一体改革について、一言述べたいと思います。この税と社会保障の一体改革は、社会保障制度の大改悪をやりながら消費税率を2倍にするという、自公政権時代ですらやりたくてもできなかった最悪のものです。まさに、税と社会保障の一体改悪です。社会保障改悪のメニューは、自公政権下で構造改革の名のもとに大きく後退した社会保障制度を一層切り捨て、最悪の水準に引き下げるものとなっています。

 年金では、支給開始年齢の引き上げ、年金支給額の切り下げなど、現在の年金受給者にも将来の年金受給者である現役世代にも犠牲を強いる大改悪がたくらまれています。医療では、70歳から74歳の医療費窓口負担を2割にし、定率の窓口負担に加え定額負担を強いるなどの負担増が計画されています。保育では、子ども・子育て新システムの名で、保育への公的責任を放棄する動きが大問題になっています。社会保障の大改悪と一体の消費税増税など、論外だと思います。

 そして、この社会保障改悪と消費税増税は、2009年の総選挙で民主党が掲げた公約をことごとく裏切るものであり、絶対に許されるものではありません。所得の少ない人に重くのしかかる消費税増税は、社会保障の財源として最もふさわしくないものです。社会保障の財源は、軍事費、大型開発、原発関連予算、政党助成金など、歳出のむだにメスを入れ、富裕層と大企業に応分の負担を求めることで確保すべきだと思います。

 さて、このような社会保障制度の大改悪が練られている中で、3年ごとに行われる介護保険の見直しが来年度に予定されています。武蔵野市では、11月に「武蔵野市健康福祉総合計画中間のまとめ」、以下中間まとめと言うことにいたしますが、出されました。私は、9月議会の一般質問でも介護保険について取り上げましたが、その後の動きについて、この中間まとめを踏まえ、以下、質問いたします。

 1点目の質問です。中間まとめにもあるように、介護利用料の5%助成制度が今年度で終了することとされています。9月の一般質問で市長は、この制度の効果は認識していると答弁されました。介護利用料5%助成制度を存続させることについての検討状況がどうなっているかを伺います。また、低所得者に対する利用料助成のサービス対象の拡大や収入要件を緩和するなど、低所得者対策を充実させることを求めます。見解を伺います。

 2点目の質問です。通所サービス利用者に行っている1食当たり200円の食事助成も、中間まとめにあるように今年度で終了するとされています。来年度以降も継続することを求めますが、検討状況を伺います。

 3点目の質問です。介護保険料を値上げしないために、介護給付費等準備基金を活用することについて、9月の一般質問で市長は、次期計画期間に繰り入れて保険料上昇の抑制に充てていきたいと答弁されました。介護保険料を値上げしないためには、必要に応じて一般会計からの繰り入れを行うことも必要だと思います。国は、一般会計からの繰り入れは適当ではないと述べていますが、介護保険は自治事務であり、国の指導は助言にすぎません。実際、各地の自治体が一般会計から繰り入れにより、保険料・利用料の減免を行っています。必要に応じて一般会計からの繰り入れを行うことを求めますが、これについての見解を伺います。

 4点目の質問です。中間まとめでは、来年度以降の介護保険料について、2パターン検討されています。パターン1は、在宅介護を支える地域密着型居宅サービスの充実として、医療ニーズの高い被保険者、重度の要介護者の在宅生活を支える定期巡回随時対応型訪問介護・看護を1事業者整備し、さらに在宅生活の継続を支援するため、小規模多機能型居宅介護を1事業者整備するとされています。この場合、保険料基準額は月額5,400円から5,600円となり、現在の月額4,700円よりも700円から900円上がります。パターン2は、パターン1に小規模な地域密着型施設サービスの整備を加えるとして、パターン1、プラス住みなれた地域で入所型のサービスを提供する認知症対応型共同生活介護、グループホーム1施設(2ユニット)と、地域密着型特別養護老人ホーム1施設(定員29名)を整備するとされています。この場合、保険料基準額は月額5,500円から5,700円となり、現在の月額4,700円よりも800円から1,000円上がります。このように、パターン1とパターン2のいずれも第4期の保険料基準額よりも最大月額1,000円で、年額だと1万2,000円も上がる見込みになっています。この2パターンを示した上で、結局、市は今どのようにしようと検討、考えられているのか、伺いたいと思います。

 5点目の質問です。介護保険料は現在14段階で、最高の14段階目は合計所得金額が年2,000万円以上の方になっています。中低所得者の方の保険料を引き下げ、もしくは値上げしないために、所得の高い層に対して、さらなる多段階化を検討したり、応能負担を強めるなどをする必要があると思いますが、見解を伺います。

 6点目の質問です。24時間地域巡回型訪問サービスは、法改定によって来年度から実施されますが、武蔵野市では国のモデル事業として、いち早く行っています。私は、2つの角度から検討が必要だと思います。1つは、24時間365日、1日数回の巡回と随時対応に責任が持てる人員や設備をどう確保するのかという点です。もう1つは、1回15分から20分程度の短時間の対応でサービスは保障できるのか、現行の訪問介護や看護が受けられるのかという点です。武蔵野市においては、国のモデル事業を実施して、現状でどのような課題が出ているか、改善に向けて、国に対してどのような意見を上げるつもりかを伺います。

 7点目の質問です。介護保険制度では、利用額の1割を利用者負担、残りの9割を保険給付で賄っています。その保険給付のうち半分、つまり50%が介護保険料、残りの半分、つまり50%が公費負担です。公費負担のさらに半分、つまり25%が国による負担で、都と市が残り4分の1ずつ、つまり12.5%ずつの負担となっています。このように、国の公費負担分は25%ですが、そのうち5%は調整交付金であるとして、実際は25%を下回る額しか自治体に交付されていません。武蔵野市の場合には24.64%しか国から交付されておらず、25%から24.64%を引いた0.36%分が、本来国から来るはずなのに来ていません。これは、2009年度においては2,670万円分となります。その分が65歳以上の市民の保険料に上乗せされ、保険料が高くなっているのです。国の公費負担分25%を全額交付することを国に対して求めるべきだと思いますが、見解を伺います。

 次に、大きな3点目に、市内に避難している被災者の方々の支援についてです。

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から、間もなく9カ月になろうとしています。市内には、東北地方、特に原発事故により避難している被災者の方がいらっしゃいます。市は、東日本大震災により武蔵野市に避難されている皆様への情報提供ツールということで、武蔵野避難者サポートニュースを発行しています。このニュースでは、さまざまな手続についてのお知らせや、コンサート、演劇などの企画のお誘いなども掲載されています。また、避難者の方への自転車の貸出制度、地デジチューナーの無償給付、避難者の水道料金・下水道料金の減免制度、シルバー人材センターや市民社会福祉協議会による家具の無償貸与などの避難者支援の取り組みも行われ、これらの情報がこのニュースに掲載されています。市として、避難者の方々に対して支援の取り組みを行っていることについて、評価をしたいと思います。市として、積極的にこれらの避難者支援活動をさらに強める必要があるという立場から、以下、質問をいたします。

 1点目の質問です。まず、基本的な数字として、現在、市内に避難している被災者の方々は、何世帯、何人でしょうか、お答えください。

 2点目の質問です。これらの被災者の方々は、いつ帰れるかわからないという見通しのない生活を余儀なくされ、日々、不安のもとに置かれています。もと住んでいたところのコミュニティは分断され、孤独な思いで避難生活を続けています。市として、アンケートや聞き取り調査を行うなど、被災者の困っていることや要望などを直接聞き取り、それにこたえる取り組みを強める必要があると思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

 3点目の質問です。被災者の方々は精神的につらい思いをされている方が多いと思います。市として、心のケアを図るような積極的な支援を行う必要があると思います。特に、地域の方々とのつながりを図り、悩みや思いを語れるような場所が必要だと考えます。緑町都営住宅の自治会では、そのような会を開いたということを聞いていますし、また西久保コミュニティセンターでは、青森、岩手、宮城、福島出身の方を対象にふるさとを語ろう会が行われました。このような取り組みが行われていますが、市としても市民と協力するなどして、お茶飲み会や語る会など、気軽に語り合える場や企画をしたり、支援したりする必要があると考えますが、いかがでしょうか、見解を伺います。

 4点目の質問です。都営住宅に避難してきている方々は、退去の期限が決められています。緑町都営住宅に避難してきている方のお話を私、伺いましたが、退去期限が来たら、その後、どうしようかという不安の声が出されました。市として、東京都に対し、被災者の実態に合わせて柔軟に対応するように申し入れるべきだと考えますが、見解を伺います。

 以上、大きく3点について市長の答弁を求めまして、壇上からの質問を終わります。

◯市 長(邑上守正君)
  それでは、一般質問最後の橋本しげき議員の御質問にお答えしてまいります。

 まず、大きな1点目で、建築物の解体工事に伴う問題ということでございますが、今回の解体工事に際して、どのように市が対応してきたのかというお尋ねでございます。御案内のとおり、解体工事等を行う事業者、工事業者等に対する指導要綱というのがございまして、それに基づいての対応でございますが、特定建設作業実施届け出時におきまして、当該事業者に対して要綱の趣旨への理解とあわせて、事前に近隣住民へ周知徹底を図るように要請しております。要綱による周知の範囲は、御案内のとおりでございますが、おおむね半径20メートルを同心円とした、解体する建物の高さの2Hの範囲内を原則としておるところでございます。当該解体工事に伴う届け出書が提出された時点での事業者からは、解体現場周辺住民への周知を、戸別配布による周知ビラで行ったとの説明を受けているところでございます。なお、2点目のお尋ねにも絡みますが、要綱では報告の義務まで求めることはできないため、具体的なその内容、詳細な範囲、方法については、特に報告を受けてございません。把握してございません。

 ただ、今回のさまざまな解体工事に伴う市民からの要望・苦情も何件か寄せられておりますので、それに対しましては具体的に対応をとってきた経過もございます。具体的には、私どもが届け出を受けた後に、事業者に近隣住民への説明の周知徹底を要請した以降の指導内容としましては、3件ありました。8月に近隣住民の方から苦情がありまして、翌日、責任者と面会し、騒音・振動の配慮を要請しました。そして、9月になりまして、これも1件、苦情がございましたので、同日、責任者に連絡をし、作業開始時間の遅延を要請した経過もございます。さらに、この件に絡みまして現地調査を行い、作業状況の確認と騒音・振動の配慮をあわせて要請を行っております。そして、10月にもう一度、周辺の方から苦情がありまして、現地調査を行った上で作業時間の短縮を要請したといった指導を行ってまいりました。

 次に、まちづくり条例の中で、解体工事についても盛り込むべきではないかといった御提案をいただきました。まちづくり条例は、基本的には計画的な土地利用を進めて、開発区域周辺の居住環境に配慮するとともに、良好なまち並みを保全形成していくために必要な基準や手続を定めているものでございます。したがいまして、あくまで新たな土地利用によって発生する、住環境等に与える恒久的な影響に関して基準を設け、また近隣関係住民及び市との協議の場を担保しているものであります。解体及び新築等の工事の施工に伴う一般的な周辺環境への影響の低減や、工事に関する説明機会を担保することを目的としたものではないので、解体工事の手続をまちづくり条例に規定することは、条例の目的にややなじまないのではないかなと考えているところでございます。

 次に、大きなお尋ねの2点目で、介護保険の御質問でございます。

 1点目の介護利用料5%助成制度の存続についてということでございますが、さきの議会で御質問にお答えしたとおり、一定の意義を感じているところでございます。ただ、現在、健康福祉総合計画の策定中でございますので、最終的には策定委員会での議論を待って判断していきたいと思っております。なお、対象要件につきましては、平成21年4月に対象者の所得要件の緩和を行っている経過もございますし、住民税非課税世帯に属する方という現行の要件は、他市の独自減免の要件と比較しても、同等もしくは広い要件となっているのではないかなと思っております。

 次に、2点目で、200円の食事助成につきましても、基本的にはその評価をしているところでございます。経済的負担を理由に利用を抑制することがないよう、閉じこもり予防の観点から有効と考えることもございますが、いずれにしましても、策定委員会での議論を待って、最終的に判断していきたいと考えているところでございます。

 3点目で、介護保険料を値上げしないために、必要に応じて一般会計からの繰り入れを行うことを求めるかということでございますが、これは介護保険法で定められておりますので、一般財源の繰り入れはできないものと認識しているところでございます。

 4点目で、介護保険料につきましては2つのパターンを中間のまとめで示しておるところでございます。どのように考えているのかということでございますが、基本的には、サービスの充実が保険料の上昇に結びつかなければよろしいのですが、なかなかそうもいかず、介護保険制度からすれば、サービスを充実していく、施設をふやすと、それに連動して保険料も上がってしまうという制度になっておりますが、求められているさまざまな事業充実のために、幾つかの事業を考えているところでございまして、今回お示ししております2つのパターンも、壇上で紹介いただきましたけれども、1つは、在宅生活を支える地域密着型サービスを整備するパターンでありまして、2つ目は、それに加えて、地域密着型の入所型サービスを整備するパターンでございます。現在、この案を示して、さまざまな意見をいただいておりますが、パブリックコメントなどでも意見をいただきながら、策定委員会でのさまざまな議論を経て、最終的な判断に進めてまいりたいと思っております。

 次に、5点目で、介護保険料の多段階化ということでございますが、現在でも14段階の介護保険料の多段階化をしておるところでございます。その割合は、基準額4,700円に対しまして0.5から2.5倍の範囲内にあるということでございます。国の標準的な設定は6段階でございますので、同じように考えますと、その国の段階でやったとすれば、これは0.5から1.5倍といった範囲になるということでございますが、私どもは、今、2.5倍までの取り組みをしているところでございます。2.5倍以上がどうかという議論になってくるわけでございますけれども、それを超える負担というのは、理解がなかなか難しいのではないかという御意見も委員会の中で出ておる経過もございます。次期の保険料段階化設定についても、今後のパブリックコメント、意見交換会の中での意見を踏まえた上で策定委員会での検討をいただくことになっておりますけれども、その検討を待って判断したいと思っております。

 24時間巡回型サービスのお尋ねのことでございますが、現在、市も国のモデル事業ということで行っているところでございますが、この基本的な考え方は、単身、重度の要介護者であっても、在宅を中心とする、住みなれた地域で尊厳と個別性が尊重された生活を継続できるような環境の整備であると認識しているところでございます。想定されているサービス提供方法は、御案内のとおり、1日複数回の定期訪問、そして随時の介護サービス、及びふえている医療ニーズに対応するための介護・看護サービスの一体的提供であると認識しているところでございます。モデル事業においては、単身や高齢者のみ世帯で、生活援助がなければ生活の基盤は維持できず、定期訪問とは別に生活援助を入れるケースが複数あったと聞いております。

 10月に国の方に中間の報告を提出したところでございますが、生活援助の取り扱いや、既存の訪問介護や夜間対応型訪問介護サービスとの違いを明確にするべきではないかといった意見を提出しているところでございます。今後、厚生労働省は、どのような状態の方がどのような利用でメリットがあり、事業者も参入できるのかを検証していくことと思いますが、市としては、市民に不利益がなく、また訪問介護提供事業者も無理のない経営ができるような制度設計となるよう、モデル事業を通じて意見を提出していきたいと考えております。

 7番目の25%を全額交付することを国に求めよということでございますが、毎年度、東京都市長会から、東京都予算編成に対する要望書において、都から国への働きかけの事項として、介護保険制度における国庫負担のうち調整交付金については、国の法定負担分と別枠で措置することという重点要望を提出しております。また、東京都市長会を通じて、全国市長会からも国へ同様な要望を提出しているところでございます。

 次に、市内に避難している被災者の支援ということでございます。

 現在、市内に避難している被災者の方々の人数ということでございますが、12月2日現在、世帯数で65世帯142人といった方々が登録いただいているところでございます。

 2点目、市としてアンケートや聞き取り調査を行って状況把握に努めたらどうかということと、3点目として、市として市民と協力するなどして、さまざまな活動を推進したらどうかということでございます。あわせてお答え申し上げます。本市としましても、避難者の皆様方がきちんとこの地でも生活できるような形ということで、市民と同等の扱いをさせていただいて、それを若干上回るようなさまざまな市民サービスも重ねてしているところでございます。避難している方の要望につきましては、市民社協が防災課で発行している避難者サポートニュースにアンケートを同封し、困りごとがないかなどをお聞きし、連絡先を書いていただいた方には直接支援させていただいているところでございます。5月、7月にアンケートを実施し、さまざまな支援にもつながっているところでございますので、今後も社協の方でアンケートを実施する予定になっているところでございます。

 都営住宅に入居の方に対しましては、入居時に在宅介護支援センターあるいは地域包括支援センターの職員が訪問させていただいて、相談事を聞いて必要な対応をしているということでございます。また、茶話会を開きたいという声がございましたので、在宅介護支援センターが場所の確保や弁当の手配などを行った経過もございます。今後もそのような要望があれば、ぜひ支援していきたいと思っております。今後もサポートニュースなどを利用して、避難者の方がお困りのことなどをキャッチして、必要な、そして可能なサポートをしていきたいなと思っております。

 また、避難者の方々と私自身も、お祭やあるいは敬老福祉の集いでお会いしておりますが、近日中に皆さんとお会いして、どういう状況ですかとか、お困りごとはないですかとか、その辺をお話し合いをしたいなと思っておりまして、懇談会の予定をしているところでございます。

 最後に、都営住宅に避難してきている方々は、退去の期限が決められているのではないか。東京都に柔軟な対応を申し入れたらどうかという御提案でございますが、都営住宅での受け入れを開始した4月当初は、期限を6カ月としておったのですが、それが6月の時点で平成24年、来年7月末まで延長されています。さらに、去る11月25日には、期限を入居日から2年間に延長されておるところでございます。東京都は、応急仮設住宅の提供については、今後とも被災県と調整しながら適切に対応していくといったことを話されておられますので、いま時点では、市としては、この件について東京都に特に対応を求めることは考えていない状況でございます。

◯24番(橋本しげき君)  まず、1番目の解体工事の件ですが、要綱に基づいて市の方もいろいろ対応され、それから苦情についてもすぐに対応されたということなので、それはいろいろ大変なことがあったと思いますが、そういう対応は評価したいと思います。ただ、要綱なので、強制力といいますか、実効力といいますか、どの程度あるのかというのはあると思うんですね。今回は私、西久保3丁目の問題を言ったんですが、私がこういう質問をやりますとお知らせをしたら、何人かの方から、いや、うちの近所でも解体工事でいろいろと問題というか、騒音で困っているという話も聞いたもので、これは全市的に起こり得る話だと思うんですね。

 戸別配布による周知を解体業者が行ったという話なんですが、それが本当にどれだけ周知されているというか、まずそれが事実なのかどうかというのと、それから本当に行ったとして、どれだけ周知されているのかというのが私、疑問に思っているわけですよ。要綱では、解体工事の敷地境界から20メートル以内に住んでいるところに、説明会とか全戸配布とか、周知することになっているわけですね。私、20メートル以内に住んでいる方から話を聞きましたけれども、事前にそういうお知らせは見ていないと。工事が始まってから、何だ、これはということに気づいて、それでもう耐えられないので、その方は市にも言ったし、業者にも言ったという話なんですね。ですから、どれだけ周知がされているのかというのは、私は疑問に思っているわけです。ですから、きちんと周知を徹底するということと、それでその結果については、市は把握していないという答弁ですから、それもきちんと把握していくということが、トラブルを防止する上で、私、必要だと思っているんですね。ですから、そういう実効性のあることをぜひ進めていただきたいと思っております。

 そこで、まちづくり条例についてですが、今の答弁は、まちづくり条例の目的とは違うので、解体についてはちょっとなじまないのではないかというお話だったんです。三鷹市のまちづくり条例の例を先ほど紹介したんですけれども、条例の中にちゃんと規定があるわけですよ。それから、私、先ほど言いましたように、解体工事とその後の建築計画というのは、一体といいますか、時間的には連続して行われるということが一般的だと思うんですね。もちろん解体だけやって、更地になって、その後、いつ、どうなるかわからないという場合もありますけれども、連続して行われることが多いと思います。ですから、まちづくり条例の中で私は規定を入れるべきだと思いますが、目的が違うと言うんだったら、違う条例の形でも、何らかの形で条例化するなりして、きちんと手続を定める。業者に対しても、きちんとそれを実行させる。まちづくり条例が無理なら、別の何らかの形の条例をつくるということも検討すべきだと思いますが、その点についてどういうお考えをお持ちかというのを伺っておきたいと思います。

 それから、大きな2つ目、介護保険についてなんですが、利用料の5%助成の制度とか食事の200円の助成については、評価しているということの答弁がきょうもありましたので、パブリックコメントの募集、それから策定委員会での議論という話なので、それはぜひ前向きにやっていただきたいということを、重ねてここでは言っておきます。それは、今後の議論の中で前向きにやっていただきたい。

 それから、介護保険料を値上げしないための一般会計からの繰り入れです。これは今の答弁では、介護保険法によって、自治体は12.5%、市の場合は12.5%が公費負担だから、それ以上はできないというお話だったと思うんですね。しかし、例えば介護保険の利用料については、利用料の5%の助成制度をやっているわけですね。それから、一般財源を入れることはできないというお話で、国も入れるなと言っているわけですが、実際、一般会計から繰り入れをやって介護保険料の値上げを抑制している自治体はあるわけです。今、第4期ですが、例えば北海道の中富良野町では、介護保険料に一般会計から3年間で3,800万円繰り入れて、月額700円の値上げ分をそれによって抑制したということをやっている。ですから、一般会計からの繰り入れはできないのではなくて、やろうと思えばできるということだと思います。実際に繰り入れをするかどうかというのは、それはいろいろな判断があると思いますが、その前に、まずこれはできないのではなくて、やろうと思えばできるのだという認識を持っていただきたいと思いますので、その件について御見解を伺いたいと思います。

 それから、調整交付金の話と一緒に再質問したいと思うんですけれども、調整交付金の5%分。つまり、国が全部、25%満額出せということについては、市長会とか、そのほかの中で議論し、要望も出しているということなので、それは理解しました。それで、調整交付金について、そういう現状なんですが、先ほど私、述べたように、武蔵野市においては25%満額が来ていないで、24.64%しか来ていない。その分の残りの部分が保険料に上乗せになってしまっているわけですから、国から全部来ていないから保険料が値上げになっているわけです。そういうことなので、まず市が今できることは、保険料を値上げしないために国に25%の公費負担の満額支給を求めつつ、その間は残りの0.36%分を、市が一般会計から入れるなり立てかえる。それで、私は公費負担をきちんと果たすと。本当は国にやらせるんだけれども、その前でも市がやれることはやる、補てんするということを私はすべきだと思っていますが、それについてどういうお考えか、伺いたいと思います。

 それから、公費負担、今、25%満額来ていないと言ったんですが、実はいろいろ調べると、ほかの自治体では25%を超えてもらっているところもたくさんあるわけです。国の基準がいろいろありますけれども、法律で25%だと決まっていると言いますけれども、25%を超えてもらっているところの方が実は多いと思います。だから、実際にはそれ以上、公費を出しているわけですよ。例えば、これはちょっと数字が古いですが、2002年度の調整交付金にかかわる介護保険のデータの集計をちょっと私、見たんですが、当時は全国で2,863自治体あったんですけれども、調整交付金5%以上もらっているところは2,277自治体。それより少ないのは586自治体。つまり、25%入らないと言いながら、それより多くもらっている自治体が8割。この年の数字ですけれども、あったと。だから、自治体の公費負担についても、それ以上は絶対出せないんだという論拠はないと思いますね。その件について、ちょっと調べていただきたいと思います。そういうさまざまなことがありますから、私が今、求めたのは、25%全額来ていなくても、来ていない分をまず市が補てんして、保険料の引き上げを抑えるということを求めますが、見解を伺いたいと思います。

 それから、応能負担の問題なんですが、高額所得者に負担をきちんと求めるということは世界の流れだと思います。12月5日に経済協力開発機構、OECDが加盟国での貧富の格差が過去30年で最大になったというので、これを是正するために富裕層に増税しろという提言を出したんです。実際、欧米では、金持ちみずからが自分たちに増税してくれと言っているわけです。例えばドイツの資産家50人のグループ、富裕層に資本課税をというグループがあるんですが、メルケル首相に対して財政赤字の打開策は富裕層への増税だと主張している。フランスの富豪16人は、富豪らを対象にした特別貢献税を創設しろと提唱している。それから、イタリアでスポーツカーをつくっているフェラーリの社長が、富裕層に求めることから始めなくてはならないと語っていると。それから、アメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェット氏は、これは世界最大の投資持ち株会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOですが、超大金持ちたちを甘やかすのはやめようと述べて、自分たちに増税してくれと言っている。これは世界の流れだと思います。

 それは、国の税制の問題がありますけれども、私、武蔵野市で今、言いたいのは、介護保険の保険料について、基準額の最大2.5倍なんだという答弁があったわけですけれども、私はそこは改善して、高額所得者に対しては一定の負担をさらに求めることをしないと、格差が拡大する一方だと思うんですね。そこに手をつけるべきだと思います。例えば所得200万円の方は、保険料、年額7万9,000円ですが、所得10倍の2,000万円の方の保険料は年額14万1,000円ですから、所得10倍になっても保険料の額は1.8倍にしかならないということなんですよ。だから、私は格差社会の是正という点でも、低所得者対策でも、そこに手をつけるべきだと思いますが、お答えをいただきたいと思います。

 最後、3点目の被災者支援はいろいろやっているということなので、これは引き続きやっていただきたいということですが、答弁を求めた点についてお答えいただきます。

◯市 長(邑上守正君)  まず最初の御質問の解体工事に関するお話でございますけれども、現時点では要綱に基づく、きめ細かい対応をしているつもりでございますが、さまざまな課題があったとすれば、それを整理して、改善するにはどうしたらいいかというのを検討しなければいけないと思っております。事業者において周知するよう、指導を徹底するというのがまず第一だと思っておりますのでそれを徹底するということですね。

 今後の対応につきましては、その他多くの課題としては、まだまだ整理されていないと思っておりますので、この要綱の運用をしつつ、その課題整理は今後してみたいと思っております。制度についての検討は、その後ですね。課題を整理してから、その課題解決に必要な制度というのを確認していきたいと思っています。

 介護保険において、一般会計からの繰り入れができるじゃないかという議論について、私どもとしては、これは法律的には無理だと思っております。もしそういう例があるとすれば、それをもう1回資料として見て、研究してみたいなと思っておりますが、基本的には難しいのではないかなと思っております。

 そして、調整交付金につきましても、国に若干削られている分といいますか、その分を市が出すというのは、これはなかなか根拠を持って出すまでには至らないんじゃないかなと思っておりますので、それはまずは国の方に求めていくというのが第一であろうと考えるところでございます。ちなみに、25%以上出ているところは、後期高齢者が多いところと、かつ所得が低いところだそうでありまして、武蔵野市の場合は後期高齢者は多いのですが、所得が低いところまでいかないので、これが25%以上にならないということです。

 それから、所得の高い方により一層の負担をということでございますが、現時点の2.5倍というのは、他都市に比べますと、かなり負担をいただいていると思っておりますので、できるだけ出してもらうという考え方もあるのかもしれませんが、これは他都市のさまざまな例も参考にしながら、慎重に検討していかなければいけないと思っております。

◯24番(橋本しげき君)  もう時間がありませんので、私がさっき言ったようなことも加味して、調べることは調べて、ぜひ対応を前向きにやっていただきたいということを求めておきます。

                               
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