●一般質問「子どもの貧困対策と少人数学級推進等について」(2015年9月3日) 本間まさよ
◯21番(本間まさよ君)  一般質問を行います。

 私は、8月4日から6日まで、広島市内で行われました原水爆禁止2015年世界大会に参加をいたしました。世界大会では、ことしは被爆70年の節目の年であり、世界の諸国民、政府、国際機関が核兵器の禁止と廃絶を一刻も早く実現するために、共同して力を尽くすときであると宣言しました。同時に、自衛隊による海外での武力行使と集団的自衛権行使を可能とする戦争法案は、再び戦争はしないと誓った日本国憲法を根底から覆すもの、ヒロシマ・ナガサキを繰り返すなと叫び続けてきた私たちは、ここ被爆地広島から、被爆者とともに、戦争するな、核兵器をなくせと呼びかけますと決議をしました。

 私は広島の平和式典に参加をいたしましたが、邑上市長は長崎の平和記念式典に参加をしたと伺いました。まず最初に、長崎平和記念式典に参加をされた市長の感想をお伺いしたいと思います。

 世界には、いまだに約1万6,000発もの核弾頭が存在しています。核兵器廃絶に対する市長の見解をあわせてお伺いいたします。

 2点目の質問は、8月5日、広島原爆投下70年の前日です。安保法制の特別委員会で中谷防衛大臣は、日本には非核三原則はあるとしながらも、安保2法案は法文上は核兵器の運搬も排除しないと答弁したことについてです。

 私はこの報道を広島の地で知りました。2日間被爆の実相を伺ったその夜のテレビでの、自衛隊が核兵器を輸送することもあり得るという報道でした。10代で被爆し、背中が焼けただれ、十分な治療もできず、骨まで露出し、何カ月もうつ伏せ状態でいたと話してくれた被爆者の方は、命の続く限りみずからの体験を語り、戦争につながる全てのものに反対をしていくと語り、中谷発言に怒りを表明していました。

 非人道兵器も大量破壊兵器も、法律上では何でも運べる。そこには何の歯どめもありません。憲法9条のもとでこんなことは許されるわけはありません。核兵器の運搬もあり得るとの発言に対する市長の見解についてお伺いをいたします。

 3点目の質問は、武蔵野市が発行した「平和・憲法手帳」の活用についてです。私は広島の世界大会に市の発行した憲法手帳を20冊ほど持参し、2日目に行われた非核平和の自治体づくりの分科会で紹介させていただきました。たくさんの皆さんが関心を持ち、私の自治体でも参考にしますと手帳を持ち帰り、あっという間になくなりました。希望する方が多く、後日発送もいたしました。憲法手帳は3月に発行し、すぐに増刷をしましたが、反応はいかがでしょうか。今後の活用、普及についてお示しいただきたいと思います。

 4点目には、8月に行われた平和行事についてお伺いをいたします。昨日同様の質問もありましたが、結果を踏まえ、評価する点、今後の課題と考えていることなども含めて、御答弁をいただきたいと思います。

 次に、子どもの貧困対策について質問をいたします。日本政府が初めて子どもの相対的貧困率を大々的に公表したのは、2009年10月です。そのときの数値が15.7%、6人に1人の子どもが貧困状態にあるとの数値は、衝撃を持って受けとめられました。さらに、ひとり親家庭の貧困率は5割を超えています。子どもは将来を担う社会のかなめであり、貧困の連鎖を食いとめなければならないという理念は党派を超えて広がり、2013年6月、通常国会で、子どもの貧困対策の推進に関する法律が全会一致で可決し、昨年施行されました。

 法律の基本理念には、子どもたちに対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来が、その生まれ育った環境によって左右されることがない社会を実現することを掲げ、この理念に沿って、地方公共団体は子どもの貧困対策を総合的に策定、実施しなければならないと義務づけられています。現在の貧困は見えにくいと言われています。子どもの貧困対策実施に向けての市の認識についてお伺いをいたします。

 1点目の質問は、子どもの貧困についての認識についてお伺いいたします。市の貧困対策についてお伺いいたします。
 2点目は、武蔵野市内での子どもの貧困に対する実態を把握する取り組みについてお伺いいたします。市内でどのぐらいの子どもが貧困状態なのか、把握はされていないと思います。実態を把握しなければ対策はとれないと思います。

 子どもの貧困については、今、全国各自治体でもいろいろなことが検討されています。若干紹介させていただきますと、例えば墨田区では、子どもの貧困の把握に向けて、他の自治体の手法等を参考にしながら実態調査の準備を行う、貧困状態にある子どもが健やかに育成される環境を整備するために、福祉と教育の連携を図る総合的な推進をしていくと議会で発言がありました。

 足立区は、多子世帯、ひとり親家庭の子どもに対する教材費の負担軽減を前向きに検討し、子どもの放課後の居場所づくりに対し、簡単な食事の提供を行うということを明らかにしました。

 世田谷区では、就学援助の中学校入学準備金の支給が7月のため、借金をして制服を買わざるを得ない、こういう実態もあるということで、就学援助は実態に合った支給をすることになりました。

 台東区は、中学校3年生までの医療費無料化は行われていますが、国保の短期証や資格証が発行されている世帯の16歳から18歳の負担には十分相談に乗ると、これも議会で答弁をしています。

 葛飾区は、区が行う実態調査を初め、専門的な庁内での部署の設置などについても具体的に検討したいと表明をしています。

 武蔵野でも調査と対策、これについてぜひ力を入れていただきたいと思います。

 3点目は、学校給食費の滞納者数、小・中学校の不登校数、国民健康保険加入者のうち、保険税が納められず、短期証、資格証の発行となった18歳以下の子どものいる世帯について、数字をお伺いしたいと思います。この数字がイコール子どもの貧困数とはならないにせよ、一つ一つの実態を把握する必要があると考えておりますので答弁を求めます。

 4点目に、子どもの貧困の実態を把握し対策をとるには、市の部や課の横断的な連携が必要となります。先ほども23区の議会答弁等を紹介させていただきましたが、武蔵野でも庁内での対策委員会等をつくる考えについてお伺いをいたします。

 5点目に、就学援助についてお伺いをいたします。就学援助は、経済的に困窮している世帯の小・中学生に学用品などを支給する制度です。対象は、生活保護世帯とそれに準じる程度に経済的に困窮している準要保護者です。準要保護者の対象は生活保護基準を目安に計算していますので、保護基準が下がれば、就学援助対象者だった世帯が対象外となります。

 このたび生活保護の見直しが行われ、保護費の支給基準が下がりましたが、武蔵野市は今まで対象となっていた世帯は切り捨てないとしてきました。しかし、市の議会答弁の中で、来年、平成28年度からは、生活保護引き下げ後の適用で実施を検討したいと述べられています。その場合の対象となる世帯は何世帯で何名になるのか、お伺いをいたします。私は、就学援助の対象を切り捨てるのではなく、今まで受けていた人が切り捨てられないように、基準を緩和すべきだと考えますが、見解を伺います。

 6点目に、奨学金制度の拡充を求めます。市の行っている奨学金制度の見直しについてお伺いをいたします。増額等の検討はしないのか、御答弁をいただきたいと思います。

 次に、少人数学級について伺います。昨年12月の議会で私は、財務省が、始まったばかりの35人学級を40人に戻すように文科省に迫った問題を一般質問で取り上げました。市長も教育長も、子どもたちへのきめ細かい学習指導の充実や、不登校やいじめなどの教育問題への対応のためにも、現在の35人学級制度はぜひ維持してほしいと議会で答弁をいただきました。

 こうした武蔵野市も含む地方自治体や教育関係者、保護者など、35人学級を求める声が広がる中、35人学級は維持されました。学級編制の基準は、2011年に改正された義務教育基準法で、小学校1年生は40人から35人に引き下げられ、小学校2年生以上も順次改定を検討、実施すると定められています。このため、12年度は小学校2年生の35人学級のための予算措置もとられました。

 しかし、安倍政権が発足した13年度以降の35人学級への動きは、ぱったりとまってしまいました。ことし2月の衆議院予算委員会で、日本共産党のはたの君枝衆議院議員の質問に、安倍首相がついに、35人学級の実現に向けて努力したいという答弁がありました。欧米では、少人数学級は当たり前になっています。現在低学年対象となっている少人数学級を、小・中学校全学年に広げることが求められます。

 安倍首相の35人学級の実現に努力するという発言を受けて、市長会、教育長会で、ぜひ少人数学級の推進のために率先して発言をしていただきたいと思います。市長、教育長の答弁を求めます。

 2点目に、35人学級を全学年で実施するとして、現行の児童数で考えた場合、必要な武蔵野の教室数は各学校で幾つになるのか、また、現状の設備で足りるのか、お伺いをいたします。

 3点目に、少人数学級推進を視野に入れた学校改築計画を持つことについて質問をいたします。2月の文教委員会で、武蔵野市学校施設整備基本方針の中間のまとめが報告されました。この中間のまとめには、少人数学級については述べられていません。全学年を対象とした35人学級、将来的には30人以下学級を目指す検討がされるべきだと思います。少人数学級推進を視野に入れた学校改築計画を持つことを求めます。

 最後、4点目に、国に先駆けて、市として独自に少人数学級を進めていくことについて、改めて見解を求めます。

 以上、壇上での質問を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、本間まさよ議員の一般質問にお答えしてまいります。子どもの貧困と少人数学級推進等についてであります。

 まず1点目に、平和の取り組みについての中で、長崎平和記念式典に参加しての感想、核兵器廃絶に対する見解ということでございます。

 今年度は、青少年の平和交流派遣団に一部同行させていただきましたが、派遣団の青少年とともに、平和記念式典に臨ませていただきました。式典において特に印象深かったことは、長崎市長の平和宣言であります。その中でも、若い世代に対しまして、平和への思いをしっかり受けとめてくださいと述べられた点、また、私たち一人一人の力こそが戦争と核兵器のない世界を実現する最大の力ですと述べられた点など、とても大切なメッセージだったと考えております。また、被爆者代表からも心を込めた平和への思いが述べられたと考えております。改めて、我々一人一人が平和のとうとさについてしっかり考え、後世に伝えていく重要性を再認識した次第でございます。

 核兵器廃絶につきましては、本市は日本非核宣言自治体協議会、世界連邦宣言自治体全国協議会、あるいは、私は平和首長会議という、平和や軍縮、核廃絶等を目的に活動する協議会等に参加をしているところでございます。これまでも可能な範囲でこれらの会議にも出席し、所属自治体、首長と連携しながら、平和の大切さを追ってきた経過でございます。

 今後もさまざまな機会を捉えて、核兵器の廃絶と戦争のない平和な未来の実現に向けて、市民とともに市内外に訴えていきたいと考えております。

 次に2番目で、中谷防衛大臣の核兵器の運搬もあり得るとの発言に対する見解ということでございますが、もうこれは明らかに非核三原則の趣旨からしても、このようなことはあってはならないと思っております。

 次に、「平和・憲法手帳」について、今後の普及についての考えということでございますが、当初1,000部を作成し、すぐに利用いただきましたので、その後に1,000部を増刷しております。憲法月間記念行事や夏季平和事業において配布するとともに、市民活動推進課、図書館、市政センター、ふるさと歴史館等でも配布を行っているところでございます。

 今回、サイズをコンパクトにしましたので、気軽に持ち歩いて、いつでも取り出して見ることができて、憲法を身近なものに感じてもらえたのではないかなと思っておりますので、また引き続き、市のさまざまな平和イベントでの配布、あるいは市民活動推進課、図書館等での配布を継続してまいりますので、ぜひ御利用いただきたいと思っています。また、市民同士の勉強会等でも活用いただきたいと思っておりますので、その際は、ぜひ担当課のほうにお声をかけていただければと思います。

 8月を中心に行われた市の平和事業についての結果ということでございますが、他の議員からの質問にもお答えしているとおりでございますけれども、ことしはやはり70年ということもあって、それぞれの事業に大変関心を持って、多くの方に参加いただいたのではないかなと思っております。

 パネル展では、武蔵野の空襲と中島飛行機武蔵製作所及び広島、長崎の原爆について行いました。映画では、「ヒロシマ・ナガサキ」という映画、講演会では安島太佳由さんという写真家にお願いをして、「終戦から70年 戦争遺跡が語ること」というテーマで講演いただきました。子ども向けの平和イベントでも、プレイスギャラリーで絵本の読み聞かせ、紙芝居、朗読等、戦争と平和に関する取り組みをさせていただいたところでございます。市役所のショーウインドーでも、8月3日から月末にかけまして、戦争関連資料の展示を行ったところでございます。

 大変多くの方に来場いただき、興味をお持ちいただいたのではないかなと思っておりますし、会場に置きました戦争体験記録集、あるいは「平和・憲法手帳」、パネル展示資料なども、多くの方にお持ち帰りいただいたということでございます。

 さまざまなアンケートを見ても、大変貴重な資料を見せていただいたという評価をいただいていますし、核兵器の恐ろしさがよくわかった、改めて戦争は絶対にやってはいけないと感じたなど、そのようなお言葉もいただいているところでございます。

 そして、長崎市の青少年平和交流団派遣も、先ほども私の参加の感想を述べさせていただきましたけれども、子どもたちも直接長崎という場所に行って、原爆の起こったところでの体験ができたのではないかなと思いますし、直接長崎市長とも平和についての意見交換もできたということもありましたので、これまで以上に戦争の悲惨さ、平和の大切さについて実感できたのではないかなと思っております。

 派遣団の報告につきましては、平和の日関係のイベントの中で報告会を開催いたしますので、ぜひ皆さん方も聞いていただきたいと思っております。

 次に、大きなお尋ねの2番目で、子どもの貧困対策についてのお尋ねでございます。ちょっと順番を入れかえるかもしれませんが、順次お答えしてまいります。

 1点目の子どもの貧困についての認識、それから、4番目の子どもの貧困の把握、対策をとる庁内の委員会をつくる考えということでございますが、昨年8月に、子どもの貧困対策に関する大綱が閣議決定し、子どもの貧困に関する指標や当面の重点施策が示されたという認識でございます。

 全国の子どもの貧困率は16.3%ですから、ほぼ6人に1人という割合になると認識をしてございます。子どもの貧困の連鎖を防止することが非常に重要であるとも認識をしております。25年12月に生活困窮者自立支援法が成立し、ことし4月から、生活困窮者自立支援制度がスタートしております。

 本市においても生活福祉課を窓口として、就労支援、就学支援などの支援を開始しているところでございます。取り組みとしましては、今年度庁内に、子ども、教育、福祉など関係各課により、子ども支援連携会議を立ち上げたところでございます。関係各課が実施している教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援の課題や支援、連携のあり方を検討するとともに、現状把握の手法についての検討を行っていきたいと考えています。

 2番目の武蔵野市内での実態を把握するための取り組みということでございますが、御指摘のとおり、なかなか実態が把握できていない状況でございます。個人情報の問題とか、データ収集のいろいろな課題もあろうかと思いますので、今回設置いたしました子ども支援連携会議の中で、現状把握の方法について検討させる予定でございます。

 次に、給食費の滞納者、あるいは不登校者については、教育長から後ほど答弁があります。

 私からは、国民健康保険加入者のうち、滞納している18歳以下の子どもがいる世帯の数ということでございますが、短期被保険者証交付世帯が1,070世帯あります。その中で、18歳以下の子どもがいる世帯数は88世帯、139人となっています。被保険者資格証明証世帯は31世帯ございますが、その中で、18歳以下の子どもがいる世帯は2世帯、6人という数となっておるところでございます。

 次に、5番目の生活保護費の削減による就学援助の話、それから奨学金制度の拡充については、後ほど教育長から答弁があります。

 次に、大きなお尋ね3番目で、少人数学級の拡充についてでございます。市長会、教育長会でさらに拡充に向けた発言をしていただきたいという御意見でございます。

 まず、私のほうからお答えいたしますと、現在低学年対象に実施されている少人数学級は、子どもたちへのきめ細かな学習指導の充実を初め、不登校やいじめなどの教育課題への対応にも大変有効である、このように教育委員会からも聞いております。そのため、少人数学級については、今後もぜひ継続をすべきだと考えておりますので、少人数学級の継続、さらには拡充について、今後も市長会などを通して、東京都に要望していきたいと考えています。

 私からは以上でございます。

◯教育長(宮崎活志君)  それでは、私のほうからは、御質問の2、子どもの貧困対策についての教育委員会部分をお答えしたいと思います。

 まず、学校給食費の滞納者についてのお尋ねでございますが、平成23年度から平成26年度までの給食費につきまして、現在の滞納者の数は、平成25年度分が2名、平成26年度分が1名でございます。

 次に、不登校者数についてのお尋ねでございますが、平成26年度不登校者数につきましては、平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果では、小学校が22人、中学校が42人、合計64人となっております。ここで言う不登校とは、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの1年間に、連続または断続して30日以上欠席した児童・生徒でございまして、病気や経済的な理由によるものを除く、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因、背景により、児童・生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあることを言っております。経済的な理由は除かれておりますので、御理解いただきたいと思います。

 また、現在の不登校の状況につきましては、教育委員会で実施した第1期の不登校等児童・生徒に関する調査の結果から、小学校9名、中学校22名となっております。ここで言う不登校は、ことし5月7日から5月15日の間に、休業日を除いて3日程度以上欠席した児童・生徒のことを言うという形で、現在そういう状態にある子をいち早く把握したいということでとっている統計でございます。

 次に、生活保護費の削減による就学援助の対象となる世帯数及び人数についての御質問でしたけれども、これは就学援助の認定基準となる生活保護基準の引き下げに伴う就学援助の対象外となる世帯数及び人数と、就学援助の基準を緩和することについてのお尋ねであると理解し、お答えいたします。

 就学援助の認定基準は、前年度末の生活保護基準を適用して行っております。今年度は生活保護基準の引き下げの緩和措置を行うため、昨年度と変わらないよう、平成25年末の生活保護基準を適用いたしました。来年度に関しましては、従来の運用でございましたら、生活保護基準の引き下げの影響の大きい平成27年4月の生活保護基準、つまり27年のものを適用することになりますが、来年度も今年度に引き続き緩和措置を行うため、27年4月の生活保護基準より引き下げの影響の少ない、平成26年4月の生活保護基準を適用したいと考えておりまして、これにより認定されなくなる、つまり非認定となる世帯数は、およそ48世帯、約58人にとどまる見込みでございます。

 次に、奨学金制度の拡充を求めることについてのお尋ねでございますが、本市独自の奨学金制度につきましては、平成27年度で月額1万200円の奨学金を50名の高校生が受給しております。平成22年から公立高校の授業料無償化と、私立に入る場合、高等学校等就学支援金などの制度が整備され、家庭での負担が軽減されていることから、今後は国や東京都の動向を見つつ、本市の奨学金制度が、より子どもの貧困対策につながるよう、奨学金制度のあり方を検討したいと考えております。

 次に、3番目の御質問、少人数学級の拡充についてでございますが、先ほど市長からもございましたけれども、私からも申し上げますと、現在東京都は、平成23年度の公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の改正に伴って、小学校第1学年、そして平成25年度からは小学校第2学年、中学校第1学年において、1学級当たりの上限人数を35人とする少人数学級を実施しております。

 1学級の人数を減らすということは、教員の数にも関係することでもありますので、その実現にはさまざまな課題がございますが、学校の先生方からは、子ども一人一人に目が行き届き、個に応じたきめ細かな学習指導が行えるとか、発言や発表など、子ども一人一人の活躍の場が増加したなどの学習面での効果や、不登校や問題行動について、より丁寧に対応できる、子どもたちが落ちついて学校生活が送れるなどの生活面での効果があったと聞いております。

 そのため教育委員会といたしましても、先ほど市長も御答弁されましたように、少人数学級の継続、拡充について、東京都市教育長会などを通して、東京都教育委員会に要望しているところでございます。

 次に、現在の小学校3年生以上、中学校2年生以上の学年でも35人学級にした場合、必要な教室数は各学校で幾つになるのか、また、現状の設備で足りるのかということでございますが、現在の状況で小学校3年生以上、中学校2年生以上の学年で35人学級にした場合の必要な教室数につきましては、おおむね学校当たり1学級程度ふえることが見込まれます。

 ただし、大野田小学校と桜野小学校につきましては、3から4学級ふえることが見込まれます。多くの学校では1学級ですので、学校施設上対応できると考えておりますが、大野田小学校と桜野小学校につきましては、それだけのスペースを確保するのは簡単ではございません。また、両校とも改築時期はかなり先となるため、それ以前に35人学級が実施された場合には、臨時的な対応をとっていきたいと考えるところでございます。

 次に、少人数学級推進を視点に入れた学校改築計画を持つべきではないかということでございますが、ことし5月に策定いたしました武蔵野市学校施設整備基本方針におきましては、少人数指導など多様な学習形態に対応できる学習空間を検討することを明記しております。これは少人数指導でございます。少人数学級ではございません。

 現在検討している、さらに具体的な学校施設整備基本計画の策定では、個に応じた指導の充実として、少人数指導や習熟度別指導を行うための学習空間を、普通教室と同様の仕様で確保することで検討を進めているところでございます。

 新しい学校施設は、将来の用途変更にも対応できるよう、建物の構造体と内装設備を分離して建設するという工法でございますスケルトンインフィルの設計を取り入れるため、今後は学級数の変化にも対応しやすいものになると考えているところでございます。

 市独自での少人数学級の取り組みについてはどうかという御質問でございますけれども、先ほどもお答えいたしましたが、少人数学級の拡充には、どうしても教員の数をふやす必要がございまして、市独自で教員を採用する必要が出てまいります。区市町村レベルで教員を採用することにつきましては、少人数学級や専科教員の拡充ができる反面、教員の質の確保や予算措置などの問題もあるとされておりますので、これにつきましては今後研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

◯21番(本間まさよ君)  核兵器の廃絶等の市長の発言は、被爆者の方も、また武蔵野の市民の方も、力強い発言だったと受けとめられると思います。

 この「平和・憲法手帳」は発行された後、すぐにほかの自治体の方からも、ぜひ参考にしたいから送ってくれと言われて、私は、8月はやはり平和の運動を続けていらっしゃる方がたくさん集まる大会ですから、持っていけば必ず参考にされる方がたくさんいらっしゃるし、関心を持たれるだろう、20冊ぐらいなら何とか持っていけるかなという思いで持っていきました。本当に先ほど壇上で言いましたように、すぐになくなるほどたくさんの方が関心を持っていらっしゃいました。

 これを発行したのは市ですから、私がこの手帳について説明する必要はないとは思うのですけれども、私はこの手帳が憲法の全文を書いているだけではなくて、武蔵野市でこの間取り組んでいるいろいろな平和の活動、それが紹介されているというのは、すごくいいなと思います。市民の方も目にすれば、武蔵野市がどんな平和の事業をやったり活動をやっているかがよくわかるということで、とてもいいと思います。

 市長も発刊に当たってということで、市がこれまで取り組んできたさまざまな平和施策や武蔵野の空襲の歴史を知っていただき、また、日本国憲法や人権の大切さを再認識していただくため作成したと。この手帳を作成し、読んでもらうことによって、平和や憲法について理解を深めるきっかけとなれば幸いですという発言をされて、まさにそういう役割を果たすものだと思って、もっともっとたくさんの市民の人たちに目にしていただきたいなと思います。

 そういう意味では、先ほど市長から活用についての御答弁をいただいた中で、もっと広く公共施設に置けないかなというのを一つ思います。私はこの手帳が3月に発行されてから、とてもいいということで御紹介しているのですが、市民の方たちはどこにあるのかよくわからないということで、余り目にしないと言われるのですけれども、市長はそのように認識されていないでしょうか。

 先ほど、担当課のほうに言っていただいたらという言い方をされたのですが、そんなに市役所にもらいに来るというより、身近な公共施設のところで目にできる、行ってみたらあったということで目にするのが、一番やはり市民の人たちの身近な受け取り方ではないかなと思いますので、私はもう少しいろいろなところに置いていただきたいなと思いますので、それについて御答弁をいただきたいと思います。これは1点目の質問とします。

 それから、2つ目は貧困の問題です。先ほど市長からは、自立支援法の関連で、庁内の委員会について御説明があったように感じるのですが、私が質問した子どもの貧困対策というのも、この庁内の委員会でやるという御答弁だったのでしょうか。ちょっと確認をさせていただきたいと思います。

 生活困窮者自立支援法が制定されて、貧困の連鎖をつくらない教育などにも力を入れることもあるという説明があるのですが、一方で、生活保護を受けていらっしゃる方たちが自立という名前で就労する。しかし、中間だということで最賃制以下のところで働くようなことが結構あるわけです。やはりそれでは本当の意味での自立にはならなくて、これは質問とはちょっと離れますが、そういう問題点はあると私は思っております。

 質問としては、庁内の委員会というのは、子どもの貧困に対する対応ということを意味するのかどうかを確認させていただきたいと思います。

 それから2つ目は、調査については検討すると御答弁いただきました。これはぜひきちんと調査しなければ、どういう実態があって、どういう対策をとらなければいけないかということが出てこないと思います。先ほど壇上でも御紹介しましたが、いろいろな自治体が、どうやったらどれだけ実態がわかるかということで、今いろいろな検討をしているところだと思います。先進市というか、他の自治体でやっていることをぜひ調査していただいて、武蔵野でもきちんとした実態がわかる調査、それに伴った、武蔵野市としての必要な対策というのをぜひとっていただきたいと思いますので、これもあわせてもう一度御答弁いただきたいと思います。

 子どもの貧困に関しては、就学援助です。教育長に、緩和措置を行ってきたということで御説明がいただけましたが、平成28年、来年度は、先ほど御答弁いただいた48世帯、58人の人は、対象から外されるということですよね。この方たちは、別に収入がふえたわけではないのですよね。収入は全然ふえたわけではなくて、今までと同じ収入、生活費。だけど生活保護基準が下がったから対象から外される。

 例えば、小学校で言えば就学援助の費用というのは6万3,000円、中学校は9万8,000円と、これは議会で答弁されましたが、こういう学校で必要ないろいろな学用品については援助されないと。やはりこういう子どもの貧困が問題になっている中で、今まで対象となっている人たちを救うためには、この基準が今武蔵野では、生活保護基準の1.5ですよね。それを1.6にするとか、そういう見直しというのはできないのでしょうか。そして対象を切り捨てるのでなく、若干ふやしていくというか、緩和をしていく、そういう検討はされないのでしょうか、これをお伺いしたいと思います。

 それで、緩和をする場合は、市が全額費用として持つのか、国の補助というのはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。

 次に、少人数学級についてです。これも何度か質問させていただいて、だんだん武蔵野市の中での実施についても研究という御答弁もいただいたのですが、まずは今後、少人数学級が進んでいく可能性というのは、国の答弁も変わってきましたので、出てきているなと思うのです。その場合、今武蔵野市が計画として、学校施設の整備計画というのを持っていながら、この基本方針のところに何で少人数学級という視点がないのかというのは、私はとても不思議なのです。

 少人数指導と少人数学級はやはり違うわけで、市長も教育長も、少人数学級についての有効性というのは議会で答弁されているわけで、何でこういうところに書かれていないのかなととても不思議で、やはり後景に置かれてしまっているのではないかなと思うのですが、その辺については改めてお伺いしたいと思います。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、私から再質問にお答えしてまいります。

 まず、「平和・憲法手帳」でございますが、多くの方に利用いただきたいと思いますので、場所については工夫をしていきますが、先ほど言わなかった場所としては、市政センターのほうでも配布をしているということでございますので、お近くの市政センターでお受け取りいただければと思っています。また、どこに置いてあるかわからないときには、ぜひ市のほうにお問い合わせいただければ、お近くの場所をお伝えできるかなと思います。

 それから子どもの貧困に絡みまして、子ども支援連携会議というのを設置しておりますが、これは子どもプラン武蔵野に基づきまして、子どもが障害または貧困などの環境要因に左右されることなく、地域の中で健やかに成長するための環境づくりを行うため、武蔵野市子ども支援連携会議を設置するという位置づけでございます。この連携会議において、先ほど来御質問いただいているとおり、子どもの貧困の実態というのはなかなかつかみがたい状況でございますので、どのように調べられるかも含めて、他都市の先進事例も参考にしながら、研究させてまいりたいと思っております。

 私は以上でございます。

◯教育長(宮崎活志君)  再質問のまず就学援助についてでございますけれども、先ほど申し上げました、この48世帯、約58人の方が非認定という形になるであろうと。実際にはそのまま基準どおり行ったりすれば、もっと大きな影響が出るわけですが、緩和措置として行っているので、そのぐらいにとどまる。しかし議員がおっしゃったように、その方たちにはそうした支給がないということも、それは事実でございます。これは大変難しいのですが、こうしたいわゆる緩和措置を継続的にとっていくのかどうかです。

 これは例えば、先ほど基準を1.5から1.6倍などに変更できないのかということもございましたけれども、非常に広域に行われる社会制度の一つでございますので、例えば武蔵野市ができるからといって、非常に他の自治体と差のある条件で子どもたちに設定してあげるということ、それはできればしたほうがいいかとも思うのですが、子どもたちは転校したりすることもありますし、ある種の不平等感といいますか、そういったものは、他の市の方たちから生まれることもあり得るのではないかなと思います。

 教育の機会均等といったことをどのように捉えて、こうした条件整備に当てはめることができるか、大変悩ましいところでございまして、現在は政策判断として、そうした激変を緩和していく措置を継続して取っているという状態でございます。いわゆるおくらせて影響を少なくしていって、卒業までなるべくケアしてあげる、こういう形をとっているわけでございます。

 それから国の補助ですが、緩和する場合、国の補助はどういうことがあるかというのは、ちょっと私のほうで存じ上げておりません。
 それから、少人数学級について、そうした進展の可能性もあるのではないか、基本方針にないのはなぜかというところでございますけれども、基本方針は、基本的には現在の制度ということを前提にして行っておりまして、いろいろな制度の見込みとか改善の可能性とか、そういったものを盛り込んでいきますと、実際にはその方針ができなくなってしまうところもございます。現在を固定して、この条件の中でという形で基本的には考えているわけでございます。したがって、そのほかの要素も取り入れられていないものもあるかもしれませんし、そういったことも含めて御理解いただければと思います。

◯21番(本間まさよ君)  子どもの貧困についてなのですが、庁内には連絡会議があると。先ほど伺ったように、例えば国保を滞納している子どものいる家庭、もちろん義務教育の場合は、今医療費無料という対応になっているけれども、それ以上の子どもについては負担がかかる。そういうことでの問題や、そういう対策だとか、それから学校給食などの問題とか、保育園もありますよね。いろいろなことの中での実態が見えてきたということがあると思うのです。

 そういうことを生活福祉課、保育、健康課、教育委員会、いろいろなところでの連携をとりながら、大きな事故などにつながらないような対策というのは、この連携会議での仕事であると考えていいのか、そうではなく、まだ話し合いというところなのか、対策ということについてはどうなのかというのを、1点だけ確認しておきたいと思います。

 それから就学援助についての教育長の御答弁はちょっと納得ができないのです。就学援助の基準というのは、一律ではないですよね。生活保護基準で1.1だとか1.2だとか。武蔵野は1.5で、割と多摩の自治体の中では基準としては高いというのは理解しておりますけれど。だから今でも各自治体の裁量というか、考え方の中で、この基準ができてきているわけで、先ほどの教育長の答弁だと、どこの自治体でも同じでなければならないという御答弁だったように思うのですが、今でも武蔵野市としてはやはり、これは必要だということで基準を決めているわけで、ですからちょっと答弁としては、私としては違うのではないかと思うわけです。

 確かにどういう数値にするかというのはなかなか難しいということはあると思うし、本来だったら国がきちんとこうした対策に、もっともっと乗り出さなければいけないのは、もう大前提です。オスプレイなんか買うよりも、本当に子どもの貧困に取り組むことが大事だと思います。

 ちょっと話はずれてしまうかもしれませんけれど、8月30日に行われた安全保障関連法案に反対する集会で、音楽評論家の湯川さんは、こんなに軍事費を使ったりオスプレイを買うよりも被災者の人たちに支援すべきではないかとか、お金の使い方が違うのではないかと言って。まさにそうだなと私は思います。

 私はやはり本来であれば、国がきちんとこうした貧困対策にもっともっとお金を使うべきだと思いますが、まだ国のほうでの対策がなかなか進んでいない中でも、武蔵野でできることを考えるべきだと思います。そういう意味で、就学援助の認定が外されるというのは、やはり今の貧困の問題をやっていく意味では、考えるべきではないかなということを、意見として述べさせていただきたいと思います。

 基準についてはちょっと違うのではないかと思いますので、答弁がありましたら改めて答弁をしていただきたいと思います。

 それから、少人数学級についてですが、これもちょっと教育長は、想定というより現行で考えなければいけないとおっしゃいましたけれども、ここに書かれているのは、今後いろいろなことを考えて、例えば小学校については自校方式の施設をつくるということも検討されていますよね。こういうのを書かれている以上、やはり少人数学級についても考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

◯市 長(邑上守正君)  子ども支援連携会議でありますが、健康福祉部、あるいは子ども家庭部、教育部から、それぞれの関係する課長等の参加を求めているところでございますけれども、さまざまな支援のあり方や体制づくり、環境づくりを検討することが主であります。ただ、そういう検討においてさまざまな課題を出し合うことが、個々の課題解決にもつながるものと思っておりますので、この検討のみならず、さまざまな課題解決に向けた取り組みを期待しているところでございます。

◯教育長(宮崎活志君)  まず、就学援助の基準は市によって異なるわけでございます。そのようにまたお答えもしてきているわけですが、そうして対応もきっと異なる対応がされていると思います。余りにも市による差が開いていく、対応の違いが極端になっていくことは、やはり社会制度として維持する上では好ましくないのではないかなと思いますし、本来でしたら、望ましいところに国の施策として行われていくということを目指さなければいけないわけでございます。

 そういったことで、私が申し上げたのは、違わないということではなくて、違っている状態であるけれども、それ以上に我々が対応していく場合に、ある程度近隣の市といったところとの整合も、観点の一つとして持っていなければいけないのではないかということでございます。

 それから、2つ目でございますが、給食の自校施設等について書いてあるということでございますが、給食の自校施設などは実はもう既に、区部などを見てわかりますように、それが普通でございまして、ですから私が申し上げたのは、いわゆる学級基準といった非常に基盤になる大きなものにつきましては、それを一応現在の時点のものから想定していかなければ、ちょっと方針が立たないということでございます。

 それ以外に既に行われていたり、小中連携・一貫のような、導入の是非がもう検討できる状態に法律が成立している。こういったものなどについては、それを前提にどうするかを考えていく、そういう形で方針をつくったわけでございます。
                               
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