●一般質問「待機児童解消と介護サービスの拡充等について」(2015年6月11日) 本間まさよ
◯21番(本間まさよ君)  一般質問をさせていただきます。

 2015年度は、子ども施策も、医療、介護の分野も、大きな制度の改定の年となりました。子どもの分野では、子ども・子育て支援新制度が始まり、介護の分野では、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備に関する法律が可決し、介護保険の要支援1・2の訪問介護と通所介護は4月から順次、地域支援事業として自治体に移行するようにと指示がありました。このような大きな制度の転換の中で、武蔵野市として待機児童の解消、安心の介護を求め、質問をいたします。

 最初に、待機児童の解消を求め、質問をいたします。

 子ども・子育て支援新制度は、都市部における待機児童の解消が新制度実施の目的の一つとされています。新制度では、各市町村が、保育需要を踏まえた5年間の事業計画を策定することになっていますが、国としての集計を見ると、必要な量が確保できないことが明らかになっています。多くの保護者は、条件が整っており、低年齢児から就学前までの保育が継続して受けられる認可保育園での保育を望んでいます。そういう意味で武蔵野市が6月の議会に補正予算を組み、99名定員の認可保育園を来年4月に開設することになったことを評価いたします。

 さらに今後、待機児童解消を図る上で、量の充足のためには、待機児童数や保育需要の正確な把握が必要になると思います。6月1日の日付で子ども育成課から、平成27年度4月1日待機児童数についてと題する資料が各議員のポストに投函されました。待機児童数は127名で、前年度、平成26年度から比べて81名減少したと報告はされております。前年度から比較して減少したことはわかりますが、ここに記述されている待機児童数のカウントについては、報告では新定義となっています。厚労省は都道府県に対して、新たな待機児童の定義を示しました。これまでは希望した保育園に入れなくても、認証保育所などに子どもが入所していれば、待機児童とは数えていませんでした。これが今まで言われてきた新定義だったわけですが、新制度後の新定義は、待機とみなさない施設を追加し、4月から子ども・子育て新制度の給付対象となる施設に入所していれば待機児童から外すことになりました。この給付対象には幼稚園や小規模保育所、認可を目指す保育施設も含まれています。そればかりか新制度に入らない幼稚園の一時預かり事業まで含め、待機児童を少なく見積もる内容となっています。

 新制度前は、待機児童数は、認可保育園に入れなかった子どもたちの数を旧定義を呼び、認証保育所に入った子どもは待機児童数に含まなかったことを新定義と呼んでいました。新たな新定義のカウントの仕方となりますので、今までと比較する上で、質問の1点目として、2015年度、認可保育園への申し込み数、入所者数、小規模保育所、保育ママ、認証保育所への入園した数をお伺いいたします。

 質問の2点目は、新制度に関連して保育園入所希望者のニーズ調査が行われましたが、全く実態を反映していないことについてです。子ども育成課の資料を見ますと、平成27年度のゼロ歳児の待機児童は48名となっています。しかし、ニーズ調査をもとに算出した数は27名です。1歳から2歳児の待機児童は合計で77名もいるにもかかわらず、ニーズ調査では待機児童はゼロとなり、1歳から2歳児の保育は足りている、充足しているとなっています。これでは必要な対策はとることができません。実態を反映していないこの調査について、どのように検証しているのかをお伺いいたします。今後の待機児童解消に向けた計画策定についてはどのような手法で行うのか、お伺いをいたします。

 質問の3点目は、認可保育園の増設についてです。子育て世帯の方々が行ったアンケートでも、95%の方が認可保育園を希望していると答えています。新たに認可保育園が開設されることになり、これについては評価をしておりますが、今後の認可保育園の計画をさらに持つべきだと思います。具体的なお考えを含め、答弁を求めます。

 4つ目の質問として、今まで東京都が補助金を支出してきた民間保育園に対する補助金の見直しについて、お伺いをいたします。東京都は、社会福祉法人立の認可保育園に対して行ってきたサービス推進費という補助を、子育て支援新制度の実施を理由にし、見直しを行いました。多くの点で見直しがありましたが、問題点の一つとして、地域子育て支援加算の項目が廃止されたことです。地域支援加算とは、認可保育園がお年寄りや異年齢児──小・中・高生などですが──との交流や、在宅の子育て支援等を行った際に、補助の額を加算するものです。地域子育て支援加算の項目を廃止した理由について、東京都は子育て支援新制度で市町村の役割に位置づけられたからだと説明をしています。同時に、市区町村が現在の地域子育て支援加算と同様の補助を行った場合は2分の1の補助を行うと説明をしています。地域子育て支援加算の多くの項目が廃止されたため、減収となる認可保育園も生まれているのではないかと思いますが、具体的な影響はどのようなものか、また、武蔵野市としての対策についてお伺いをいたします。

 質問の5点目は、保育士の確保と処遇の改善についてです。福祉に従事する人の責任や仕事の大変さに比べ、待遇の問題は、指摘をされながら、なかなか改善がされていません。保育現場では、保育士さんの確保は大きな課題となっています。保育士の処遇の改善を図るように国に意見を上げるとともに、武蔵野市としてできる対策が必要だと思います。保育士の処遇の改善と、保育士確保のための市の見解についてお伺いをいたします。

 2つ目の大きな質問は、介護保険制度の改定に伴う武蔵野市の対応についてです。

 この間、要支援と言われている方々とお話をいたしますと、皆さんが不安だと、私にも声をかけてまいります。自分が今まで受けていたサービスがこのまま続けられるのだろうか、ひとり暮らしなので今までのサービスがなくなったらどういうように生活していったらいいかわからない。状態は全く変わっていないのに、もう既に制度の改定前に要支援の2から1になった。それによりヘルパーさんの回数が減ったなどの訴えや、軽い認知症がある方や家族の不安の声も寄せられています。4月15日発行の市報には、高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画の特集号として、介護予防給付の見直しも若干説明されていますが、4月から予定されている武蔵野市の介護予防給付等の概要について、御説明をいただきたいと思います。

 2つ目に、今までの要支援1・2の人は全員が10月からの市のサービス対象となるのか、お伺いをいたします。要支援1・2のサービスを後退させないように求めます。サービスの担い手は充足されているのでしょうか。人材の確保は十分なのか、お伺いをいたします。

 3点目は、研修を受け、資格を持っているヘルパーさんから、ボランティアの人に変わることによる懸念についてお伺いをいたします。長年ヘルパーさんとして働く女性は、ヘルパーは家事代行ではありません。高齢者を継続して見ていることで認知症などの状態の変化を把握し、介護計画の見直しや医師による対応につなげている。これは研修や専門性があるから対応できることだと述べています。サービスの担い手が変わることによる市の対応について、見解を求めます。

 4点目は、特養ホームの設置についてです。特養ホームの増設も市民の強い願いです。第6期介護保険事業計画では、市内に特養ホームを平成29年度までに開設するとなっています。地域包括ケア推進に向けた、各機能を併設した特養老人ホームの整備と記述があります。この間できた特養ホームの中には、ユニット型のために料金が高くて、とても自分が受け取っている年金だけでは入居できないと嘆く市民の方々も多くいます。年金で生活している方々が入れる特養ホームとなることを求め、質問をいたします。御答弁をお願いいたします。

 最後の質問は、くぬぎ園跡地の活用計画についてです。

 2014年度末をもち、高齢者の施設として長い間親しまれていた桜堤のくぬぎ園が廃止されました。入居されていたたくさんの方々のお顔が思い出されます。廃止に先立ち、平成26年7月末、くぬぎ園を廃止した場合における当該跡地に設置する福祉施設について検討するための有識者会議が設置をされ、本年3月に報告書が提出されました。有識者会議の議論のまとめは、介護老人保健施設の整備を中心として、障害のある方を対象としたグループホームなどの機能も入れ、高齢者も障害者も住みなれた地域で安心して暮らし続けられるための機能を持つ多機能型・複合型施設を整備すべきとし、施設の整備については、土地の所有者である東京都と継続的に協議を行い、市の要望が反映されるように求めています。

 くぬぎ園の跡地については、地元の方々から大変注目され、また期待も寄せられています。市の説明によりますと、くぬぎ園は、2015年、16年の2年間で施設の解体、東京都が施設の運営を行う事業者を決定していくと伺いました。東京都との協議が終了し、施設内容の最終的な案が決定されるのはいつごろになるのでしょうか。計画が決まり、施設の建設、開設の日程などについてもわかりましたら、ぜひお示しいただきたいと思います。施設の整備については東京都となりますが、武蔵野市のかかわり方、市がこの施設に対してどのような意見が言えるのか、これもあわせてお伺いをしたいと思います。

 また、今、計画策定に当たり、武蔵野市が東京都に要望している内容についてもお伺いをいたします。この施設が武蔵野市民が利用できる施設になるのか否かも、今のところまだわかりません。武蔵野市民が当然利用できる、入所できる施設であると考えていいのか、これについても明確な御答弁をいただきたいと思います。現在、東京都を含め、交渉している最中だということについては重々わかっております。ぜひ、地元の皆さんも期待している施設でありますので、現時点で報告できる内容については、ぜひ詳しく、わかりやすく御説明いただくことを求めまして、壇上での質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、本間まさよ議員の一般質問にお答えしてまいります。待機児童解消と介護サービスの拡充等についてであります。

 まず、大きなお尋ねの待機児童解消についてという中で、15年度の認可保育園の申し込み数、入園状況、及び小規模保育所、保育ママ、認証保育所への入園児数等ということでございますが、まず認可保育園に関しましては、ことし4月入所向けの第1次利用調整における申し込み者数が1,028名でありました。うち選考対象者1,009名のうち、内定者が489名でございますので、不承諾者数は520名と、このような数字でございます。また、本年4月1日現在の各施設の入園状況を順に申しますと、認可保育所1,642名、認定こども園63名、小規模保育118名、家庭的保育、保育ママのことですが、26名。認証保育所529名、グループ保育11名、合計2,389名、これが入園状況でございます。

 続きまして、新制度に関連してニーズ調査を行ったけれども、なかなかニーズ調査が実際とはかなり離れているのではないかという御指摘でございます。御案内のとおりでございますが、例えばゼロ歳で、ニーズ調査で299名という数字を出しておりますが、実際に利用者と待機児を合わせますと309名ということから、10名分の差。ゼロ歳児についてはそれほど大きな差はなかったのですが、1・2歳児はニーズ調査で914名、実際には、利用者と待機児を合わせますと1,070名必要であったことから、156名分の差が出てしまっております。また、3から5歳児、ニーズ調査で908名、実際には利用者1,133名と待機児が2名でございますので、227名分の差が出てしまったということでございます。この差異につきましては、もととなる人口の見込みというのが、実際と違っていた。つまり人口の予測数値と現状の人口の実際の数字がかなり違っていたということと、それから、実際に保育希望者の割合が急に高まってきたということから、この差異があるのではないかなというふうに思っています。

 ただし、結論から申しますと、このニーズ調査で全て終わっているわけではなくて、その後に確保方策、つまりどのような保育園が可能かということで、それに対応しております。実際には、待機児数としては127名というふうにはなっておりますが、今後どうするかということにつきましては、これは子どもプラン策定のときに、5年間の確保目標を設定しようということで、昨年度以前のデータをもとに積み重ねた計画でございますので、当然今年度の4月時点で大きな差異が出てきたということでございますので、その現状を踏まえて、これは毎年度見直しをしていく必要があるのかなというふうに思っています。

 それで、3点目でございますが、認可保育園の増設。多くの方が認可保育園を求められているということから、これは可能性を追求しているところでございますので、壇上でも御案内いただきましたが、現在定員99名の認可保育所の設置のため準備を進めているところでございますが、今回の議会でも補正予算を提案させていただく予定としております。あわせて、3歳児の受け入れ先の確保を含めて、認可保育園のさらなる新増設、それについてはぜひ前向きに検討していきたいというふうに思っています。

 それから4番目で、民間保育園に対するサービス推進費の見直しなど、新制度のもとで新たな費用削減などの問題が出ているということでございますが、御案内のとおり、このサービス推進費は東京都が単独での、直接民間保育園に対しての補助をされているところでございますが、このサービス推進費が、再構築が行われて、その中で、保育園においてこれまで実施してきた子育て支援事業、ひろば事業などへの補助がなくなっているということでございます。都の説明では、現行のサービス推進費を廃止し、新たな補助制度として、保育士等キャリアアップ補助、保育サービス推進事業を創設したとしています。これまでの地域子育て支援は、新制度において地域子ども・子育て支援事業に位置づけられ、区市町村が地域の実情に応じて実施することとされていることから、地域子育て支援加算が廃止となったとの説明がありました。

 具体的な各園への影響額は把握をしておりませんが、このサービス推進費の見直しにより、特別な配慮が必要な児童への支援の部分については充実や補助の維持がされていますけれども、ひろば事業などには補助がなくなったことから、影響が大きい園もあるというふうに想定をしております。このサービス推進費が都単独事業であり、事業所への直接補助であったこともあり、現在市としましては、その肩がわりをする予定はございませんが、しかし、これまで地域の子育て支援機能の役割を果たしてきた保育園が担ってきたひろば事業を今後どのように位置づけていくかは、これは支援事業全体において、武蔵野市の実情も踏まえて検討していきたいというふうに考えております。

 次に、保育士確保は保育現場でも課題となっているが、どのように考えていくかということでございます。私どもも、保育士の確保はどの事業所でも大変苦労されていると認識してございますので、これは喫緊の課題の一つというふうに認識をしてございます。国では平成27年1月に保育士確保プランを公表し、必要になる保育士の確保と、30年度以降も保育士が充足されるよう継続的に保育士確保に取り組むと、一応計画ではそのようにされているところでございます。この国の確保プランは、人材育成、就業継続支援、再就職支援、働く職場の環境改善から成っているところでございますので、このプラン実現に向けて大いに期待をしたいところでございます。

 市としましては、特に働く職場の環境改善にもつながる処遇改善を2年前より検討しておりまして、具体的には保育士処遇改善費補助金として、認可保育所のみならず、認証保育所や小規模保育となったグループ保育の処遇改善にも努めてまいりました。また、人材育成の面からは、全体研修の実施など各種研修の実施、保育相談員など専門員等の相談助言体制の構築により、保育士の専門性の向上にも努めてまいりました。これからも市としましては、保育士の確保に向けた支援を継続的に取り組んでいきたいというふうに思っています。なお、現在、市長会からも国に対しまして保育士の処遇改善等の要望を行っておりますので、引き続き要請をしていきたいというふうに思っています。

 次に、介護保険制度の改定に伴う武蔵野市の対応についてということでございますが、10月からの、市の独自制度として行うサービスの概要ということでございますが、御案内のとおり、改正によりまして、現在の要支援1・2の方へのサービスのうちの介護予防訪問介護、介護予防の通所介護、従来の給付から市町村の事業に変わるということでございます。この事業を利用している要支援者には、市としましては、これまでと同程度のサービスが継続されることを基本的な対応方針として考えております。その上で、訪問型サービス、通所型サービスを次のように提供することを検討しております。

 まず、訪問系サービスでございますが、みなし指定事業所と申します現介護保険の指定事業所による現在の介護予防訪問介護に相当するサービス、そして2つ目は、従来介護保険外の市独自のサービスであった生活支援ヘルパー事業を、基準を緩和したサービス、これは訪問型サービスAと称しておりますけれども、それを市が単価などを決め、指定事業所等により提供をしていくということでございます。通所系サービスにつきましては、みなし指定事業所によります現在の介護予防通所介護に相当するサービス、それと基準を緩和したサービス、これは通所型サービスAということになりますが、それを市が単価などを決めて定めて、指定事業所等により提供するということでございます。新たに、リハビリ専門職による短期集中の生活改善、機能改善プログラムを、老人保健施設等への委託により創設し、例えば地域の体操教室などで筋力低下等が心配される方をプログラムにつなぎ、終了後にもとの教室に戻れたり、自主グループ化したりすることも視野に入れて、継続的な効果測定を行っていくことを考えています。また、いわゆる住民型のサービスについては、本市には現在テンミリオンハウスや地域健康クラブ、不老体操などの住民主体型の事業があるため、それをさらに推進していく予定としております。

 次に2番目で、今までの要支援1・2の方は、10月から市のサービス対象となるかということでございますが、今回の改正では、現在の要支援の方へのサービスのうち、介護予防訪問介護と介護予防通所介護の利用者のみが、従来の予防給付から市町村による総合事業の対象者となり、それ以外の通所リハや訪問看護等のサービスを受けている方は今までと同様に介護保険の給付が受けられるものと、このようなことでございます。今まで訪問介護、通所介護を受けられている方については、ことし10月から一度に全員が総合事業に移行するのではなく、10月以降の要支援認定の更新時期に合わせて、順次介護保険の給付から総合事業の利用へと移行していくということを予定しております。

 次に、研修を受け資格を持っているヘルパーからボランティアに変わることにより、サービス低下となるのではないかということでございますが、基本的には介護保険の指定事業者による基準緩和型のサービスの実施を考えておりますが、現在要支援1・2の方の介護予防訪問介護のサービス内容では、主に掃除の支援、これが7割を占めておるということから、介護福祉士等の有資格の専門職が必ずしも必要とは言えないのではないかと、このような考え方を持っているところでございます。そのため、高齢化の進展に伴いまして、限られた人材を有効に活用していくためには、有資格のヘルパーの皆さん方は今後、どちらかというと中重度の要介護者のケアにシフトしていただくのが必要ではないかというふうに考えています。資格を有していないヘルパーによるサービス提供を行う場合は、市としまして独自の認定研修を設け、これは必ず受けていただくことにより質を担保していくことを検討しておるところでございます。

 特別養護老人ホームの増設ということでございますが、高齢者福祉計画の新規事業として、地域包括ケア推進に向けた機能を併設した特養ホームの市内整備を掲げているところでございます。現時点での整備計画では、関前1丁目に、定員70名、ショートステイ10名の希望で、デイサービス、介護予防拠点、防災拠点型地域交流スペース、事業所内保育施設を備えた多機能型特別養護老人ホームを、平成29年度に開設する予定でございます。

 次に、最後のお尋ねでございますが、くぬぎ園跡地の活用計画ということでございます。現時点での内容をわかる範囲でということでございます。

 3月に、武蔵野市くぬぎ園跡地利用福祉施設の在り方検討有識者会議から報告書を提出いただきました。報告書では、議論のまとめとして、介護老人保健施設の整備を中心として、共同生活援助、これは障害のある方を対象としたグループホームなどを整備することにより、高齢者サービスと障害者サービスを連携して提供でき、なおかつ高齢者も障害者も住みなれた地域で安心して暮らし続けられるための機能をあわせ持つ多機能・複合型施設を整備すべきと考えると、このように報告書で提言いただいております。平成27年度、28年度の2年間で市が建物を解体する、その後、土地を東京都に返還することとなります。

 東京都は、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業実施要綱に基づき、今後都有地を借り受ける事業者を公募することとなりますが、現時点では、細かなスケジュール等は公表されておりません。都の要綱では、市長と協議の上公募する、あるいは公募の事務を市に委任することができる、あるいは公募に応じた者について市長の意見を聴取することなどが定められるということでありますので、したがって、この要綱に基づいて市は関与をしていくこととなるというふうに考えております。

 整備される施設は当然、市民が利用できるものと考えております。市は有識者会議報告書の内容が実現されることを東京都に要望しておりますが、有識者会議には東京都福祉保健局高齢社会対策部施設計画担当課長も委員として参加いただいておりますので、都の意向も踏まえた上で議論が取りまとめられたものというふうに認識してございます。したがって、市の要望が実現されるものと考えているところでございます。

 以上でございます。

◯21番(本間まさよ君)  市長から、認可保育園については前向きに考えているという御答弁をいただきましたので、これはすごく、子育て世代の皆さん含め、力強い御答弁をいただいたなというようには思いました。ただ、実際、現在武蔵野市で保育園に入れない待機児の数というのは、今御説明いただいたように、認可保育園を申し込んで、しかし入れなかった人たちは、いわゆる旧定義で言えば520名という数字がやはり明らかになり、これは前年度から比べても大きな数になっているというように思います。ぜひこの対策をとっていただきたいということが一番強い要望なのですが、まず最初に、質問の中でも訴えましたけれども、必要な人数がどれだけいるのかということをきちんと把握するのが大事だというように思います。

 そこで、国が新制度に基づいて行ったニーズ調査で、市長は、これは毎年訂正して、対応していくということですけれど、この武蔵野市が出した第四次子どもプランのところにも、そのニーズ調査の資料がございます。ここでは、例えば1歳から2歳、これはニーズ調査では充足されていると、ずっと31年まで、27年から31年、5年間ずっと充足されているというようになっているわけです。そして、この子どもプランのところでは、不足数については早急の充足に向けて取り組みを進めていかなければいけないということが考え方として出されているので、やはり正確な数字というのが必要になってくると思います。これはちょうど新制度の準備、それから待機児対策の仕事、本当に担当課はすごい忙しい中で、さらにこういうニーズ調査もやらざるを得なかったと。しかし、人件費も使いながら、大変な思いをして調査をしても、それが実際には正確な、制度に反映できるような数字になっていないというのは、やはりこれは考えていかなければいけないことだというように思いますし、これは国の考えとして実施されたことですけれど、こういうことについてもぜひ検証していただきたいということを、これは要望として訴えておきたいと思います。今後はやはり、どの政策をやるについても、正確な数値、これができるようにぜひやっていただきたいということを訴えておきたいと思います。

 市長は認可保育園について前向きに取り組んでいきたいということなのですが、ほかの自治体でも本当に今、待機児対策については積極的に取り組みが進んでいると思います。全てについてちょっと報告はできないのですけれど、23区、多摩の自治体の中で、例えば豊島区、ここは、ことしの4月に認可保育園を2つつくったのです。でも、それでも待機児は随分出ると、区の支援計画では定数を1,000人ふやすと。ことし2015年と、16年度で、認可保育園を8園つくるのだということを議会で明らかにしたわけです。それでも足りなかったら、もっとふやすというのが区の姿勢なのです。これは豊島区だけではないのです。杉並区では、認可保育園の整備は、区立の保育園を改築するのが1園、それから私立の保育園をやはり10園で、これで840名の定数を拡大する。大田区でも私立の保育園を4カ所新設する。多摩の自治体、この間私は何回も待機児対策の質問をさせていただいて、待機児率が武蔵野は多摩の中で大変高いと、ワースト2ぐらいになってしまっているということを何度か議会で言いましたけれども、例えば武蔵野より待機児率が少なかったところでも、国分寺では認可保育園を1園増設して、さらに2017年には3園増設する。また、調布は、これは新聞で大きく報道されました。2016年には認可保育園を8園誘致する、そして今後4年間で2,130人の定員拡大を行うのだと、もう大変な決断をしたのだということで新聞に大きく報道されましたが、ぜひ、前向きに取り組むという市長の答弁はありましたけれど、さっきの数字でもあるように、認可保育園に入れなかった子どもたちが520人いるという、この数値をぜひ把握していただいて、ほかの自治体とともに、ぜひ認可保育園については、今回の6月の補正予算に組まれた以外にも、計画的に予算に計上していただく、これをもう一度、改めて市長の決意を伺いたいと思います。

 次に、サービス推進費です。これは、影響が大きいだろうということについては理解されているようですが、どのぐらい影響があるのかというのを把握されていないということなので、ぜひこれは把握していただきたいと思うのです。やはり認可園の運営にもかかわる問題なので、ぜひこれについては把握していただきたいと思いますので、これについては御答弁をいただきたいと思います。

 次に、保育士の確保。これもすごい、もう市長もこの問題については大変重要な課題だというように言われました。今、福祉現場の職員の人たちの確保というのは、本当に大変な問題になっています。例えば看護師さんについては、もう各医療機関では看護師さんを独自に確保するというのが困難になっているのです。それはなぜかというと、人材バンクみたいなものがもう全部、看護師さんたちを把握して、そこから送るというようなシステムにどんどん移行していっているので、なかなか新たな看護師さんを確保するというのがすごい大変なような状況になっていますが、保育士もそういうような状況にどんどんなってくるのではないかと、すごく心配をしています。

 今は武蔵野でも保育士さんたちのいろいろなつながりというのがあって、個人的な働きかけの中で一生懸命確保したりというような努力も行われていますが、それではもう絶対に無理だと思います。国に要請されているということなので、ぜひ引き続きやっていただきたいのですが、例えば武蔵野で、市報などに保育士を募集するというような、市の子どもたちを預ける施設ですから、そういうことができるのかどうか、そういう検討ができるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。

 次に、介護保険についてです。これについては、1つは、先ほど、10月から更新時期に合わせて、要支援1・2の人たちについては支援のサービスを移行するという御答弁がありました。これは、例えばほかのところでは、チェックリストの対応で、その申請を受け付けないようなことも想定されているというようなことも伺っているのですが、市としてはしっかり、必要な人たちには、きちんと受けられる、そういうシステムになるのかどうか確認をしたいと思います。それから、総合事業の基準単価、この設定や、それから生活支援コーディネーターの稼働、こういうことについてはどういうようになっているのか、これについてもお伺いをしたいと思います。介護保険についてはその点をお伺いしたいと思います。

 特養ホームは、先ほど言いましたが、一般の年金で入れる人たちの基準になるのか。これは、市が一生懸命市内に特養ホームをつくっていただいても、ユニット型の特養だと月20万円以上支払わなければ入れない、これでは年金では入れないというのが、すごい声としてあるのです。こういうことについても対応できるのかどうか、あわせて伺いたいと思います。

 くぬぎ園についてです。市が協議して行うので、市民の人たちの入れる施設だというように言われましたが、これは市が入所の手続等についてもやれるのか。現在は、解体の費用は市が出すと思うのですが、建設費なども含めた補助金を出すことによって、市民枠というか、市民が入れる施設として契約されているのかどうか、そこら辺についてちょっと明確に御答弁をいただきたいと思います。答弁を求めます。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、幾つか再質問いただきましたので、お答えをしてまいります。

 保育園待機児の解消に向けては、もちろん認可保育園ということも念頭に置いておりますけれども、従来行ってきた多様な保育ということも進めておりますので、そのようなバランスのとれたというか、特性を生かした保育園の充足が必要ではないかなというふうに思っています。まずは、目標としては、127名という待機児を出してしまっておりますので、この待機児相当の皆様方の解消を最優先していきたいというふうに思っております。かつ、全体の保育園の拡充とともに、その中ではもちろん認可保育園ということも大いに検討を進めていきたいというふうに思います。

 それからサービス推進費、これは民間の保育園のものですけれども、可能であればこれは把握に努めて、現状の窮状を整理してみたいというふうに思っています。

 保育士の確保につきましては、基本的には、民間の保育士募集のときは、なかなか広報でというのは難しいかもしれませんが、合同でそういう募集があったとすれば、何かうまい工夫をして、現在こういう人材を募集しているということをまとめて、もし可能であれば、できるかどうかについてちょっと検討してみたいというふうに思います。

 それから、介護保険関係については、後ほど担当部長から補足をさせます。

 特養ホームについては、まだ具体的に料金設定等していないのですが、市内の状況を見ると、料金的にはなかなか厳しい状況ではないかなというふうに思いますが、今後その辺の設定をされるのでしょうが、注目をしていきたいというふうに思っています。

 くぬぎ園につきましても、これからの話でございますが、基本的には市に存在する施設ということから、これは市民の優先利用を強く求めていきたいというふうに思っています。

健康福祉部長(笹井 肇君)  介護保険の最初のほうの御質問で、制度改正後は基本チェックリスト、いわゆる25項目の基本チェックリストでサービスの提供が受けられるというのが、厚生労働省が出しているガイドラインでは、御指摘のとおりでございます。ただし武蔵野市の場合は、新規の介護保険の利用希望者については、全て一度要介護認定を受けていただいて、それはやはり保険料を御負担していただいている皆さんの権利の保障であるとか、あるいは要介護度の公平性であるとかということから、必ず一度は要介護認定を受けていただくことを原則として考えているところでございます。ただし、その後1年ないし2年たって、更新時期を迎えたときに、その方の身体状況や、あるいは受けていらっしゃるサービスの状況によって、チェックリストで代替がきく場合については、2回目以降の更新のときには、その状況に応じて簡素化を図っていったらどうかというのが現在の検討状況でございます。

 それから、特養ホームについては市長から御答弁申し上げたとおりですが、前回私どもが市内に整備をしたさくらえんの特別養護老人ホームの建設時から現在まで、資機材の高騰が約15%から20%ぐらい引き上がっておりまして、非常に、整備をしていただく法人さんとも協議をしておりますが、本間議員が御指摘の利用料の設定については、そういった建設コストも含めて運営法人さんに、我々の要望を伝えてまいりたいというふうな状況でございます。

 以上でございます。


◯21番(本間まさよ君)  では、認可保育園だけではなく多様な保育施設ということを言われたのですが、それは今も、第四次の子どもプランのところでも書かれてありますので、それはそれで進める、待機児対策として進めるということについて否定するものではありませんけれど、認可保育園も市長は前向きに検討すると、冒頭の御答弁でいただきました。これについては、やはり年次計画を持ってつくっていくという考え方は持てないのでしょうか。2016年に1園つくるということですけれども、その後の施設計画、これももう既に今年度から計画を立てて、設置していくための計画をつくるというような、そういうことはできないのかどうか。ほかの区市ではそういう、何年かにわたっての計画というのを立てているのですが、武蔵野市はそういう年次計画というのを認可保育園については示されていないので、この点については私は強く要求していきたいと思うのですが、市長としてはどういうようにお考えになっていらっしゃるのか、これはお伺いをしたいと思います。

 それから、2つ目は介護保険なのですが、担当部長のほうからも御答弁いただきました。それで、制度が10月から変わって、市のサービスになると。それに対して、必要なサービスを提供できるだけの人材確保というのはできているのでしょうか。同程度といっても、必要なサービスを提供できるだけの準備ができているのかどうかということについてちょっと御答弁いただかなかったので、その辺はどうなのかというのをお伺いしておきたいと思います。それから、基準単価についての御答弁もなかったので、部長は専門家でいらっしゃるので、それも御答弁をいただきたいというように思います。

 それからあと、特養。どうもそうなる、今の御答弁だとなかなか入所の金額が、やはりちょっと心配していたようなことになってしまうのかなと思うのですが、そうすると庶民というか、やはり20万円以上の金額というのは本当に厳しいと思います。今後の特養についての考え方も含め、みんなが入れるということをぜひ考えていただきたいと思いますが、その点についても改めて御答弁いただきたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  保育園のほう、私から御答弁申し上げますけれども、現在、やはり待機児解消というのが最優先課題だと思っておりますので、それを最優先するということであります。数年かけての認可保育園というのは、これはちょっと次のステップではないかなというふうに思っていますので、同時に検討すべき課題かもしれませんが、優先すべきものは、まずは待機児解消、めどがついた後に、その辺のまた認可保育園。もちろん今でも待機児解消のための認可保育園の増設というのもありますけれども、その後数年かけての話については、次のステップで考えるべきではないかなというふうに思っています。

健康福祉部長(笹井 肇君)  申しわけございません。3点の質問というふうに理解をいたしました。まず一つは人材確保でございますが、これにつきましては、例えば武蔵野市の場合は福祉公社で、いわゆる旧ヘルパー2級、初任者研修の資格の受講につきましては、本来5万円の自己負担をいただいているところですが、市内の介護サービス事業に就職していただいた場合には、5万円のうち4万円をキャッシュバックして、実質1万円で資格取得ができるというふうな制度をつくっておりまして、これについては今後とも引き続き、新たな有資格者の養成をしてまいりたいというふうに思っています。それから、事業所によっては、確かに御指摘のとおり、人材が非常に難しくなってきているという面もございまして、その点については逐次事業者の皆さんと、新規に、例えば訪問看護師になりたい、あるいはなったばかりの人を、市と事業者連絡会で共同して研修を行って、武蔵野の訪問看護はこんなにすばらしいのだということを認識してもらうようなイベントをつくっていきたいというふうに思っています。それから、事業計画に書いてございますが、ケアリンピック武蔵野(仮称)というのを12月12日に開催する予定で、これは事業所の皆さんと協働して実行委員会を組むとともに、杏林大学病院の看護学部、それからルーテル学院大学、社会事業大学とかと連携をして、福祉を志していただいている現在の大学生あるいは専門学校生も含めて、そのケアリンピック武蔵野の中で、武蔵野で働いていただく介護人材あるいは看護人材を確保していこうというふうな企画を現在進めているところでございます。

 2点目は基準単価の御質問でございましたが、これにつきましては逐次、現在、通所介護事業者あるいは訪問介護事業者と、新総合事業に至った場合の武蔵野市の委託単価ということになりますが、それについては協議を進めているところでございます。現在の介護報酬とそんなに差をつけない方向で検討をしております。と同時に、単価だけの問題ではなくて、運営する運営基準、人の、例えば15対1にするのか、20対1にするのか、面積をどういうふうにするのかということなので、単純に金額だけで比較はできないのですが、運営基準と単価設定という両方の、総合的な観点で判断をしていきたいというふうに考えております。

 それから特養については、可能な限り、私どもとしては所得段階に応じて入所者の軽減措置を適正にやりながら、運営法人さんについては、年金生活で入所がきちんとできる方向での価格設定をお願いしているというのが現状でございます。

 以上でございます。

                               
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